事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム
第25回:運転時に心がけている4つのポイント
2020年9月16日 00:00
クルマの運転をしていれば必ずついて回る事故の可能性。でもそんな可能性は少しでもゼロに近づけたい!! そこでいろいろな人に、普段運転で気をつけていることを紹介してもらおうというのがこの「事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム」です。今回はモータージャーナリストの岡本幸一郎氏執筆で、テーマは「運転時に心がけている4つのポイント」です。
今回は、ほんのちょっとしたことですが、筆者がふだん運転する上で心がけていることを4つ紹介したいと思います。
渋滞中、どこを見てる?
まず、できるだけ遠くを見たほうがよいことは、どなたかも述べていたとおりですが、それは渋滞しているときにも有効です。渋滞時には直前のクルマに合わせて、アクセルを踏んでちょっと前に進んですぐまたブレーキを踏むという操作の繰り返しになりますよね。このとき直前のクルマの動きだけ見ていると、どうしてもギクシャクして、同乗者にも不快な思いをさせてしまいがちです。ところが、2~3台前にいるクルマの動きを意識して見るようにするとぜんぜん違って、ギクシャクしにくくなるのです。
実は渋滞中の追突事故というのも少なくありません。前のクルマが減速したことに気づくのが遅れて追突しそうになった経験は誰しも少なからずあることでしょう。渋滞していれば車速はゆっくりなので被害は小さいかもしれませんが、ぶつかってしまえば事故は事故。そんなことにならないためにも、前のクルマだけでなく、数台前のクルマの動きを見ておくことで、運転に余裕が生まれます。
もちろん状況によっては前を走るクルマの動きは見えにくくなりますが、それでも動きを積極的に意識するだけでずいぶん変わってくるはずです。上の写真のように、前のクルマが右に寄っているなら左に、左に寄っているなら右に寄ることでも前の視界は開けます。すでに実践している人もいるでしょうが、まだの人はぜひ試してみてください。
一時停止、ちゃんと止まってますか?
次に、一時停止での止まり方。僕はもうあの線を「一時不停止取り締まり線」だと思って、しっかり止まるようにしています。まぁルールですから当然なのですが、街中で見ていると、停止線を越えてから止まっている人が少なくないなぁという印象を受けます。
実際、停止線よりも前に出ないと肝心なところが見えなくて安全が確認できないシチョエーションが多いのも事実です。でも、たとえばあまり見通しのよくない場所で急に自転車が横切ることもありえます。その場合、停止線で止まってなければ、ぶつかってしまうかもしれません。
気が急く気持ちは分かりますが、停止線で一旦停止してから、ゆるゆると安全確認しながら前に進んでも、実際にかかる時間はたいして変わらないように思っています。それなら、より安全な走り方をしたほうが賢明かなと。それに停止線より手前でしっかり止まる習慣をつけておけば、頻繁に見かける警察の取り締まりにあって嫌な思いをすることもなくなるはずです。
譲るべきか? 譲らざるべきか?
譲り合いの精神を持つことはもちろん大切ですが、クルマの場合、なんでもかんでも譲ることが正しいとは限らないかなと思っています。
むやみに譲るべきでないシチュエーションも多々あって、たとえば右折したがっている対向車がいるので譲ってあげたら自車の横をすり抜けたバイクと衝突してしまうような状況もあるわけです。この場合、対向車やバイクにとっては自車が作る死角のせいでお互いが認識できないことも考えられ、もし譲る場合はそこまで考えなければならないと思うのです。なので筆者は、条件反射的に譲るのではなく、周囲の安全が確認できていたら譲りますが、もしとっさのことで、十分に確認できない場合は、すぐには譲らず状況を把握した上で譲るかどうかを判断するようにしています。
カーナビが事故のリスクを減らすかも
ガラリと話は変わりますが、知っているところへ行くにもできるだけカーナビを使うようにしています。それにはメーカーや機種によってどのようにガイドするか違いを確認しておくという仕事上の事情もありますが、カーナビを使うことで、より安全なルートを見つけられるかもしれないからです。
といっても知っている道ですから、ナビの案内通りにただ走るというよりは参考にするイメージです。たとえばなるべく右折の少ないルートを見つけることができるかもしれませんし、道路を走っていては気がつかない、たとえば近くに公園や学校がある、といった情報が知れるかもしれません。また、最近では事故多発地点やヒヤリハット地点などが収録されているカーナビもあって、それまで気がつかなかったリスクを見つけられることもあります。
それ以外にも、新しいルートを知ったり、どうやらこっちの道のほうが走りやすいとか、このあたりはこんな地名だったのかなど、新たな発見がいろいろあるのも楽しいですよね。