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自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2013」開幕(部品メーカーほか編)

昨年の436社から475社に参加企業が増えて実施された今年度の会場の様子
2013年5月22日~24日開催

入場無料

 神奈川県横浜市にあるパシフィコ横浜で、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2013」が開幕した。会期は5月22日~24日の3日間。当日会場のゲート前で登録すれば、だれでも無料で入場できるイベントとなっている。

 今回で22回目の開催を数えるこの展示会は、自動車メーカーやパーツサプライヤー、製造機械メーカー、計測機器メーカーなど475社986小間が一堂に集まってブースを出展。日ごろは一般ユーザーの目に触れることのない幅広い分野の最新技術や次世代テクノロジーに触れられる催しとあって、昨年は7万人以上が訪れている。

 出展した国内乗用車メーカー8社の展示内容は関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130522_600488.html)で紹介。本記事ではそれ以外の展示について、写真を中心に紹介していく。

SIM-Driveブースでは、今年3月に発表したSIM-Driveの3号車「SIM-CEL」を一般初公開
充電コネクター部
SIM-Driveのアウターローター式ダイレクトドライブインホイールモーター
三菱ケミカルホールディングス・グループのブースに展示された「moma」。材料開発、新工法技術を細部に提案したコンセプトカーで、炭素繊維複合材コンポジットを使って車両重量は1030kg
「英国パビリオン」には、ロータスエンジニアリングから軽量構造と電気・電子系統合技術の実証車両「Evora 414E」のカットモデルを展示
同じく「英国パビリオン」にはデルタ モータースポーツの「delta E4-Coupe」を展示。
「delta E4-Coupe」の室内
日本ではモータースポーツシーンでの活躍で知られるザイテックだが、ザイテック・オートモーティブではEV向けのパワートレーンも手がけていることをアピール
「カナダパビリオン」ではカンパーニャモータースの個性的な3ホイールスポーツ「T-REX 14R」を展示
主催者による特別企画展示のコーナーでは、「新カテゴリーの超小型車展示」を実施。5台の超小型車が並べられた
館外ピロティに設定した特設コースを使い、超小型車の「NISSAN New Mobility Concept」と「コムス B・COM」の試乗も行われた
東レ・カーボンマジックのバンパーやトランクフード、ホイールといったカーボン製自動車パーツ
東レの自己修復フィルム「タフトップ」の展示では、製品が貼られたボードをワイヤーブラシで擦るデモンストレーションも実施。試しても傷ができないように感じたが、解説員に説明され、ようやく「傷ができた次の瞬間に元どおりになっている」と判明。現在はタブレットPCやスマホ用の保護フィルムに使っているが、将来的には自動車用品にも進出したいとのこと
クラリオンはプリウスαを使ったオーディオデモカーや、クラウド型テレマティクスサービス「Smart Access」に対応する「NX712」を展示
日本テキサス・インスツルメンツブースでは、今年1月にアメリカで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)に展示された次世代製品を数多く展示。このDLP技術を投入したリヤプロジェクション式の大型ダッシュボードディスプレイは、画面の形状に自由度が高く、人間のタッチ操作を赤外線で関知するシステムを組み合わせることでシステムをシンプルに構成。小型・省電力化にも貢献する
同じく、CESで初公開されたマイクロミラー構造で構成するヘッドアップディスプレイ。日本での一般公開はこれが初めてとなる。ナビやハンズフリーの情報に加え、進化を続ける車両安全技術との連携も視野に入れて開発しているとのこと
モバイル製品向けのOMAP5を車載向けにシフトした「Jacinto-6」の製品デモ。Android、QNX、Linuxに対応する
トーヨータイヤブースでは、ナノバランステクノロジーで生み出した次世代低燃費タイヤのほか、純正装着品として高いシェアを誇るエンジンマウントやブッシュ類、ジョイントブーツなどを展示
NSKブースに展示された「ハイブリッドトロイダルIVT」
NSKが開発中の「EVドライブシステム」。軽量な高回転型モーターを使い、ミッションとの間に歯車変速機を追加して使いやすい回転速度まで減速させることがポイントになる
岡山県内の16社が協力する研究開発プロジェクト「おかやま次世代自動車技術研究開発センター(OVEC)」ブースには、インホイールモーターで初めてストラット式を採用したというフロントサスペンションを技術展示
OVECに参加する戸田レーシングは、CFRPのファンネルやダンパーなどを出展
SLS AMGのホワイトボディーを展示するマグナ・シュタイアーブース。SLS AMGのボディはオーストリアの工場で生産されてメルセデス・ベンツに納入している
NTNのエンジン用高荷重対応樹脂プーリー。重量が鉄製プーリーの1/3以下になるという
同じくNTNのベアリングを組み込んで低フリクション化したチェーンレバー・ガイド。フリクションを最大50%低下させて燃費を1%向上させるとアナウンスしている
三菱重工業が手がけるマイクロ波方式の電動車両向け無線充電システム。電子レンジなどでも一般的なマイクロ波を使うことでコストを抑えられるほか、送受電アンテナが前後左右にずれていても30cm以内なら利用可能という点も大きなメリット
軽自動車から1.8リッタークラスまで幅広いFF車に搭載されている「Jatco CVT7」
日産・パスファインダーに搭載予定の「Jatco CVT8 HYBRID」
CVTの作動原理を体感してもらうための展示品。レバーを手前に引くと金属ベルトの回転が減速する
HKSのヴェルファイア用GTスーパーチャージャキット
いすゞの6UZ1型ディーゼルターボエンジンをベースに、点火系の追加、ヘッド交換による圧縮比の変更、ターボチャージャーの変更など大がかりな改造を施してCNG仕様に変更したHKSオリジナルの大型トラック向けCNGエンジン
こちらは、いすゞブースに展示された純正仕様の6UZ1型ディーゼルターボエンジン。尿素SCRを後処理装置として追加し、ポスト新長期排出ガス規制に適合する
同じくいすゞブースの4JJ1-TSCエンジン。こちらは後処理装置は使わず、エンジン本体の大幅なポテンシャルアップでポスト新長期排出ガス規制に適合
ニッパツのブースでは、軽量化のために中空化、樹脂化したパーツを並べて展示。
ニッパツのブースに用意されたシート部品の体感展示。超ハイテン材のほうは撮影しながらでも片手で楽に持ち上げられる
ニッパツが試作中のシート。黒が電動式、アイボリーが手動式で、どちらも「操作部を1カ所に集約する」というコンセプトで構成されている
トヨタ紡績ブースでは、発売された新型IS、オットマンを備えるプレミアム本革シート、サポートを充実させ、デザインにもこだわったTBスポーツシートなど、それぞれのシートが持つ個性を座って体感できる
旭化成ブースで紹介されていた強靱性エポキシ樹脂のLME。右側の一般的なエポキシ樹脂が板のように硬化しているのに対し、LMEはゴムのような柔軟性を持つ。この柔軟性が接着剤に利用されたときに生かされ、FRP同士を強力に接合する用途などに活用されているとのこと
アドバネクスのタングレスインサート。アルミボディなどのねじ山を補強するインサートは、従来品では切り離すタングと呼ばれる部位が使われていたが、インサートの両内側に挿入・抜き取りノッチを用意し、作業コストの削減、挿入後の抜き取りを可能にした製品となっている

(編集部:佐久間 秀)