試乗記
Modulo独自技術“実効空力”の基礎となったエアロパーツを装着した「S2000」と、進化した初代「NSX」に乗ってみた
2024年5月7日 14:43
Moduloパーツを装着した過去のスポーツカーを振り返る
ホンダ純正アクセサリーブランド「Modulo(モデューロ)」が誕生30周年を迎えた。そこで開発元であるホンダアクセスは、Moduloブランドの過去・現在・未来を体感できる「Modulo 30th Anniversary EXPO」と題した取材会をモビリティリゾートもてぎで実施した。
アルミホイール、エアロパーツ、サスペンションなどを主に開発してきたModuloは、1996年にはカッコよさだけでなく空力性能向上を意識したエアロパーツの開発をスタート。現在のコンプリートカー「Modulo X」にもつながる“クルマをひとつの塊ととらえ、全体の空力をバランスさせる”を当時から実践しており、1999年に空力効果を持たせたS2000用のModuloエアロを開発。やがて2008年には独自のエアロダイナミクス開発思想「実効空力」を具現化し、当時のFD型シビックから採用したほか、2011年にはNSXのエアロパーツに「実効空力」を取り入れている。
今回の試乗会では、そのModuloのエアロパーツを装着した「S2000」と、実効空力の黎明期のエアロパーツを装着した「NSX(初代)」に試乗することができた。過去に販売された、中にはかなり激レアなものもあるという各種パーツを装着した、ホンダを代表するスポーツカーのデモカーに試乗できたのは貴重な経験だった。
タイヤの接地性を高めて4輪でスムーズに曲がる2台
S2000は発売年の1999年式がベースで、実効空力を提唱する前の当時の仕様を再現したものだが、すでにトータルバランスを意識したチューニングが施されている。これにより、接地感を高めるとともに、一体感のある気持ちよいドライブフィールを実現しているという。少し遅れて追加発売されたローダウンサスペンションやエキゾーストも装着されていた。
一方のNSXは、3.2リッターのC32B型エンジンが搭載されてからのNA2のタイプSをベースに、NSXの発売20周年となる2011年にアニバーサリーアイテムとして発売され、生産終了品のスポーツサスペンションやエキゾーストのほか、実効空力の考え方を取り入れ、リアのマイナスリフトを実現しリフトバランスを最適化するというトランクスポイラーが装着されていた。
どちらも乗るのはひさしぶりのこと。9000rpmまで回るAP1のF20C型エンジンは、やはり絶品この上なし。それを引き立てるビートの効いたサウンドもまた絶品だ。さりげなくスポーティになったルックスもよく似合っている。
NSXもいわずもがな。ほどよくひきしまった足まわりを持ち、空気の流れを最適に制御することで、接地性を高めて4輪で曲がるというModuloの理念が、この2台で構内路を短い時間ながらドライブしてもいくばくか感じられた。
市販状態で完成品と評されるS2000とNSXは、エキゾーストやエアロをいじるとかえって性能がダウンするアフターパーツが少なくないと聞いたものだが、もちろんModuloならそんなことはない。Moduloのこれまでの独自の取り組みとその優れた性能に感銘を受け、今後がますます楽しみになってきた。