写真で見る
写真で見る 三菱ふそう「スーパーグレート」(2017年フルモデルチェンジ)
2017年5月15日 21:57
三菱ふそうトラックは5月15日、大型トラックの新型「スーパーグレート」、大型観光、高速路線バスの新型「エアロクイーン」「エアロエース」を発表した。今回のモデルで最大の特徴は、トラック、バスともに総排気量を引き下げた新開発エンジンの搭載と、新型AMT「ShiftPilot(シフトパイロット)」を採用している点。これらによって低燃費化と運転のしやすさを向上させている。本稿では新型スーパーグレートを写真で紹介する。
新型スーパーグレートのグレードは「Eco Line」「Pro Line」「Premium Line」の3タイプがあり、機種展開は6×2後2軸の「FU」と8×4低床の「FS」、そして6×4後2軸の「FV」、6×4低床の「FY」があり、今回の撮影に用意されたのは「FU」と「FS」だ。
エンジンは排気量10.7リッターの「6R20」、排気量7.7リッターの「6S10」の2種類の直噴ターボディーゼルが用意されている。環境技術に関しては尿素を使った再生制御式DPF「BlueTech」排気後処理装置を組み合わせている。
なお、エンジンの性能についてだが、トラックは運送会社ごとに運ぶ荷物が多種多彩。そこで6R20には最高出力と最大トルクが異なる「T1」「T2」「T3」の3バージョンを用意。6S10には「T1」「T2」の2種類が設定されている。
バージョンごとの仕様は、6R20(T1)が最高出力265kW(360PS)/最大トルク2000Nm(204kgm)。6R20(T2)は最高出力290kW(394PS)/最大トルク2000Nm(204kgm)。6R20(T3)は最高出力315kW(428PS)/最大トルク2100Nm(214kgm)となっている。
6R10(T1)は最高出力260W(354PS)、最大トルク1400Nm(142kgm)/6R10(T2)は最高出力280kW(381PS)/最大トルク1400Nm(142kgm)だ。
トランスミッションは全車に新世代トランスミッションである2ペダルの12段変速マニュアルトランスミッションのShiftPilotを採用。新エンジンとの組み合わせにより低燃費を実現している。シフトモードの選択やシフトチェンジ操作などはステアリングコラム左側に設置された「マルチファンクションレバー」で行なう。
新型スーパーグレートでは動力性能や低燃費性能の向上だけでなく、安全運転のための性能も充実させている。ブレーキに関しては衝突の回避、または被害を軽減する衝突被害軽減ブレーキの「ABA4(Active Brake Assist 4)」(PremiumLineとProLine)「AMB plus」(EcoLine)を装備。とくにABA4は従来からあるAMB plusの自動ブレーキ精度を向上させただけでなく、停車している車両に対する衝突回避を可能にし、歩行者も検知して衝突被害軽減を作動させるようになっている。ABA4、AMB plusともに2019年11月に施行される「衝突被害軽減ブレーキの基準強化(継続生産車22t超)」をクリアしている。
このほかにも、左折時の巻き込み事故を抑制する「アクティブ・サイドガード・アシスト」や旋回時の車体の安定化を図る「EPS」、そして夜間走行の視認性がよい「Xtra VisionLEDヘッドライト」も装備。
加えてドライバーの負担を軽くするための機能として、前方車を自動追尾することでドライバーの疲労を軽減させる「プロキシミティー・コントロール・アシスト」やドライバーの顔をカメラで監視する「アクティブ・アテンション・アシスト」、白線認識カメラによる「車線逸脱警報システム」を装備する。
ドライバーの仕事場であるコクピットは機能的に作られているだけでなく、カッコよさや豪華さを持たせてドライバーのモチベーションを高める空間を演出しているとのこと。
ドライバーズシートは座面自体にクッション性を持たせつつ、エアサスシートとなっているので路面からの衝撃がドライバーに伝わりにくい。ロングドライブの疲労軽減に大いに貢献する作りになっている。さらにシートベルトもピラーから出すのではなく、シート背もたれにベルトを内蔵する「ベルトインシート」を採用。これにより、エアサスシート独特のシートの上下動やリクライニングさせたときも常に快適なシートベルトの装着感を維持。身体とシートベルトの関係が常に適切になるので、万が一の事故発生時もシートベルトの機能がしっかりと発揮されるのだ。
スピードメーター、タコメーターなどの主要メーター類は見やすさを重視した針式を採用。中央部には4.1インチ(Premium Lineのみ5インチ)のマルチファンクションモニターを搭載。このモニターには燃料やAdBlueの残量、ウォーニング表示、エンジンオイルレベルなどに加え、白線認識の状況、車間距離保持機能付オートクルーズの距離設定などの各種情報表示や設定変更が行なえるようになっている。表示切り替えはドライブ中でも簡単に行なえるよう、ステアリングスポーク左側のボタンで操作できる。右側スポークにはオーディオ、オートクルーズ、ハンズフリーフォンの操作ボタンがある。
21年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型スーパーグレートでは、コクピット装備も最新式に改められた。キーはマルチファンクションキーを採用し、エンジンはプッシュスタート式。オーディオは7インチのタッチパネルディスプレイを採用した「TCC touch」をPremium Lineに装備。このオーディオはスマートフォンとも連動し、対応アプリをパネルで操作することも可能。ハンズフリー通話、Bluetooth接続、USB接続による音楽再生にも対応する。なお、Pro Line、Eco LineにはAM/FMラジオとBluetooth&USB接続による音楽再生に対応した「TCC mid」が装備される。
また、オートクルーズ使用時には、GPSと3D地図情報により道路の勾配を予測して低燃費向上を図る「パワートレイン3D予測制御」もオプションで用意。
さらに車両の運行状態を記録するデジタルタコグラフを全車に標準装備。この装置には収集した車両情報を三菱ふそうカスタマーアシスタントセンターに送信する機能もあり、車両を保有する会社はカスタマーアシスタントセンターが用意する専用ページにアクセスすることで、車両位置や運行状況を確認することができる。
このように新型スーパーグレートは、低燃費や長期の稼動を見据えたメンテナンス性のよさ、コストの低さなど、トラックにとって必須といえる項目を抑えただけでなく、ドライバーの疲労軽減や安全性、さらにドライビングの充実感も求めた新型のエンジンやトランスミッションを採用。そしてエクステリア、インテリアでもデザイン性を追求した新しい時代のトラックに仕上がっている。