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マツダ、2027年3月期 第1四半期決算は売上高で過去最高の1兆2857億円を記録 営業利益と当期純利益も黒字転換

2026年8月4日 開催
マツダの2027年3月期 第1四半期決算説明会で登壇したマツダ株式会社 代表取締役 専務執行役員兼CFO ジェフリー・H・ガイトン氏

 マツダは8月4日、2027年3月期 第1四半期(2026年4月1日~6月30日)の決算内容を発表した。

 第1四半期の売上高は前年同期(1兆997億7000万円)から16.9%増の1兆2857億600万円、営業利益は前年同期(-461億1500万円)から黒字化して328億3600万円、営業利益率は2.6%、経常利益は前年同期(-342億5500万円)から黒字化して428億4300万円、当期純利益は前年同期(-421億400万円)から黒字化して296億3000万円となった。

 また、連結出荷台数は前年同期(26万6000台)から1万4000台増の28万台で、グローバル販売台数は前年同期(30万1000台)から3000台増の30万4000台となった。

2027年3月期 第1四半期の財務指標
2027年3月期 第1四半期の生産台数とグローバル販売台数の内訳

売上高1兆2857億円は第1四半期として過去最高

2027年3月期 第1四半期決算の総括

 決算説明会の冒頭で、マツダ 代表取締役 専務執行役員兼CFOのジェフリー・H・ガイトン氏が7月28日に発生した令和8年熊本地震で被災したすべての人にお見舞いを述べ、被災地域に住む人の安全確保と1日も早い復旧復興を心からお祈り申し上げるとコメントしてプレゼンテーションがスタートした。

 第1四半期のトピックとしてガイトンCFOは、対前年16.9%増の1兆2857億円となった売上高は第1四半期として過去最高となり、営業利益も米国の関税負担が300億円程度発生していながら前年同期の赤字から328億円の黒字に転換するなど大幅な改善を果たしていることを挙げた。

 台数実績でも対前年同期比で7%増となる29万6000台となり、関税影響を受けて減少した対前年から2年前とほぼ同水準に回復している。グローバル販売では日本、北米、欧州といった市場で販売台数を伸ばし、全体需要が低下している中国市場でも前年並みの水準をキープ。市場別で唯一の減少となったその他市場は、主に中東情勢の悪化と豪州でのモデル切り替えの影響となっている。

日本市場の第1四半期実績と重点取り組み
北米市場の第1四半期実績と重点取り組み
欧州/豪州市場の第1四半期実績と重点取り組み
中国/その他市場の第1四半期実績と重点取り組み

 対前年同期比で789億円増となった営業利益は、出荷台数の増加やモデルミックスの改善、米国における関税率の引き下げが要因となった「台数・構成」で434億円、タイバーツ以外が円安となった「為替」で413億円、構造的原価低減などの取り組みを進めている「コスト改善」で157億円の増益要因が発生し、インフレや中東情勢の影響を受けた「原材料・物流費等」による240億円などの減益要因を大きく上まわった結果としている。

第1四半期における営業利益の変動要因

 なお、2026年3月期通期の見通しは、台数見通し、財務指標ともに変更を行なわず、5月に発表した数値を維持している。

2026年3月期通期の見通しでは台数見通し、財務指標ともに変更なし
通期の見通しの総括。5月に発表した通期見通しの達成に向けて順調に推移している

「高い安全性が生む安心感もマツダの『走る歓び』を支える重要な要素」

「2030経営方針」の取り組みも順調に進んでおり、今期は5月に発売した新型「CX-5」を中核として販売を推進

 決算説明に続き、ガイトンCFOは5月に発売した新型「CX-5」の導入状況などについて解説。マツダの主要市場である欧州、北米、日本で第1四半期から販売をスタートさせた新型CX-5は各市場でデザインや快適性、静粛性、広々とした車内空間、安全性などが高く評価され、6月末までに日本で1万台以上、欧州で2万台以上の受注を獲得。店頭在庫の販売がメインとなる米国でも6月、7月の個人向け販売で前年同期比約10%の増加を実現しているという。

 第2四半期以降は豪州を含む各市場でも導入を進め、マツダの通期台数成長につなげていく計画となっている。

販売をスタートした欧州、北米、日本の各市場で計画を上まわるスタートダッシュを見せている

 新型CX-5の商品力を支える重要な要素として安全性能を挙げ、世界各国で高く評価されているとアピール。新型CX-5は米国の「IIHS」、欧州の「ユーロNCAP」、豪州とニュージーランドの「ANCAP」でそれぞれ最高評価を獲得しており、これに加えてマツダが各市場で実際の走行環境における性能を追求してきたことに対する評価でもあると説明。

 具体的な例として米国のIIHSにおける評価を挙げ、新型CX-5が最高評価の「トップセイフティピック+」を受賞したことで、マツダとして累計100回目のトップセイフティピック、トップセイフティピック+の獲得となったほか、マツダは3年連続でトップセイフティピック+となり、全銘柄中最多の地位をキープしていると強調。優れたデザインや走行性能だけでなく、高い安全性が生む安心感もマツダの「走る歓び」を支える重要な要素だと述べている。

新型CX-5は米国の「IIHS」、欧州の「ユーロNCAP」、豪州とニュージーランドの「ANCAP」でそれぞれ最高評価を獲得
発表内容のまとめ

熊本地震で被災した人に向け、補修部品をできるだけ早く供給できるよう努力しているとガイトンCFO

質疑応答でコメントするガイトンCFO

 後半に行なわれた質疑応答では、熊本地震がマツダの事業や生産に与える影響について質問され、これに対してガイトンCFOは「その質問に対しては自社の観点から、そしてお客さまや地域の観点からの2つに分けて回答したい」と述べた。

 まず、マツダとしては現在も影響を評価中で、取引先などの詳細について調査を進めているとしつつ、現時点では車両生産をこれからも継続していけると判断しており、マツダの事業や収益に対して大きな影響を与えるものではないと説明。新しい情報も適宜集まってきているので引き続きモニタリングを続けていくと述べた。また、被災地域にはマツダの販売拠点が8か所あり、このうち4店舗は損害も軽微で営業を継続しているという。

 一方、被災したユーザーのなかには車両にトラブルが起きている人がいるケースも想定して、移動手段は重要だとも考え、補修部品をできるだけ早く供給できるよう努力しているとした。また、被災地域に向けた義援金を送り、輸送サービスも提供。さらに販売会社のスタッフが地域をサポートするべく奔走しており、この活動も支援していくとした。

マツダ株式会社 経営役員 CTAO 藤本哲也氏

 また、日米による協調介入も行なわれて今後が注目されている為替の影響についても質問され、マツダ 経営役員 CTAO 藤本哲也氏が回答。

「為替は現場としても悩ましい部分です。ボラティリティ(価格変動)が極めて大きく、第1四半期だけでも164円ぐらいまで円安が進んでおります。これは当社のような輸出が多い会社としてはメリットを享受させていただいているところですが、一方で先日の協調介入などもあり、一気に5円も動くなど、本日は157円レベルと大きく為替が変動しております。この為替というものに対して、われわれができることをしっかりと考えておかなければならない」。

「1つはコスト削減です。上期においては150億円レベルの『構造的原価低減活動』を進めており、為替耐性をしっかりと作っておくことが非常に大事であろうと考えております。また、通期見通しで為替レートを155円に据え置いている点については、長期金利との関係、日米の金利差などについて金融機関の皆さんからのガイダンスもあります。今期は前半が円安、後半が円高という方向に推移するのではないかということで、平均で155円という金額に置かせていただいております」。

「通貨に関連しては当社もエクスポージャーが多くありまして、欧州のユーロやカナダドル、豪ドルなどの通貨が米ドルの変動に連動する場合、連動しない場合があって、そのあたりを慎重に見極めていく必要があると考え、現時点では期初の為替前提を据え置きとしております。今後も注視していきます」と答えている。

決算資料の表紙には9月の発売を予定する「ジンクグリーンメタリック」の「ロードスター PS」を掲載