三菱、“2番目”に大きい「デリカD:2」発表会 ミニバンシリーズはデリカのネーミングで統一 |
三菱自動車工業は2月24日、同日発表したコンパクトミニバン「デリカD:2」の発表会を都内で開催した。
2列シート、5名乗車のデリカD:2は、スズキ「ソリオ」のOEMモデルで、「S」「X」「G」の3グレード構成。それぞれに2WD(FF)と4WDをラインアップし、パワートレーンは直列4気筒DOHC 1.2リッターとCVTの組み合わせとなる。最高出力67kW(91PS)/6000rpm、最大トルク118Nm(12.0kgm)/4800rpmを発生する。
いずれのモデルもエコカー減税(環境対応車普及促進税制)に適合し、自動車取得税、自動車重量税が75%減税される。
三菱は昨年12月にスズキとOEM供給についての契約を締結しており、スズキ側は量産効果を高めて開発・製造コストの削減などを、三菱側は国内市場で人気の高いミニバンモデルの拡充を図ることで、新規ユーザーの獲得を目指す。
「デリカD:5」をデリカシリーズの頂点とし、デリカD:2はエントリーモデルの位置づけになると言う。フルサイズミニバン以外のモデルに「デリカ」のネーミングを与えることに、社内でも議論が交わされたそうだが、今後、同社のミニバンシリーズはデリカのネーミングで統一されることが決定した。
なお、D:2の「2」は同社のモデルを5段階でサイズ/排気量で区切った際、軽自動車の次に大きいということを意味する。デリカD:5の「5」はこれまで5代目を表してきたが、5段階でもっとも大きいモデルという意味も込められた。今後発売される軽自動車の1BOXモデルに、「デリカD:1」というネーミングが与えられることも可能性としてありそうだ。
デザイン上でベースモデルのソリオからの大きな変更点はないものの、グリル、ホイールキャップ、ステアリングなどにスリーダイヤモンドが入るとともに、テールゲート左側に「DELICA D:2」のバッヂが与えられる |
室内では17個所の収納スペースを用意するほか、コンパクトモデルとして十分な室内スペース、後席スライド&リクライニング機構を備えるなど使い勝手に優れる |
三菱自動車工業 常務取締役 国内営業統括部門長 相川哲郎氏 |
発表会では、三菱自動車工業 常務取締役 国内営業統括部門長 相川哲郎氏がデリカD:2の商品概要を説明した。
はじめに、国内の登録台数の動向について説明。現在は少子高齢化や原油価格の高騰などにより市場全体が縮小傾向にあるものの、1~1.5リッタークラスのコンパクトモデルの需要は下げ幅が小さく、今後も小型化・低燃費化の流れが加速することが予想されると言う。
また、ミニバンについては2リッターエンジン以上/3列シートのモデルが主流であるものの、国内の登録台数の約2割を占める人気カテゴリーであり、この2点の理由から今回、デリカD:2の投入を決定したと市場投入の背景を紹介した。
ターゲットユーザーは、コルト、eKワゴンなど小型車からのアップサイズ志向層と、グランディスなどのミニバンからのダウンサイズ志向層の両層とした。
三菱自動車工業 取締役社長 益子修氏はデリカD:2の導入について、同社が過去に販売していた「グランディス」「ディオン」や軽自動車ユーザーからの強い要望があったためと説明 |
商品特徴は「広い」「便利」「エコ」の3点。
室内サイズは2100(X/S)×1415×1345mm(室内長×室内幅×室内高)で、デリカD:5の2915×1505×1310mm(同)と比べ815mm短く、90mm狭いものの、高さはデリカD:5を凌ぐサイズとしており、大人が十分座れるスペースを確保した。
また、後席両側スライドドアを採用するとともに、Sグレードでは両側ともに電動式とし、低いステップ高と相まって乗降性に優れること、17個所の収納スペースを用意したことなどを紹介。
エコについては、吸排気VVT(可変バルブタイミング機構)を採用する直列4気筒DOHC 1.2リッターと副変速機構付きCVT、そして両側スライドドアにも関わらず1000kg~1040kgとした車重と相まって、「10・15モード燃費はクラストップレベルの22.5km/L(G/2WD)を実現した」「2WD車、4WD車ともにエコカー減税により75%減税に対応した」とアピールした。
(編集部:小林 隆)
2011年 2月 24日