事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム

第22回:増えてきた自転車通勤との共存

左折時に注意すべき自転車の巻き込み

 クルマの運転をしていれば必ずついて回る事故の可能性。でもそんな可能性は少しでもゼロに近づけたい!! そこでいろいろな人に、普段運転で気をつけていることを紹介してもらおうというのがこの「事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム」です。今回はモータージャーナリストの日下部保雄氏執筆で、テーマは「増えてきた自転車との共存」です。自転車も車道を走るのがルール、邪魔もの扱いするのではなく、どう共存するかが大切です。


 自分がよく通る道に、幹線道路から信号で左折して脇道に入るルートがある。その際には特に自転車の動きに注意している。最近、自転車通勤の人が増えており、ロードバイクが多くなっている。それに自転車の性能も上がって、結構速度が出るタイプも多い。もはや原チャリより速いんじゃないかと思う。

 そんなロードバイクと並走することも少なくない。幹線道路ではクルマの方が速いので、かなり前に追い越したはずのロードバイクが、少し流れがわるくなってミラーを見るとすぐ後ろにいてびっくりすることがある。ロードバイクの実力を理解した瞬間である。

 大抵のロードバイクはクルマにも注意をしてくれるし、手で合図などしてもらうと嬉しくなってしまう。しかしすべてがそうだとは限らない。他人の善意に任せるのは危険だ。相手のわずかな動きにも注目して次の動きに備えるように心がけている。

 さて、信号で左折するときなど、方向指示器を早めに出し、周囲に自分の意思を伝えるのは最初に行なうことは当然としても、油断すると、歩行者がいない場合は早く曲がろうという意識が働くのか、ミラーをチラ見してハンドルを切ろうとしている自分に気が付いてドキっとしたことがある。

 そんな戒めもあり、左折をする時にはミラーで見て自分の目で確認し、さらにミラーも再度確認するように2段階に分けて行なうようにしている。自分のクルマ、ロードスターはオープンにしていない限り左後方視界が限られているのでなおさらだ。しかし一旦自車の死角を確認すれば、そこに注意して運転することができる。日頃のちょっとした注意と習慣づけで事故を防ごう。

 当たり前のことができなくなるのは集中力が落ちる暑いさなかだ。残暑と言うにはあまりに暑いこの季節を安全運転で走りましょう。

日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。