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ニュル24時間でGRヤリスは原因不明の前後振動に、問題解決のためエンジンや駆動系などパワートレーンを全交換
豊田章男氏は「何よりも安全優先でチャレンジ」と指示
2026年5月17日 18:09
ニュルブルクリンク24時間レースも開始から18時間程度経過し、さまざまなクラッシュやトラブルなどが発生している。17日朝7時(現地時間、日本時間は14時)くらいまで順調に周回を重ねていた109号車 GRヤリスにもトラブルが発生した。
トラブルの説明を行なったGAZOO Racing カンパニープレジデント 高橋智也氏によると、「前後方向の振動が出ている」とのこと。この前後方向の振動を解消するために、タイヤの交換など各所の交換を行ないつつ大嶋和也選手にグランプリコースを走ってもらったものの、振動が解決しないという。
そこで、トヨタ自動車とルーキーレーシングが組んだ「TOYOTA GAZOO ROOKIE Racing」(以下、TGRR)の総責任者でありGM(ゼネラルマネージャー)である関谷利之氏が決断する形で、エンジン、トランスミッション、プロペラシャフト、リアデフなど駆動系の全交換を決断。レースは残り7時間ほどとなっているが、「5~6時間くらいかかる作業」(高橋プレジデント)に取りかかった。
この判断の元となったのは、もともとモリゾウ選手こと豊田章男会長とニュルブルクリンク活動を開始した成瀬弘だったらどう考えたであろうかと考えたこと。関谷氏は「まあ成瀬さんは笑顔で『お前らリタイアすんのか』って言うと思います」と考え、リタイアするのではなく、直して挑戦するのが成瀬さんのやり方であるとの判断があった。
この判断の下、リタイアせずに作業時間が5~6時間というパワートレーン全交換の重作業に取りかかった。
この判断はチームオーナーであり、ドライバーでもあるモリゾウ選手にも相談されており、豊田章男氏は「まあ分かったやってみろ」「但し、コースに復帰させるがために焦って急いで、不安全になるのはダメだ」と伝え、「何よりも安全優先でチャレンジしなさい」と語ったという。
その上で、「何もかもうまくいくわけじゃない、これがまあニュルなんだ」というような話があったと高橋プレジデントは明かす。それを受けてチームとして現在一生懸命作業しているとのことだ。
2026年ニュル仕様のGRヤリスでは、3つの大きなアップデートが行なわれている。昨年は完走したのに対し、今年トラブルが出てしまったことで単純にはアップデート内容が疑われるが、「タイヤのジオメトリーを変えたのが原因かもしれないですし、空力のダウンフォースを強化してきたのが原因かもしれないですし。ちょっと今時点では何とも言えないです」(高橋プレジデント)と、現時点ではまったく原因不明。交換したパワートレーン一式を日本に送り返し、ニュルブルクリンク24時間レース終了後に原因究明を行なう。
今回のパワートレーン交換は長時間の作業になるが、成瀬弘のあり方をチームが思うことでリタイアせずにゴールを目指す道を探る。最終的には安全を最重要視し、交換が間に合った場合でもチェックラップを挟んでレースに復帰する。作業が間に合うかどうか現時点で分からないが、109号車が再び走り出すことを期待して待ちたい。
この時点までの周回数は公式計時では69周。チームとしてはモリゾウ選手6周、豊田大輔選手29周、石浦宏明選手24周、大嶋和也選手11周。110号車 GRヤリスを担当する佐々木雅弘選手11周と記録されている。ベストラップは9分33秒699となる。


