ニュース
GO、Waymo、日本交通はいかにして「自動運転タクシー導入」を実現させるのか? 今後の展開を説明
2026年9月15日 13:36
- 2026年9月15日 実施
各方面の許認可を得て、自動運転タクシーの商用化を目指す
タクシー配車アプリのGO、米国Alphabet傘下のWaymo、タクシー事業者の日本交通は9月15日、「自動運転タクシー導入に向けた取り組みの進捗と今後に関する説明会」を実施した。
登壇したのは、全国ハイヤー・タクシー連合会 会長 兼 日本交通 取締役 兼 GO 代表取締役会長の川鍋一朗氏、Waymo共同CEOのテキドラ・マワカナ氏、日本交通 代表取締役社長 若林泰治氏、GO 代表取締役社長 中島宏氏の4人。
川鍋氏は、「タクシーは1912年、大正元年8月5日に有楽町で2台でスタートし、2027年は115年目の節目の年となり、タクシー史上最も大きな変化を迎えます。いよいよ無人の自動運転タクシーが普通タクシーとして、誰でも乗れる世界が日本にもやってきます」とあいさつ。
続けて、「私が一応、専門家として最初にWaymoに乗ったのが3年前。2023年の8月29日。当時はまだ米国のアリゾナ州のフェニックスでしか運行していませんでした。そこで3回ほど乗って『あ……、これはすごい時代が来ちゃった。これが未来だ!』と確信しました」とWaymoとの出会いを振り返った。
川鍋氏によると、自動運転タクシーが増えれば圧倒的に交通事故が減ること、また労働不足が解消されること、さらにタクシー事業者が頭を悩ませていた、全国で移動できない人たちがいる問題「交通空白」に対する答えになると力説。
当時Waymoを体験した川鍋氏は、すぐに「なんとか日本でもやってほしい」とWaymoへ交渉。当初Waymo上層部は「まだ自分たちは米国内だけだから……」と渋い回答だったが、Waymoのニコール・ガベル氏のチームが必死に研究した結果、「次に展開する海外の国は、日本がよさそうだ」とテキドラ・マワカナ共同CEOへ提案してくれたことや、Waymoのヒロシ・ロックハイマー取締役が尽力してくれた結果、日本への導入が決まったという。
川鍋氏は、「かなり長期間にわたり情報収集をしてきました。まだ国土交通省、警察庁、東京都、自動運転タクシーを走らせる各区の許認可や賛同が必要ですが、ようやく大本命の商用化に入れる段階に入り、本日発表にいたりました」と説明。
また、「国土交通大臣の金子恭之さんも、とても自動運転に前向きで、『川鍋さん、早くやれよ!』と声をかけてもらっていますし、警察庁の楠芳伸長官も、自動運転レベル4の無人タクシーが走れるように、道路交通法を変えてくれました。その二方のリーダーシップのもと、これからも安全性を最優先に、日本初の無人タクシーの商用化を実現したいと思っています」と意気込みを語った。
まずは関係従業員からサービスを開始、その後一般ユーザーにも提供
Waymoは15年以上にわたり完全自動運転技術の開発を続けている企業。2015年には世界初の誰も運転席に座っていない公道での完全自動運転の走行を、6年後の2021年には24時間年中無休の無人配車サービスを実現させている。また、現在も米国15都市にて、毎週50万回以上のタクシーサービスを提供している。
今回の発表に合わせて来日したWaymo共同CEOのテキドラ・マワカナ氏は、「Waymoは自動運転タクシーの技術を切り拓き、自動配車サービスの体験を定義し、また大規模に維持するための事業モデルを構築しました。さらに安全面と透明性において、業界の標準にもなっています」とあいさつ。
続けて、「サービスのメインは『Waymoドライバー』で、一連の統合した感知センサーは最大300m先まで360度見渡せる視野を持ち、自社AIと組み合わせることで周囲の生データを処理し、リアルタイムで安全な運転判断を行なっています。これまでに運転席に誰もいない状態ですでに2億マイル(約3.2億km)以上走行し、人間のドライバーと比較して交通事故を94%削減しました」とWaymoの安全性と信頼性をアピール。
続けて、「今回の東京への導入に関しては、日本交通とGOと連携しながら慎重にアプローチしています。すでに数十台の自動運転車が東京全域で運行していて、日本交通の乗務員が7つの区でWaymo車両を監視しながら、Waymoドライバーがこの街独特のリズムを学ぶのに寄与してくれました。また、このサービスが日本でもしっかりと構築できるように、エンジニアリングおよびオペレーション部門を東京で積極的に拡大しています。現地に独自の技術的リーダーシップを置くことで、迅速な反復による改善、厳格な品質管理、コミュニティに最善なサービスを提供できます」と自動運転タクシー商用化までの道筋を説明した。
次の段階としては、関係各所の許認可を取得し、サービスの検証も完全に終えたら、完全自動運転タクシー運用へと移行する。この発表会の後、国土交通省へあいさつを行なうという。
また、自動運転タクシーのサービスは、まずは日本現地の関連企業の従業員から開始して、その後一般ユーザー向けにサービスを開始するとしている。車両の呼び出しは、すでに多くの日本人が利用している「GOアプリ」、また観光客などすでに海外でWaymoを利用しているユーザーのために「Waymoアプリ」のどちらからでも利用できる仕様となる。
最後にマワカナ氏は、「最初の乗車が少しだけ魔法のように感じられて、その後すぐに当たり前のこと、つまり日常の一部と感じられるようになることを願っています。新しい技術が真に日常生活の一部となった時とは、まさにそういう瞬間です」とあいさつを締めくくった。
他サービスとの違いや特徴は?
2026年後半に東京で試験運行を実施するための準備を開始したと、今年3月に発表があったWayve、Uber、日産が協業するロボタクシーとの違いや自社の特徴を問われた日本交通の若林社長は、「他車のサービス内容はよく把握していない」と前置きしたうえで、「違いとしては、われわれが行なう自動運転は完全な自動運転です。ただの自動運転とは大きな違いだと思っています」と回答。
また、GOの中島社長も、「2027年にレベル2++とのことで、運転席にはドライバーが乗った状態でのサービスインだと拝見していますが、われわれの取り組みはドライバー席には人が座っていない状態での商用サービスですので明確な違いがあると思います。また、日本全国のユーザー数とか提携事業者の数も大きく違うかなと思っています」と補足した。
続けて、自動運転タクシーに使用する車両や料金体系を聞かれた若林社長は、「今現時点でスタートできる車両は、ジャガーの『I-PACE』です。今後どういう車両になっていくかは、次のステップなのでまた3社で協議していきます。料金は現在日本で行なわれているタクシーの認可に基づく料金制度と同様の考え方で進めようと考えています」と回答。
続けて中島社長は、「運行開始当初は第5世代のWaymoドライバーを搭載したI-PACEを使用して、車種は将来的には拡大される可能性があると明確に捉えており、現時点でどの車種どのメーカーという情報はありませんが、より詳しい情報をお伝えできる機会を3社ともに楽しみにしているところです」と、今後への期待を述べていた。









