レビュー
【タイヤレビュー】ミシュランの新オールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」「クロスクライメート3スポーツ」を雪上で試してみた
2026年3月10日 09:00
氷上でもオールシーズンタイヤをチェック
2025年10月より販売を開始しているミシュランのオールシーズンタイヤ「CROSSCLIMATE(クロスクライメート)3」と「CROSSCLIMATE3 SPORT」を雪上で試してきた。ドライやウエット性能は以前お伝えした通り、ウエット性能やドライの高速安定性、そして静粛性についても、サマータイヤとさほど変わらぬ性能を見せたこれらのタイヤは、果たしてターゲットとするスノー路面においてどんな走りを展開してくれるだろうか?
テストコースでまず試したのは、本来「CROSSCLIMATE」シリーズが推奨していない氷上ブレーキだった。スノーフレークマークが掲げられ、高速道路における冬タイヤ規制があったとしても通れてしまうこのタイヤ。けれども、環境変化は容赦なく訪れるわけで、ミシュランが推奨していないアイス路面の環境になる場合もある。だからこそ、そんな路面をわざわざわれわれに試させたのだろう。
氷板路へ向けて30km/hくらいまで加速したところからフル制動を試みれば、推奨していない割には止まってくれるかなという感覚があった。感覚としては一世代前のスタッドレスタイヤ。夏タイヤならホームラン級に制動距離が伸びてしまうような状況でこれはなかなか。
けれども、タイヤメーカーとしては推奨していないので、あくまで慎重に走るべきだということは間違いない。走れることは走れるし、止まれることは止まれる。けれども、やはりどこか頼りないのは変わりない。それを解消したいのであれば、やはり氷も受け止めるスタッドレスタイヤにするべきだということなのだろう。
続いて雪上のワインディングコースを「CROSSCLIMATE3」の205/55R16サイズで走る。そこで感じたのはオールシーズンタイヤが苦手とする横方向のグリップが、旧製品に対してかなり高められていたことだった。ステアリング操舵角をそれほど必要とせずに旋回を開始。テールの粘りもあり、ダブルレーンチェンジ的に動かしたとしても、オツリを食うような動きが少なく走れるところがなかなか。
カントリー登坂コースにおいて225/65R17サイズをRAV4を使って走ったが、そこでもトラクションはなかなか。スタッドレスタイヤの「X-ICE SNOW」と比較しながら走ったが、全体的なグリップは一段下がるものの、慎重に走れば十分にこなせる感覚がある。試しに急斜面で一度停止し、そこから発進もしてみたのだが、きちんと路面を掴みながらジワリと動いてくれたのだから。
こうした印象は後に乗った低偏平タイヤの「CROSSCLIMATE3 SPORT」の225/40R18サイズであっても同じ。こちらはトラクション方向は苦手なサイズのはずだが、それもわるくない。このタイヤのみ採用されている専用コンパウンド「サーマル アダプティブ コンパウンド2.0」が効いているのだろう。優れたスノー性能に加え高いドライ&ウエットグリップを展開するというそれは、確実に路面を捉えてくれる感覚に溢れていた。スノー路面における低偏平タイヤのネガをしっかりとカバーしていることは明らかだった。
最後は雪上旋回試験場において、旧製品とスタッドレスタイヤの「X-ICE SNOW」との乗り比べを行なったが、性能としては両方のちょうど中間あたりの仕上がり。ケース剛性がしっかりとしている感覚がありつつ、低ミュー路であってもしっかりと路面を捉える感覚があるところはうれしい。「PILOT SPORT」シリーズにも使われているアラミドとナイロンを組み合わせたハイブリッドキャッププライである「ダイナミック レスポンス テクノロジー」を採用することで、ドライ性能におけるたしかな剛性感をキープしつつ、雪上をきちんと走れてしまう性能だ。
それでいて低燃費タイヤのグレーディングでは、転がり抵抗ラベリング「A」を維持しながら、ウエットラベリングはシリーズとして初めて「a」を獲得したことはすばらしい。こうした全方位バランスの高さこそ「CROSSCLIMATE」シリーズの魅力といえるだろう。










