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三菱自動車、2026年度第2四半期決算は為替影響などによって増収・増益 営業利益77.6%増の306億円で当期純損失は30億円まで圧縮

2026年11月6日 開催
2026年度上期決算について説明する三菱自動車工業株式会社 代表執行役社長 兼 COO 岸浦恵介氏

 三菱自動車工業は11月6日、2026年度上期(2026年4月1日~9月30日)の決算内容を発表した。

 2026年度上期の売上高は前年同期(1兆2612億5900万円)から3.8%増となる1兆3088億2100万円、営業利益は前年同期(172億5300万円)から77.6%増の306億3800万円、営業利益率は2.3%、経常利益は前年同期(158億2400万円)から13.1%減の137億5000万円、当期純利益は前年同期(-92億3100万円)から赤字額を減らして-29億6100万円。また、グローバル販売台数は前年同期(38万4000台)から2万6000台減の35万8000台となっている。

三菱自動車 2026年度上期決算の業績サマリー

売上高は3.8%増の1兆3088億円、営業利益は77.6%増の306億円、当期純利益は赤字額を減らして-30億円

三菱自動車工業株式会社 代表執行役副社長(CFO)松岡健太郎氏

 オンライン開催された決算説明会では、まず2026年度上期の決算内容について三菱自動車工業 代表執行役副社長 CFO 松岡健太郎氏が決算実績について説明。

 2026年度上期は電動化シフトの加速や価格競争の激化などによって主力市場を中心に競争環境が大きく変化。販売台数は前年同期を下まわる結果となったが、日本や中東といった市場で販売が堅調に推移し、各種費用の改善、為替影響などによって増収・増益の結果となった。

 前年同期77.6%増の306億3800万円となった営業利益の増減要因分析では、販売競争の激化による「販売費」で112億円、資材費などのインフレ影響による「資材費/輸送費」で242億円の減益要因が出たが、全体的に円安傾向にある「為替」で302億円、「その他」で176億円の増益要因が発生して増益となった。なお、中東紛争による影響としては約190億円の減益要因と分析している。

2026年度上期の営業利益変動要因分析
2026年度第2四半期の営業利益変動要因分析
2026年度上期のグローバル販売台数と市場別の内訳

 また、前年同期2万6000台減の35万8000台となったグローバル販売については三菱自動車工業 代表執行役社長 兼 COO 岸浦恵介氏から説明が行なわれた。

 2026年度上期は中東紛争による直接的な影響として第1四半期を中心に中東向けの出荷が停止したり、フィリピンでの一時的な需要大幅減などが発生。第2四半期に入っても中東紛争の長期化による燃料価格の高止まりなどを背景とした電動化シフトの加速、低価格な電動車の供給拡大を受けた価格競争の激化など、市場の競争環境が大きく変化しており、とくに三菱自動車の主力市場となっているアセアンと豪州で影響を大きく受け、グローバル販売台数の7%減という結果となっている。

 地域別の販売状況では、日本市場は全体需要も堅調に推移しており、三菱自動車でも第1四半期から販売モメンタムを維持。デリカシリーズを中心に販売台数を拡大して市場シェアの拡大も実現。12月17日の発売を前に受注を開始した新型「パジェロ」はすでに2026年度の販売目標を上まわる受注を獲得する勢いを見せており、今後はこの受注を着実に販売につなげ、既存モデルの販売拡大にもつなげて国内市場での存在感を高めていく。

 アセアン・オセアニアでは、アセアンで電動化シフトの加速、低価格な電動車の供給拡大によって市場環境が大きく変化したことを受けて販売が減少。しかし、「デスティネーター」や「エクスフォース ハイブリッド」といったニューモデルを投入した市場では新型車効果が着実に表われており、10月にタイ市場でリリースした新型パジェロのような「三菱自動車らしい」高付加価値商品によってブランドを強化し、販売台数やシェアの確保、収益性向上を図っていく。豪州ではアセアン同様の問題に加え、一部モデルの販売を終了したことで販売台数・市場シェアともに減少。今後は新型BEV(バッテリ電気自動車)の「ASX VR-e」と新型パジェロの市場投入によって商品ラインアップを強化して販売回復と市場基盤の立て直しを推し進めていく。

日本市場の販売状況
アセアン・オセアニア市場の販売状況

 中南米・中東アフリカでは、中南米で最大の市場となっているブラジルで新興自動車メーカーのBEVが競争力の高い価格でシェアを拡大しており、三菱自動車は販売で苦戦したものの、市場全体で挽回して販売はほぼ前年同期並みを維持。主力モデルとなっている「トライトン」や2025年度末から販売を順次開始しているデスティネーターの効果で販売は底堅く推移しており、これらの主力車種を中心に販売拡大を図っていく。

 中東アフリカは中東紛争が長引いていることで自動車需要が全体的に本格的な回復に至っていないが、三菱自動車では「アウトランダー」や新規投入したデスティネーターの販売が好調に推移したことで販売台数と市場シェアを拡大。引き続き現地パートナーと協力して安定供給に努め、販売モメンタムを維持していく。

 北米では「ミラージュ」の販売終了が台数面に影響したものの、販売の主力となっているアウトランダーや「アウトランダー スポーツ」の販売増によって前年同期比では微減にとどめている。電動化シフトが進む欧州では、とくに小型エントリーSUV市場で低価格モデルの投入が相次ぎ、価格競争が激化。さらに一部モデルの販売終了もあって三菱自動車は販売台数を落としているが、今後は「アウトランダー PHEV」に加え、2025年末に市場投入した新型車「エクリプス クロス」を軸として電動車の販売に注力して、販売台数の回復と環境規制への対応を図っていくとした。

中南米・中東アフリカ市場の販売状況
北米・欧州市場の販売状況

通期業績見通しを下方修正

2026年度通期の業績見通し

 2026年度通期の業績見通しについても岸浦社長が説明。2026年度上期は中東紛争を背景とした燃料価格の高騰により、主要市場での電動化シフトの加速、価格競争の激化などが発生。競争の構造が想定を上まわる早さと規模で進んだことで販売台数が厳しい結果となったことを受け、さらに足下の市場環境を踏まえて通期の販売台数見通しを前回見通しから9万3000台減の76万4000台に下方修正。これと連動して売上高や営業利益といった主要財務項目もそれぞれ下方修正している。

2026年度通期の販売台数見通し

新型「パジェロ」は11月5日現在で約9000台を受注

新型パジェロの好評により、「三菱自動車らしい」独自性と付加価値を備えた商品には確かな需要があると再確認

 第2四半期に三菱自動車が行なった取り組みを解説するビジネスハイライトでは、5月に実施された「中長期ビジョン」でも「これからの三菱自動車ブランドを象徴するモデル」として発売を公表した新型パジェロを9月2日に世界初公開。10月からはタイ、日本、豪州で順次予約を受け付け、各市場で高い関心が寄せられていると岸浦社長はアピール。11月5日現在で3か国合計で約9000台の受注を獲得する好調なスタートとなっており、競争環境が大きく変化する市場環境でも「三菱自動車らしい」独自性と付加価値を備えた商品には確かな需要があると再確認したと語られた。

 好調に推移しているアセアン戦略車のエクスフォース ハイブリッドはタイ市場に続いて7月からインドネシアでの販売を開始。2026年度下期からはニュージーランドや中南米の一部市場でも発売を予定しているという。また、2025年度下期にインドネシアから販売を開始したデスティネーターは、電動化シフトが進む市場環境でもユーザーから高い支持を受けて堅調に販売台数が推移。2026年度からは中東アフリカや中南米といったアセアン地域外での展開も始まり、新たな需要を取り込んでグローバルで計画どおりを販売を確保。アセアン戦略車としての強みを生かしたグローバル展開をさらに加速させていくと説明されている。

アセアン戦略車は引き続き堅調な需要を維持している

 また、長年に渡って培ってきた商品性を魅力とするデリカシリーズでは「デリカミニ」などのラインアップ拡大も行なわれ、ブランドの認知や存在感を強化。「デリカ D:5」は2025年度に過去最高となる販売台数を記録したことに続き、2026年度上期も好調な販売を維持。デリカならではの世界観をより幅広いユーザーに届け、独自のブランド価値を構築しており、今後も各商品で商品力を磨き上げていき、シリーズ全体でデリカシリーズのブランド価値向上を図っていくとした。

独自のブランド価値を構築しているデリカシリーズ

 説明の最後に岸浦社長は、「中東紛争を契機とした燃料価格の上昇を背景に、電動化シフトが想定を上まわるスピードと規模で進行しています。しかし、足下で起きている変化は単に燃料価格の変動による一時的なものではないと考えています。電動車の選択肢の拡大や価格競争の激化、各国の政策・支援などを背景に、市場構造そのものが大きく、かつ急速に変化していると認識しております。こうした市場構造の変化をしっかりととらえ、ハイブリッドを含む電動化への対応を加速させるとともに、新型パジェロに代表される『三菱自動車らしい尖った商品』を展開して、三菱自動車ブランドを強化してまいります。刻々と変化する市場環境に迅速に対応し、成長につなげていきます」とコメントして締めくくっている。

三菱自動車2026年度上期決算の総括