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鈴鹿サーキット、F1マシンも走るレーシングコースを走れる「サーキットチャレンジャー」3月19日スタート

佐藤琢磨選手が監修した最高速30km/hのEVカート。年間240日の開催を計画

2016年3月19日 営業開始

料金:1500円(1周)

鈴鹿サーキットに3月19日から登場するEVアトラクション「Circuit Challenger(サーキットチャレンジャー)」

 鈴鹿サーキットは3月8日、3月19日から国際レーシングコースで営業を開始するEVアトラクション「Circuit Challenger(サーキットチャレンジャー)」を公開した。F1マシンも走る国際レーシングコース(東コース:2.243km)を、EVカートで子供でも体験走行できるアトラクションとなる。

サーキットチャレンジャーで使用するEVカート
ボディカラーはシルバーとガンメタの2種類

 サーキットチャレンジャーで使用するマシンは、最高出力4.3kWを発生するミツバ製のSRモーターと東芝製SCiBリチウムイオンバッテリーを搭載し、最高速は30km/h。車両サイズは2.5×1.3×1.0m(全長×全幅×全高)、乗車定員は最大3名(大人2名+幼児1名)で製作台数は70台となっている。

最高出力4.3kWを発生するモーターはミツバ製「SRモーター」
バッテリーは東芝のSCiBリチウムイオンバッテリー
モーターはマシン後方に搭載

 サーキットチャレンジャーでは、コース上で「スタート前にマシンを素早く左右に動かしてタイヤを温めるハンドリングテスト」「グリッドに完全に停止し、目の前のスタートシグナルに合わせてタイミングよくスタートするシグナルスタート」「シフトアップ音とランプのタイミングに合わせてベストなタイミングでシフトアップ」「アクセルレバーをいっぱいに引き、マックスパワーでタイムアップを図るアクセルコントロール」という4つのミッションを体験できる。

 アトラクションの利用者にはデータ記録カードが手渡され、マシンにセットされているデータ読取機に挿入すると、4つのミッションに対するスコアやラップタイムなどのデータを記録。このデータは走行後に結果表として出力して持ち帰ることも可能となっている。

国際レーシングコースのグランドスタンドに設置された「サーキットチャレンジャー」用の新施設。ここでアトラクションの利用時に渡されるデータ記録カードに記録した走行データの結果表を出力することもできる

 マシンの操作は、体格が小さい子供でも問題なく扱えるよう足下のペダル類を廃止。ステアリングの右側にあるアクセルレバー、左側にあるブレーキレバーをを使って加減速する。コース上においてもスタートグリッドの手前やピットロード手間などで自動的に速度リミッターが作動して、安全な速度になるよう調節されている。

小さな子供でも扱えるように足下のペダル類を廃した
左側にブレーキレバー
右側にアクセルレバー

 実際にサーキットチャレンジャーのEVカートに乗ってコースを1周してみると、スタートダッシュからスムーズにシフトアップを繰り返していくことでライバルマシンとの差が生まれる。最高速は30km/hなので第1~2コーナーからS字までの区間はアクセル全開で走行でき、速度を落とさずに走れるライン取りが重要となってくる。また、逆バンクからダンロップコーナーまでの勾配がきつい区間では速度が低下してしまうので、ギヤをうまく選択することがポイントになっている。

 走行してみた印象は、最高速は30km/hとなっているものの、着座位置が路面から近いのでそれなりに速度感があり、オープンエアで風を受けて走る爽快感もある。また、マシンの速さがギヤチェンジやライン取りで大きく変化するので、一緒に走る仲間とのバトルが楽しめることもこのアトラクションの魅力の1つと言える。

サーキットチャレンジャーで実際に走ってみた!

 このサーキットチャレンジャーは「子供たちにモータースポーツの楽しさを体験してもらおう」と、33名のプロジェクトメンバーが参加して3年の開発期間を経て誕生したアトラクション。同日に開催された説明会では、プロジェクトアドバイザーとして開発に参加した佐藤琢磨選手による「プロジェクトメンバーと一緒に、このサーキットチャレンジャーを一切の妥協なく作り上げてきました。サーキットチャレンジャーを通じてたくさんの子供たちが夢に向かってチャレンジできる、そんなことにつながっていくことを嬉しく思います」とのコメントも披露された。

 また、鈴鹿サーキット 総支配人の荒木正和氏は「サーキットチャレンジャーは、ほかの施設にない鈴鹿サーキットならではの乗り物として登場します。ちょうど10月に開催するF1日本グランプリのテーマは“THE 1 AND ONLY”としております。日本グランプリは世界各国で開催されるF1の中でも特異な存在で、長年の開催の中でさまざまなドラマが生まれるとともに、ほぼ全員のドライバーがファンの前に登場するファンサービスを展開するなど、ほかのグランプリと違う“THE 1 AND ONLY”となっております。今回のサーキットチャレンジャーや、鈴鹿サーキット全体も“THE 1 AND ONLY”として、今後もほかの施設にない“ただ1つの鈴鹿サーキットの魅力”をさらに進化させていきたいです」と今後の意気込みを話した。

 なお、サーキットチャレンジャーは国際レーシングコースを使用するため常時開催することが困難ではあるものの、開発メンバーの「サーキットチャレンジャーの体験を通じて、将来的にはレースファンになってもらいたい」との思いから、従来のアトラクション「サーキットカート」が年間120日開催していたことに対して、サーキットチャレンジャーでは年間240日の開催を計画しているとのことだ。

「サーキットチャレンジャー」でのランキングにも参加できる「鈴鹿サーキット公式アプリ」。第1弾イベント期間中(3月19日~7月1日)にランキング1位を獲得すると、モートピアパスポート5日間付の「2016 F1日本グランプリチケット」がプレゼントされる

(編集部:椿山和雄)