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ブルーイーネクサス、新開発の「eAxle」がトヨタの改良型「bZ4X」に搭載、前後とも従来より出力向上を実現
2025年10月10日 15:50
- 2025年10月10日 発表
BluE Nexusは10月10日、アイシンおよびデンソーと共同開発した、小型で高い動力性能を実現し、車両の電費向上に貢献する「eAxle」が、トヨタ自動車のBEV(バッテリ電気自動車)モデル新型「bZ4X」に搭載されたと発表した。
今回採用されたeAxleは、デンソーが手掛けるSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体や冷却技術などを進化させた平置き両面冷却構造を持つ新型インバータの搭載により、出力密度や効率を向上した製品。また、アイシンが手掛けるトランスアクスルとモーターは、ギヤの精度向上とケーシング形状の最適化によるオイルの撹拌抵抗の低減によって、伝達効率を向上させているのが特徴。
フロントは体格はそのままで、従来の最高出力150kW(204PS)から167kW(227PS)へと向上。リアも80kW(108PS)から88kW(120PS)へと最高出力を向上させている。また、リア向けについては167kW(227PS)も開発中という。
新型bZ4Xに搭載されたeAxleは、インバータに低損失SiCパワー半導体を採用したほか、樹脂絶縁基板と通電回路の最適化によりインピーダンスを低減し、高速駆動を実現させている。トランスアクスルは、歯面超仕上げによりギヤ摩擦の損失を低減。またケーシングの内部構造を最適化することで、オイルの撹拌損失を低減させたという。モーターも同様に、銅線や磁石形状といった電磁気構造を最適化することで、損失を低減。eAxle全体では約40%の損失低減を達成している。
またインバータ内部を、従来の縦置き両面冷却から平置き両面冷却に変更したり、楕円型ピンフィンにより放熱性を向上させたほか、トランスアクスルのディファレンシャルギヤに高強度差動ギヤを採用したり、部品の統廃合を行なうことで、前後とも出力密度を向上させている。なお、開発中の167kWのリア向けeAxleでは、出力密度を約2倍まで引き上げることに成功している。
一部改良前のbZ4Xは1つの電池しか設定されていなかったが、新型は搭載する電池は2種類設定されており、航続距離の長いモデルは電池容量が大きく、電池電圧も高い。3社はeAxleの技術進化を通じて、航続距離の延伸など実用性の向上に加え、bZ4Xならではの走りの楽しさと快適性を追求した車両づくりをサポートするとしている。


