自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2011」が開幕
スカイアクティブ1.3やプリウスαが注目を集める

2011年5月18日~20日
パシフィコ横浜



 自動車技術展・EV技術展「人とくるまのテクノロジー展2011」が5月18日、横浜市のパシフィコ横浜で開幕した。会期は20日までで、入場は無料(登録制)。

 今年で20回目を迎える自動車技術の専門展で、自動車技術会が主催する。自動車メーカーはもとより、パワートレーンやシート、カーエレクトロニクス、素材のベンダー、製造機械や計測器メーカーなど400社が、パシフィコ横浜のホールAからDまですべてを使って出展しており、会場を歩くだけでも自動車業界の裾野の広さを実感できる。

 自動車技術会の春季大会が併催されているように、基本的に自動車の技術者・研究者ためのイベントだが、自動車技術に関心があれば一般人でも無料で入場できる。ここでは会場で目についた展示を、写真を中心にリポートする。

トヨタ自動車は「プリウスα」のカットモデルとエンジン、バッテリーを展示した。リチウムイオンバッテリーがセンタートンネルに搭載されているのが分かる
スバル(富士重工業)のボクサー スポーツカー アーキテクチャスバルはアイサイトの画像認識デモも
マツダの「清」スカイアクティブ-G 1.3は非常に注目を集めていた
ホンダはインスパイアをベースとしたプラグインハイブリッド車を展示。2リッターエンジンと2つのモーターを搭載する次期シビック・ハイブリッドのバッテリー。ニッケル水素からリチウムイオンに変更することで、大きさと重さが3割減ったにも関わらず、出力は3割増となった
本田技研工業はiPhoneでテレマティクス関連の展示もした。これはスマートフォンでインターナビのサービスを使えるインターナビリンクインターナビのデータを使って作った被災地の通行実績マップインターナビによるEV/プラグインハイブリッド車向け情報サービス
三菱自動車工業の軽EVバン「minicab-MiEV」。2012年に発売される車体右側に普通充電口左側の急速充電口はオプション
minicab-MiEVのパワーユニットとバッテリーは全て床下に搭載される。バッテリー容量10.5kWh仕様と16kWh仕様が用意される
日本初出展のエクステンデッドレンジEV(E-REV)「ボルト」はゼネラルモーターズ・ジャパンのブースで
こちらは企画展示「車両電動化が拓く新しいくるま社会」。BMWの実験EV「MINI E」やホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」を展示
同じく企画展示にあったトヨタiQベースのEV
エコカーや電動2輪車の試乗コーナーもある
オーストリアのマグナは同社がルーフを製作しているフィアット500カブリオレを展示。フェアレディZやムラーノ・コンバーチブルのルーフも同社が手がけているやはりマグナが製作しているポルシェ911タルガのルーフマグナの工場の見取り図。MINIカントリーマン(クロスオーバー)、プジョーRCZ、メルセデス・ベンツGクラス、アストンマーチン・ラピード、SLS AMG(ボディーのみ)を製造している
フランスの小型トラック「メガ」。EVモデルとガソリンモデルがあるマレーシア プロトンのコンセプトカー
スズキの燃料電池スクーター
日本パーカライジングが出展したのはEV「SIM-LEI」のクレイモデル。絞りこまれたリアがよく分かる
ジャトコのCVTラインアップ同じくジャトコ。CVTの動きを体験できる模型
独ZFの8速AT。モジュラー構造になっており、アイドリングストップ用やマイルドハイブリッド用、フルハイブリッド用を簡単に作れるZFのパナメーラ用7速デュアルクラッチATZFの横置きエンジン用9速ATはパネルのみ展示。実物はこの夏登場
NSKはプリウス用ハイブリッドトランスミッションを展示同じくNSKのレクサスLS600h用トランスミッション
独シュフラーが展示したメルセデス・ベンツの7速AT「7G-TRONIC」
シュフラーが展示したフィアットのマルチエアエンジン。吸気バルブがカムではなく油圧アクチュエータで駆動され、バルブタイミングやリフト量を自在に変えられる
やはりシュフラーの7速デュアルクラッチATとその乾式クラッチ
アイシンもLS600hのハイブリッドトランスミッションを展示アイシンが展示したレクサスLFAのトランスアクスル。LFAに使われたデバイスは会場の随所で見ることができるアイシンの電動アクティブスタビライザーアクチュエーター。レクサスに採用されている
カルソニックカンセイが出展した日産ジュークのインテリジェントコントロールディスプレイ。エアコンとドライブモードを1つのパネルでコントロールでるが、それぞれのモードではスイッチの機能と共に表示が切り替わる。表示は、2色のLEDとついになったフィルタで切り替える
インテリジェントコントロールディスプレイの技術を応用し、表示を切り替えられるメーターパネル
メーターパネル中央のインフォメーションディスプレイが浮いて見える3Dインストゥルメントパネル。実はメーターのほうが鏡像でインフォメーションディスプレイが実像
矢崎総業は3種のEV用給電ノズルを展示し、来場者の意見を聞くクリニックを展開
バンパーに埋め込むフラットスピーカー。EVやハイブリッドカーが擬似エンジン音を出すのに使うが、さらに人の合成音声も出せるようになった。カーシェアリングのガイダンスや、左折警告などに使える
ロームのモーションセンサー。センサーの上で手を動かすと、地図がその方向にスクロールする
フルノの1チップGPSレシーバー「eRideOPUS 5」は衛星の捕捉がスピードアップ。衛星から受け取る位置情報「エフェメリス」を自分で演算することで、捕捉までの時間を短縮しているフルノの参考出品は準天頂衛星「みちびき」に対応したLEXレシーバー
データテックの「Safety Rec」はiPhone用のドライブレコーダーアプリ。ドライビング診断もできる
デンソーのiPhoneアプリ「NaviCon」は、iPhoneでカーナビの地図を動かしたり、iPhoneで検索した目的地をカーナビに転送したりできる。ただしカーナビ側で対応する必要がある
自動車用シートのメーカーであるデルタ工業は、シートバックの圧力センサーでドライバーの体調をモニターするシステムを提案。疲れてくると警告が出る

(編集部:田中真一郎)
2011年 5月 19日