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スバル、今秋発売の次期「インプレッサ」に採用する「SUBARU GLOBAL PLATFORM」公開
吉永社長「本当にワクワクする、本当にいいクルマを作ってくれている」
(2016/3/8 14:57)
- 2016年3月7日 発表
スバル(富士重工業)は3月7日、次期「インプレッサ」に採用するSGP(SUBARU GLOBAL PLATFORM)を公開。SGPは2016年秋に市場投入するインプレッサを皮切りに、今後同社が独自開発するすべてのスバル車に採用予定の新プラットフォームとなる。
同日、スバル本社では「次世代SUBARU説明会2016」と題した説明会を開催。新プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」と開発中の次期インプレッサについて、同社代表取締役社長の吉永泰之氏は「(SGPは)今年の後半にインプレッサとして世界各地で順次発表発売します。つい2~3週間前に私自身が当社のテストコースに行って、いま開発しているクルマに乗ってきました。本当にワクワクする。本当にいいクルマを作ってくれていると感じています」と感想を話すとともに、吉永氏は「私共はこれからもお客様にワクワクしていただけるクルマを開発していきたいと思っています。ぜひ今日はワクワクの一部分を感じてほしい」と、新プラットフォームに対する期待感を話した。
“安心と愉しさ”を高めるプラットフォーム
説明会では、吉永氏は中期経営計画「際立とう2020」について触れ、2020年にありたい姿として「大きくはないが強い特徴を持ち質の高い企業」であることを示すとともに、そのなかでスバルのユーザーに提供する価値として“安心と愉しさ”を中心に位置づけていることを紹介した。
また、2020年に向けて試験研究費として1000億円/年レベルを継続していく考えを示し、新プラットフォームとともに、アイサイトを始めとした運転支援システムを進化させて自動運転につなげていくことや、デザインにも力を入れていくことを強調した。
吉永氏は「多くのメーカーが新しいプラットフォームを開発しておりますが、開発の効率化やコスト低減を狙いとしており、(我々も)もちろんそれも狙いではありますが、私共は私達の強みである安心安全の能力をさらに高めるため、私共のプラットフォームを新しくします」と、新プラットフォーム導入の狙いを話した。
2025年の安全基準を見据えたプラットフォーム
同説明会には社長の吉永氏のほか、取締役専務執行役員 スバル技術本部 本部長の武藤直人氏、執行役員 スバル技術本部 副部長 大拔哲雄氏、スバル商品企画本部 デザイン部 部長 石井守氏の4名が登壇した。
公開された新プラットフォームは、より効率的に衝突時のエネルギー吸収を可能とするフレーム構造の採用やホットプレス成形材などの高張力鋼板採用拡大による車体強度の向上により、衝突エネルギー吸収率を現行車比で1.4倍に向上させた。
さらに、2025年頃においても、さらなる高強度化や材料置換を視野に入れ、世界最高水準の衝突安全性能を実現できるポテンシャルを持つプラットフォームという。
吉永氏に続けて登壇した取締役専務執行役員 スバル技術本部 本部長の武藤直人氏はスバルの安全思想を示し、運転や操作のしやすい設計とする「0次安全」、低重心や4WDを採用することで安心を生み出す「アクティブセーフティ」、アイサイトをはじめとした運転支援システム等による「プリクラッシュセーフティ」、乗員や保護歩行者保護を考慮したボディ構造の「パッシブセーフティ」を紹介、武藤氏は「スバルではこの4つを我々の安心安全の柱として開発を進めている」と話した。
新プラットフォームの安全性能について武藤氏は「2025年まで十分にやっていけると予測したプラットフォーム」「世界最高レベルの安全性能をこれからずっと確保できる」「近未来にやってくる自動運転や電動化にもこのプラットフォームで対応していく気持ちで開発した」などと紹介。
加えて、武藤氏は「我々としてはかなり気合の入ったプラットフォーム」、「次世代のスバルは、今年出てくるクルマからSGP(SUBARU GLOBAL PLATFORM)を使用して、“安心と愉しさ”をよりレベルを上げたクルマを毎年提供していきたい」との意気込みを示した。
一方で、自動運転に対する考えについて、武藤氏は「自動車事故をゼロにすること、アイサイトを進化させて事故をゼロにする。その過程、その結果として自動運転を実現したい」との考えを示した。
会場では、そのほか富士重工業 執行役員 スバル技術本部 副部長 大拔哲雄氏と富士重工業 スバル商品企画本部 デザイン部 部長 石井守氏が、新プラットフォームの紹介とともに、今後展開される安全技術やデザインについてプレゼンテーションを実施した。