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イヤーウェア「Loop」が「マクラーレンF1チーム」とパートナーシップ締結、3段階でノイズを除去できるコラボ製品登場
2025年4月2日 07:05
- 2025年4月1日 発表・発売
- 9490円
イヤーウェアブランドのLoopは4月1日、F1チーム「マクラーレン・フォーミュラ1チーム」とのパートナーシップ契約を締結したと発表。同時にコラボレーション製品「McLaren Formula1 Team×Loop Switch2」を発売した。価格は9490円。
今回のパートナーシップ締結とコラボ製品の発売に合わせて、共同設立者のディミトリ・オ氏が来日し、「Loop×McLarenパートナーシップ取材会・体験会」が実施された。
イヤーウェアブランドのLoopは、耳鳴りに悩んでいたディミトリ・オ氏と友人のマールテン・ボーデウェス氏の2人が、当時市販されていたいろいろな耳栓をすべて試してみたところ、症状を解決できる製品がなかったことから、「それなら自分たちで作ろう!」と、2016年にベルギーで立ち上げたのがスタート。
起業当初は費用もままならないことから、1つずつ3Dプリンターで製造していたほか、梱包作業も両親に手伝ってもらっていたという。ただし、3Dプリンターでの製造だったため、ユーザーからリクエストがあればフレキシブルに対応できたのも特徴の1つ。
そしてLoopは、ライブやコンサートなどを楽しむ際に使用するイヤーウェアとして人気を博していたが、コロナ禍で需要が激減。ところが、ライブやコンサートだけでなく、寝るとき、集中したいとき、騒音過敏の人、電車での移動中、子育て、スポーツ観戦、モータースポーツ観戦など、創設者2人のライフスタイルとは異なる利用価値もあることを発見。そこで遮る音域を別けて製品ラインアップを細分化。より求めているターゲットに合わせたイヤーウェアを開発。今では世界で150か国以上、800万以上の商品を販売し、700万人を超える人々が利用しているという。日本でもすでに50万人が愛用している製品だ。
ちなみにLoopには、最も高い騒音軽減効果を持つ睡眠用の「Dream」や、ノイズ低減レベルを3段階で調整できる「Switch」、子供用の「Engage Kids」、会話は聞こえやすくノイズだけを除去する「Engage 2」、ちょっとした移動中のうたた寝をサポートする「Quiet 2」など、用途別に製品をラインアップしている。
なお、大きな音を効き過ぎることによる病気「騒音性難聴」になりやすい原因としては、85db以上の音を長く聞くことが多い人ほどなりやすいといい、ライブやコンサート、サーキットなども、注意が必要という。
今回、サーキットでのスポーツ走行を楽しむ愛好家であった共同設立者のディミトリ・オ氏の熱意と、マクラーレンの究極のこだわりを持ったものづくりに対する思い、さらにマクラーレンのF1ドライバーであるランド・ノリス選手のライフスタイルもLoopに合致していたことからコラボレーションが実現。「McLaren Formula1 Team×Loop Switch2」が完成した。
コラボ製品「McLaren Formula1 Team×Loop Switch2」は、ノイズ低減レベルを3段階で調整できる「Switch」をベースに、マクラーレンのオレンジ色を採用。ドライバーやメカニックが騒音の過酷なF1ウィークを快適に過ごせるようにサポートする。
Quietモードでは、26dBをSNR(シングル・ナンバー・レイティング:遮音性能を表す数値)し、トレーニングや試合中に集中力を高め、パフォーマンスゾーンに入るのをサポート。また、旅行で騒音の多い移動時間に気になる音を軽減し、安らぎの体験を提供してくれる。
また「Experience」モードでは、 23dBを遮音してくれて、完璧な音のバランスと耳を保護しながら、ライブやコンサートイベントのスリルやエネルギーを楽しめるとした。さらに「Engage」モードでは20dBを遮音するので、背景音をフィルタリングし、会話の明瞭さを維持。会議や社交的な環境に最適となるそうだ。
実際に「McLaren Formula1 Team×Loop Switch2」を装着して、用意されたF1マシンが走る映像を見ると、明らかに爆音のエキゾーストノートが小さくなっていて、さらに耳にはめたままノイズ除去レベルを切り替えてみたら、しっかりとレベルごとに耳に伝わってくる音が変化するので驚いた。
また、ノイズやレーシングカーの爆音は確実に遮断しているにも関わらず、周囲の会話はしっかりと聞こえるのが不思議な感覚だった。
ディミトリ・オ氏によると、「現状はまだ26dbまでしか遮断できないが、理想としては28~29dbまで引き上げたいと考えている。しかし素材の耐久性や、電子制御(アクティブノイズキャンセラーなど)を追加する必要性が出てくるなど、価格帯も変わってしまうし、そもそもLoopの目指す方向性とも違ってくる」とのこと。その理由については「30db以上の音は実は耳からではなく骨伝導で伝わる領域」とも教えてくれた。これからF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラなどを観戦するという方は、試してみてはいかがだろうか。