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トヨタ元町工場で生産する219PSのコンプリートカー「86 GRMN」

限定100台で2016年1月4日からWeb申込受付

2015年12月21日 発表

648万円

 トヨタ自動車は12月21日、トヨタ「86」ベースのコンプリートカー「86 GRMN」を発表した。価格は648万円で、2016年1月4日~22日にWeb限定(http://gazooracing.com/grmn/86)で商談申込受付。抽選の上、1月下旬から4チャンネルの販売店を通じ100台限定で販売する。

限定100台のコンプリートカー「86 GRMN」。

 ベースモデルの86はスバル(富士重工業)の工場で生産されているが、この86 GRMNについてはスバルで生産されたホワイトボディをトヨタ元町工場に持ち込み、各種パーツの組み込みや塗装を行なっている。

 外観上の主な変更点としては、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics、炭素繊維強化プラスチック)製のエンジンフード、トランクリッド、ルーフパネルの装着。樹脂製リアウィンドウ、クォーターウィンドウなどの採用で軽量化。その重量軽減分を、ボディ剛性向上のための補強や、フロント6ピストン、リア4ピストンの対向モノブロックキャリパー&ドリルドディスクローターなどの強化パーツ投入へと振り向けた。

 車重はベースモデルの86 GTの1230kgと同様の1230kgと変わらないものの、ボディのねじり剛性は1.8倍に向上したほか、重心位置が4.5mm低下、走りの質感が大幅に向上している。

このGRMN 86の開発にも、86の開発者 多田哲哉氏が携わっている
ボディ上面がCFRP製パーツに変更され、大幅に軽量化されている。しかし、車両全体の車重は変わらないというのがポイント
軽くなった分、さまざまなスポーツパーツが付加されている。CFRP製のリアウイング。ウイングステーもCFRP製
CFRP製のルーフ
CFRP製のボンネット
ボンネット裏面。強度もしっかり確保された構造となっている
リアのセンター1本出しマフラー。周囲の形状はディフューザー効果を狙ったものとなっており、トランクリッド上部の形状と合わせて、空力的な改善を得ている
フロントリップスポイラーに加え、ホイールハウスにも空力付加物を追加。ぞれぞれ同程度の空力改善効果があるという。タイヤは、ブリヂストン ポテンザ RE-71Rを標準装着
サイドスカートも装備する
GRMNの特別パーツ
フロントブレーキは対向6ピストンに強化
リアは対向4ピストン

 エンジンは吸排気系を変更し、エンジン内部のパーツを低フリクション化して応答性を向上。とくに吸気系では、インテークマニホールドを新造。長いマニホールドと短いマニホールドをエンジン回転数(5000~6000rpm)によって切り替え、低回転域では長いマニホールドによる慣性過給効果を、高回転域では短いマニホールドによる吸気抵抗の低下を図っている。

 これらにより、最高出力は161kW(219PS)/7300rpm、最大トルク217Nm(21.1kgm)5200rpmとなり、ベースモデルの147kW(200PS)/7000rpm、205Nm(20.9kgm/6400-6600rpmより高出力化。最高出力はより高い回転数で発生し、最大トルクはより低い回転数で発生するなど、より扱いやすい特性に変更されている。

 インテリアも専用のものを用意し、小径化したステアリングホイール、専用スポーツシートを用意。リアシートは撤去され、2名乗車専用モデルとなる。

エンジンルーム全景。ベースモデルの86から大幅に変更されている
GRMN 86専用に作られたインテークマニホールド。上部が長いマニホールドで、下部が短いマニホールド。状況によって切り替える
マニホールド裏側にあるアクチュエーター。これによりマニホールド内部の弁をコントロールする
インテーク部分は、吸気口から変更されている。吸気抵抗を減らすためにセンターレイアウトとなった。
エアインテーク用のゴム部品も新規に製造
エンジンルーム上部からちらりと見える排気管。こちらも変更され、排気抵抗を低減している
小径化されたステアリングと、専用素材などによって高品質となったコクピット
シートはレカロ製。リアシートは取り払われている
メーターパネルも専用のものを装着
各部の品質も大幅に向上。触れたときの質感も非常によい
ペダル類やスカッフプレートは、アルミプレートが用いられている
リアシートを取り払い、2mm厚のアルミパネルでトランクスルーホールを塞ぐ。さらに、強化ステーを装着することでねじり剛性を大幅に向上させている
ミニスラロームコースが設定されていたので、軽く試乗。50km/hでのスラロームとなるが、重心高低下の恩恵もあって、スムーズで姿勢変化が小さいまま優れた回頭性を示す

 ボディカラーは、トヨタ元町工場で塗装されるホワイトパールクリスタルシャインの1色のみ。CFRP製の各パーツも、同じ元町工場で製造されたレクサス「LFA」のノウハウが投入されたトヨタ内製品になる。

 また、この86 GRMNは、2016年1月15日~17日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「TOKYO AUTO SALON 2016(東京オートサロン2016)」に出展を予定している。

車両形式GRMN86-FRSPORT
全長×全幅×全高(mm)4,290×1,775×1,300
ホイールベース(mm)2,570
トレッド(mm)フロント:1,525、リア:1,535
車両重量(kg)1,230
乗車定員(人)2
駆動方式2WD(FR)
エンジン水平対向4気筒 DOHC 2.0リッター 直噴機構D-4S
排気量(cc)1,998
最高出力(kW[PS]/rpm)161[219]/7,300
最大トルク(Nm[kgm]/rpm)217[21.1]/5,200
変速機6速MT
サスペンションGRMN専用チューニング
タイヤフロント:215/40 R17 83W 17×7 1/2Jアルミ、235/40 R17 90W 17×8 1/2Jアルミ

(編集部:谷川 潔/Photo:高橋 学)