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ボルボ、バッテリEV「EX30 クロスカントリー」登場! 「アドベンチャースピリットに応える新しい時代のEV」と不動奈緒美社長
発表会で新ラインアップについても説明
2025年8月22日 06:00
- 2025年8月21日 開催
“冒険を楽しむ”クロスカントリーがEX30に追加
ボルボ・カー・ジャパンは8月21日、バッテリEV(電気自動車)「EX30」の新モデルとして「EX30 クロスカントリー」を発売した。価格は694万円。
EX30 クロスカントリーは、EX30の都市部での快適な走行性能や機能性をそのままに、ボルボのクロスカントリーの伝統を引き継ぎ、キャンプやスキーなどのアウトドアアクティビティにも最適なモデル。週末に都会を離れ、自然の中での冒険を楽しみたい人に“ひとつの体験”を提供するクルマとのこと。
EX30 クロスカントリーのエクステリアは、フロントマスクとテールゲートにマットブラック仕上げが採用され、フロントにはEX30 クロスカントリーの冒険心を象徴し、スウェーデンの北極圏にあるケブネカイセ山脈の地形図からインスピレーションを受けたアートワークが施されている。また、リアのロアバンパーとCピラーには初代から変わらない書体の“CROSS COUNTRY”のロゴが入り、フロントとリアのバンパー下部と一体化した“ヴェイパーグレー”カラーがアクセントとなるインサートや、ダークカラーのホイールアーチ・エクステンションが力強い印象を際立たせている。
マットグラファイト仕上げの専用19インチアルミホイールには、EX30の標準モデルより直径が大きく扁平率が高いタイヤが装着され、EX30 クロスカントリーのタフなスタイルを強調。さらに、18インチのオールテレーンタイヤと専用ホイールや、ルーフバスケット、マッドフラップといった純正アクセサリーも用意され、よりタフな外観を引き立てるとした。
内装は、スカンジナビアの常緑松林にインスパイアされた「パイン」インテリアを採用。シート地は、責任を持って生産されたウール30%、再生ポリエステル70%を配合したテイラード・ウールブレンド素材と、リサイクル素材とバイオ由来素材からなるノルディコのコンビネーションで、モダンで心地よい雰囲気を付与している。デコラティブ・パネルには、一年草で成長が早く、栽培中にCO2を吸収する再生可能な繊維である亜麻を使ったフラックス・デコパネルを採用するなど、細部までサステナビリティを追求し、環境にも配慮した快適でスタイリッシュなインテリアを実現している。
EX30 クロスカントリーの最低地上高はEX30よりも20mm高い195mmを確保。サスペンションは、路面の衝撃を効果的に吸収するよう設計されており、フロントとリアのスプリングや、リアのアンチロールバーはEX30の標準モデルに比べて柔らかくなっているとのこと。さらに、フロントおよびリアのダンパーやステアリングのソフトウェアもクロスカントリーモデルらしい乗り味になるよう最適化され、車体の動きを適切にコントロールし、滑らかな乗り心地、あらゆる状況下での操作性を実現した。
パワートレーンは、フロントに最大出力115kW(156PS)/6000-6500rpm、最大トルク200Nm(20.4kgfm)/5000rpm、リアに最大出力200kW(272PS)/6500-8000rpm、最大トルク343Nm(35.0kgfm)/5345rpmを発生するモーターを搭載する4WDモデル。前後モーターのパワー配分は常に制御されており、あらゆる状況下で後輪と前輪への最適な動力伝達が行なわれ、都市部での走行、高速道路、週末のアウトドアアクティビティまで、さまざまな路面状況に応じた優れた安定性とパフォーマンスを発揮する。
ドライブモードは、センターディスプレイのボタンからワンタッチで切り替えでき、走行性能と電力消費を最適化する「標準」モード、フロントモーターを常時使用して4WDによる最高のパフォーマンスを発揮する「パフォーマンス」モード、航続距離を最大化する「レンジ」モードが選択できる。
また、ほかのボルボ車と同様に、EX30 クロスカントリーのインフォテインメントシステムにはGoogleが搭載されており、Google Mapsをはじめ、さまざまなGoogleアプリが標準で利用可能。また、「ボルボEX30アプリ」を使えば、自然の中を探索しながらでもスマートフォンで離れた場所からエアコンを作動させ、あらかじめ快適な室温になったクルマにすぐに乗り込むことができるとした。
同日に行なわれた発表会では、ボルボ・カー・ジャパン 代表取締役社長 不動奈緒美氏がプレゼンテーションを実施。ボルボでのクロスカントリーの歴史は、1997年に発売された初代「V70 XC」から始まったこと、スカンジナビアの厳しい気候に対応するクルマとして誕生した、ボルボの故郷であるスウェーデンの風土が生み出したモデルであることなどを説明。
EX30 クロスカントリーについて、「いつも心の片隅に冒険心があって、好奇心とチャレンジする気持ちを忘れない人に、これほど似合うクルマはないんじゃないかと以前から思っています。たとえ道路が雪や氷に覆われていても、EX30 クロスカントリーは冒険する心に応えてくれるはずです」と紹介した。
続けて、デザインや機能について紹介するとともに、「EVは冬に弱い。世間では以前そのような声も聞かれました。しかし、このEX30 クロスカントリーは厳しいスウェーデンの冬でも、何ら問題なく皆さまの相棒となってくれるはずです。WLTCモードでの航続距離は500kmで、東京から京都あたりまで行けます。皆さまの好奇心、そして要求も十分に満たせるはずです。また、日本自動車工業会(自工会)のデータによれば、一般的な乗用車の月間平均走行距離は約370~400kmとのことですから、多くの方のニーズを満たせるのではないかと思います」と、十分な航続距離も備えているとした。
最後に不動氏は「思い立ったときに、どこへでも自由に。都会から山や森へ。そんな冒険の心、アドベンチャースピリットを持ち続けることは、これからの新しい時代のライフスタイルなのかもしれません。美しい森や、山や、湖、そして厳しい冬のスウェーデンで生まれたEX30 クロスカントリーは、まさにそんなアドベンチャースピリットに応えるこれからの新しい時代のEVだと私は思います。小さなボルボで大きな体験を。そんな言葉がふさわしいクルマです」とEX30 クロスカントリーについて語った。
EX30のモデルラインアップを拡充
EX30 クロスカントリーの発売に合わせて、EX30のモデルラインアップの拡充も発表。航続距離を伸長したシングルモーターモデル、現行モデルの装備を見直して価格を抑えたモデル、ハイパフォーマンス4WDモデルの計3モデルが新しく追加された。
新たなラインアップとして、LFPバッテリ(リン酸鉄リチウムイオンバッテリ)を採用し、WLTCモード一充電走行距離390kmの航続距離と、0-100km/h加速5.7秒の加速性能に加え、最先端の安全・運転支援機能を標準装備した「EX30 Plus Single Motor」を導入。価格はボルボ車の中で最も安い479万円。
また、現行のシングルモーターエクステンデッドレンジモデルのWLTCモード一充電航続距離の560kmという数値はそのままに、装備を見直した新グレード「EX30 Plus Single Motor Extended Range」も追加。価格は539万円。
フロントとリアにモーターを採用した4WDモデルの「EX30 Ultra Twin Motor Performance」は、フロントに最大出力115kW(156PS)、最大トルク200Nm、リアに最大出力200kW(272PS)、最大トルク343Nmを発生するモーターを搭載し、0-100km/h加速ではこれまでのボルボ車で最速となる3.6秒を実現。クラス最高レベルのパフォーマンスと洗練された走りを提供するとした。価格は629万円。
EX30 クロスカントリーの発表会でも不動氏がラインアップの拡充を紹介。「ボルボは世界的な市場環境を考えて、全車EV化のタイムフレームを変更しました。しかし、2040年には私たちの事業すべてにおいて、クライメートニュートラルを達成するという目標は変わっておりません。そして日本でも、今、確実に電動化が進んでいます。実際、昨年の販売台数のうち、ボルボは16%がEVでした。私たちボルボだからこそできる選択肢の提供、それをこのEX30で実現していきます」と述べるとともに、「皆さまに特にお伝えしたいことは、どのモデルでも安全装備に全く違いがないということです。人を中心に考えるボルボだからこそ、価格によって乗員の安全性が損なわれるようなモデルは投入いたしません。ここは私が声を大にして皆さまにお伝えします。今からEV生活をスタートしようかな。そんな方にはエントリーモデル。ハイパフォーマンスのEVが欲しい。そういう方にはツインモーターを。アドベンチャーやアウトドアライフを楽しみたい。そういう方にはクロスカントリーを。一人ひとりのライフスタイルに合ったEX30を選んでいただけるようになります。このように、大幅にラインアップを拡充したEX30シリーズは、きっと多くのお客さまの魅力的な選択肢になると思います」と期待を語った。

































