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写真で見る ホンダ「インサイト」
3代目はミドルサイズセダンへと進化
2018年12月13日 11:30
3代目となる本田技研工業の新型「インサイト」は、ハイブリッド専用車のコンセプトはそのままに、ミドルサイズセダンへと進化して登場する。
初代インサイトが登場したのは1999年。1997年にハイブリッド技術「ホンダIMAシステム」を搭載するコンセプトカー「J-VX」として発表された後、1999年11月に「洞察力」「眼識」を意味する車名を冠してデビューを迎えた。
この初代モデルはクーペ風スタイルのボディに2名乗車とパーソナル感を強調しつつも、10・15モード燃費で35km/L(MT車)と当時世界最高の燃費性能を実現していた。2代目が登場したのは10年後の2009年2月。ボディを5ドアハッチバックとすることで5名乗車を可能にするとともに、進化したIMAシステムを搭載。価格も180万円台からの設定とすることで、2009年4月には登録車の車名別販売台数で月間1位を記録するなど、ハイブリッドカーのすそ野を広げた。
3代目となる新型では再びボディ形状を変更し、独立したトランクを持つセダンタイプとなった。デザインに関しても2代目がファミリーユースを意識したものだったのに対し、カジュアルにもフォーマルにも対応可能な、上質かつエレガントなムードのシルエットとディテールを採用している。同時にボディサイズも4675×1820×1410mm(全長×全幅×全高)に大型化。乗車定員は5名のままで変更はないため、より快適に過ごせる空間を手に入れたわけだ。また、セダンでは重要なポイントになるトランクスペースに関しても配慮。スペース面でネックとなる走行用のリチウムイオンバッテリーは、ECUなどと一体化したIPUとしてリアシート下に収納。トランク内だけでも519Lの大容量を実現するとともにトランクスルー機能も用意され、より多くの荷物を積載することが可能となっている。
プラットフォームはDセグメントでの使用を見据えて開発された新世代の骨格を採用。1500MPa級の高張力鋼板を筆頭にハイテン材を積極的に使用することで、軽量ながら高い衝突安全性能とボディ剛性を確保。フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式のサスペンションを採用することにより、優れたハンドリング性能と乗り心地を実現している。
安全面では安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を搭載。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせることで、「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」「誤発進抑制機能」「渋滞追従機能付ACC」などのほか、ステアリング制御まで行なう「歩行者事故低減ステアリング」「路外逸脱抑制機能」など、計10機能を実現。歩行者との衝突時に被害を軽減する「ポップアップフードシステム」も備えた。
パワートレーンには2013年発売の「アコード ハイブリッド」以来の実績を持つ、独自の2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を採用。排気量の見直しや構造の合理化など年々進化を遂げており、この最新型ではパワーコントロールユニット「PCU」の小型化やモーター磁石の重希土類フリー化などを実施している。システムの核となるエンジンはすでに発売している「クラリティ PHEV」にも搭載されている、直列4気筒DOHC 1.5リッターアトキンソンサイクル i-VTECの「LEB」ユニットを搭載。吸排気系を専用設計とするなどインサイト専用にカスタマイズを加えるとともに、燃焼効率の向上やフリクション低減を強化することにより、無鉛レギュラーガソリン仕様ながら最大熱効率40.5%を実現。その結果、グレードによって異なるWLTCモード燃費では、28.4km/Lまたは25.6km/Lの省燃費性能を誇っている。
グレードはベーシックな「LX」とラグジュアリーな「EX」、加えて内外装にブラック加飾やスエード調素材を使用した「EX・BLACK STYLE」の3タイプを用意。パワートレーンはすべて共通となっているものの、LXのみ車両重量が20kg軽くなるため燃費面ではよい数値となる。ただ、環境性能は全車「平成32年度燃費基準+50%達成車」「平成30年排出ガス基準75%低減レベル」認定車で同一となる。
ボディカラーは「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」のほか、「コスミックブルー・メタリック」「プラチナホワイト・パール」など6色を用意。EX・BLACK STYLEのみ「クリスタルブラック・パール」と専用色の「ルーセブラック・メタリック」の2色設定となる。価格はLXが326万1600円、EXが349万9200円、EX・BLACK STYLEが362万8800円。