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「トヨタ ガズーレーシング フェスティバル 2012」開催

スバルBRZのワンメイク車輛が初公開

トヨタ ガズーレーシング フェスティバル 2012
2012年11月25日開催

 11月25日、毎年恒例となった「トヨタ ガズーレーシング フェスティバル 2012」(以下、TGRF)が富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。3万2000人(主催者発表)ものファンがさまざまなジャンルのモータースポーツの楽しさを満喫した。

 オープニング時は富士スピードウェイのレーシングコースを来場者に開放。ホームストレート上で思い思いのメーセージを書き込んでもらうメッセージドローイングが行われイベントはスタートした。富士の長いストレートはチョークで書き込まれたファンからのメッセージやイラストで埋め尽くされた。

 さまざまなメッセージで彩られたレーシングコースをオーナーズクラブパレードランが行われ、往年の名車トヨタ2000GTやトヨタスポーツ800等のトヨタ車、そしていすゞ117クーペもパレードに参加。コース上での走行イベントの幕を切った。

トヨタ2000GT、トヨタスポーツ800、80型スープラ、AE86カローラレビン/スポリンタートレノ、iQ GRMN 等、時代を彩ったトヨタ車とともにいすゞ117クーペの姿も

 TGRFはレーシングコースのほか、ショップの販売やトークショーが行われるパドック、ジムカーナコースやドリフトコース、特設のラリーコースと、広大な富士スピードウェイの施設をフルに使用し、多様なジャンルのモータースポーツを楽しめるイベントとなっていた。その幾つかを紹介しよう。

サーキットサファリ(レーシングコース)

 コースを走るレーシングカーの中を観光バスが走行し、観客席では決して見ることのできない視点でレーシングカーの姿を満喫する、SUPER GTなどでも行われている人気イベント。レーシングドライバーが務める努めるバスガイドのトークも人気の秘密。

SUPER GTなどのレースでも行われるサーキットサファリだが、フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT、ニュルブルクリンク24Hレースと、カテゴリーの異なるマシンの混走は貴重だ

パリダカエリア(ジムカーナコース)

 ダカールラリー参戦車輛への同乗体験プログラム。ドライバーはダカールラリーやファラオラリーでのクラス優勝経験を持つ三橋淳選手。大きなランクルのジャンプシーンは圧巻。またランクルよりはるかに大きな日野レンジャーのダカール参戦車輛も展示されこちらは搭乗体験ができた。

本物のパリダカ参戦車輛の大ジャンプを、同乗走行で楽しめた
大きな車体を軽快に操る三橋選手
走行後のファンサービス
ダカールラリー参戦車輛の日野レンジャー

イベントエリア

ドライバートークショーは本音トーク満載。なかには笑えない話もチラホラ(TGRFステージ)
和太鼓「倭-YAMATO」スペシャルLIVE! はド迫力。
イベントエリアには様々なショップや展示車輛が並んだ

ニュルブルクリンクスペシャルラン(レーシングコース)

 ニュルブルクリンク24Hレースにチャレンジし続けるGAZOO Racing のLFAや86、スバルWRX、日産GT-Rのデモンストレーションラン。

GAZOO Racing のLFA/86
Team GT Academy GT-R / SUBARU WRX STI
走行車輛以外にもアルテッツァや、そのほかのニュル参戦車輛が展示された

そのほか展示車輛

TOYOTA TS010(モンツァ仕様)はファンの前で走行を披露
TOYOTA GT-One TS020
TOYOTA TS030 HYBRID
ESSO TOM'S チェイサー
ESSO ウルトラフロースープラ
セリカGT-FOUR RC(オーストラリアラリー仕様)
トヨタ2000GT(スピードトライアル仕様)
トヨタニュー7もファンの前で走行を披露した

2012年のモータースポーツと86/BRZ

 デビュー間もないながらもモータースポーツの世界ではすっかりお馴染みとなった86(ハチロク)。今回TGRFに集まったマシンを紹介する。

2012ニュルブルクリンク24H
2012全日本ラリー GAZOO Racing TRD 86
2012全日本ラリー CUSCO 86
2012全日本ラリー ベストカーウイズモンスター86
UPGARAGE FALKEN 86(ドリフト D1選手権)
その他数多くのショップのデモカーも多数展示された。

 86パフォーマンスショーでは3台の86による華麗なドリフトショーの後、豊田章男社長自らがホームストレート上でドリフト、ドーナツターンを披露し大勢の観客から喝采を浴びた。

GAZOO Racingカラーの86は豊田章男トヨタ社長(いやモリゾウ選手と呼ぶべきか?)が華麗なパフォーマンスを魅せた

BRZのワンメイク車輛

 ほかにもTRDラリーチャレンジの車輛やD1車輛等様々な86がイベントに参加。また来年開催予定のワンメイクレース「GAZOO Racing 86/BRZ」に向けてすでにリリースされている86のほか、STIから発売予定のスバルBRZのワンメイク車輛が初公開された。

 それに伴い今回のイベントでも86/BRZのワンメイク・スペシャルレースが開催されたが、中嶋一貴選手をはじめ立川祐路選手、大嶋和也選手、新田守男選手らトヨタのトップドライバー勢を抑えワンツーフィニッシュを決めたのが、なんとSUPER GT 300クラスでBRZを駆る山野哲也選手、佐々木孝太選手の2台の青いBRZワンメイク車輛。トヨタの名を冠したイベントでスバル勢が2012年のSUPER GTの鬱憤を晴らすようなアグレッシブな走りを披露。商品のお米“86kg”を獲得した。

BRZのワンメイク車輛は初公開
BRZワンメイク車輛
こちらが86ワンメイク車輛
イベント当日行われた86/BRZワンメイク・スペシャルレース
ワンメイクレースは、圧倒的多数の86の中、たった2台の青いBRZを駆る山野哲也選手、佐々木孝太選手のワンツーフィニッシュ!

 イベント終盤に行われたSUPER GTスーパーバトルではGT500クラス、6台のSC430勢同士の争いを制したのは中嶋一貴選手。GT300クラスはプリウス、IS350、BRZの三つ巴となり、制したのはワンメイクレースに続き山野哲也選手。

5周という短いレースながら見応え十分のGT500
GT500を制したのは中嶋一貴選手
GT300はBRZの山野哲也選手が勝利

そのほか

 イベントはコースを開放しグリッドウォークでのフィナーレ。

寒い中ホームストレートはファンで埋め尽くされ、思い思いの選手やマシンと過ごした
ファンとの交流はシーズンを終えた選手によっても楽しい時間だったようだ。写真左から中嶋一貴選手、勝田範彦・足立さやか選手の全日本ラリーチャンピオンコンビ、佐藤久美選手
各チームのレースクイーンもイベントを盛り上げた
グリッド上には世代、ジャンルを超え世界中で戦い続けたマシンやドライバーが勢揃い。ファンも間近での交流を楽しんだようだ

 往年の名車から最新のレースマシンまで一同に集まり、トヨタをはじめとするさまざまな自動車メーカーが多くのモータースポーツにチャレンジしてきた歴史を感じ、そして最新のレースの迫力をギュッと凝縮して楽しみ、そしてドライバーやチーム関係者、レースクイーンとファンとの交流を楽しみながら過ごす1DAYイベント「トヨタ ガズーレーシング フェスティバル 2012」は今年も大盛況に幕を閉じた。家族連れの来場者も多く見られ、普段、生でモータースポーツに触れる機会の少ない人にも楽しめる、まさに見所満載のイベントだった。

(高橋 学)