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写真で見る スバル「WRX STI」「WRX S4」
(2014/8/25 15:42)
8月25日に発売されたスバル(富士重工業)の新型スポーツセダン「WRX」シリーズ。これまでWRXは、インプレッサシリーズのスポーツバージョンに与えられていた名前だが、この新型WRXから完全な独立車種としてデビューした。また。5ドア、4ドアとあった車型も4ドアセダンに1本化されている。
ボディーサイズは、4580×1795×1470mm(全長×全幅×全高)から4595×1795×1475mmと、全長が15mm長くなり、ホイールベースは2625mmから25mm延長された2650mmとなった。このホイールベース延長分は、後席足下空間の拡大に使われている。
スバルのラインアップの中で、WRXシリーズは現行インプレッサより大きく、現行レガシィより小さいことになる。ここにはスポーツツアラーの「レヴォーグ」が存在する。レヴォーグが先代のレガシィツーリングワゴンを包有するのに対し、WRXシリーズは先代レガシィB4ユーザーを包有するポジショニングに移行した。
レヴォーグのボディーサイズは4690×1780×1490mm。ホイールベースは同じ2650mmで、Bピラーより前のボディーの骨格はWRXシリーズと供用している。グローバルの発売は、新型WRXシリーズが先行しており、実際の設計も新型WRXシリーズが先行。日本だけ見ているとレヴォーグから派生した車種がWRXシリーズに思えるが、実際はWRXとしての骨格を作り上げつつ、ワゴンボディーも並行して開発が行われたことになる。
WRXシリーズは、ピュアスポーツに位置づけられる「WRX STI」と、スポーツセダンに位置づけられる「WRX S4」があり、それぞれベースグレード(WRX STI、WRX S4 2.0GT EyeSight)と、ビルシュタイン製ダンパーなどを装着するアドバンスドグレード(WRX STI Type S、WRX S4 2.0GT-S EyeSight)が存在する。
WRX STIは、最高出力227kW(308PS)/6400rpm、最大トルク422Nm(43.0kgm)/4400rpmと先代同様のスペックを持つEJ20型ツインスクロールターボエンジンを搭載し、6速MT+マルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)によって4輪を駆動。WRX S4は、最高出力221kW(300PS)/5600rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/2000-4800rpmを発生するFA20型直噴ターボエンジンを搭載し、レスポンスを向上させたというスポーツリニアトロニックCVTとVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)によって4輪を駆動する。
両シリーズの性格は、これまでのインプレッサ WRX STI spec.CとA-Lineより明確に分かれている。WRX STIにはスバルの象徴ともなった先進安全運転支援技術「EyeSight(アイサイト)」が搭載されていないのに対し、WRX S4はレヴォーグから搭載されたステアリングアシストも行う最新のver.3を装備する。さらにJC08モード燃費は、WRX STIが9.4km/Lに対し、WRX S4は13.2km/L。WRX S4はエコカー減税対象車でもあるので、マニュアル変速と自動変速という違い以上に大きな差となっている。
WRX S4
WRX STIとWRX S4の外観の差異は小さいが、最新機能を持つEyeSight ver.3の有無が加わったことで、マニュアル変速と自動変速以上の差別化がなされた。かつてBOXER MASTER-4と名付けられていたEJ20型水平対向4気筒エンジンと6速MTを心臓部に持つWRX STIをこれまでのスバルらしさの究極とするなら、BLUE BOXERと名付けられたFA20型水平対応4気筒エンジンとスポーツリニアトロニック、そしてEyeSight(ver.3)を搭載するWRX S4は、これからのスバルらしさの現時点の頂点にある。最新ボディーに包み込んだ2つのスバルらしさを選択できるのが、スポーツセダンの新型WRXシリーズとなる。