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デンソーと京セラ、既存工場に設置可能な軽量太陽光発電システムの実証実験

2024年6月11日 発表

工場屋根への設置イメージ

 デンソーと京セラは6月11日、両社共同で、デンソーの既存工場での自家発電率を高める取り組みとして、2024年10月〜2025年9月の期間、デンソーの西尾製作所にて軽量太陽光発電システムの実証実験を行なうと発表した。

 デンソーは京セラと協力し、1981年以前の耐震基準で設計された既存の工場屋根にも設置可能な軽量太陽光発電システムの検討を進めてきた。実証実験では、両社が開発した軽量太陽光発電システムをデンソーの西尾製作所404工場の屋根(約360m 2 )に設置し、長期信頼性や発電量最大化を実現するためのシステム設計の検証を行なうとしている。

 これまでに、デンソーでは太陽光などの自家発電を増設し、化石由来の電力を再生可能エネルギーに置き換えるなどの取り組みを進めていた。自家発電については、デンソーが国内に保有する約150万m 2 の工場屋根に太陽光パネルを敷設すると、現在の太陽光による自家発電量の約7倍の再生可能エネルギーを得ることができるとしているが、1981年以前の耐震基準で設計された工場屋根は、従来の太陽光発電システムの荷重に耐える基準を満たしていないことが課題としてあった。

 軽量太陽光発電システムの設計においては、デンソーが工場建屋の構造計算を一から見直し、追加の荷重が可能な場所とその荷重量などを明らかにし、これらのデータをもとに、京セラがデンソー建屋の屋根材幅や鋼材ピッチに合わせ、最適な形で荷重を分散する構造の軽量太陽光発電システムを設計。さらに、軽量型パネルで主流の接着工法ではなく金具による固定方式にすることで、パネル本体の交換を容易にし、メンテナンス効率を向上させた。

 デンソーでは2025年度からの国内工場への本格的な展開を計画していて、将来的には国内・海外のグループ会社への展開も検討していくとしている。

実証システムイメージ図(屋根構造に対するパネル配置)