事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム
第20回:心地よく走れる居場所を探そう
2020年8月11日 10:12
クルマの運転をしていれば必ずついて回る事故の可能性。でもそんな可能性は少しでもゼロに近づけたい!! そこでいろいろな人に、普段運転で気をつけていることを紹介してもらおうというのがこの「事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム」です。今回はモータージャーナリストの河村康彦氏執筆で、テーマは「心地よく走れる居場所を探そう」。渋滞しがちなこの時期に。
快適なドライブの大敵の1つは、なんと言っても渋滞。「そんなの、自分の地元では全然ないヨ」という幸せな人も居るであろう半面、都市部に住む人の多くは、クルマに乗るたびに「渋滞さえなければ……」と、日々苦々しく感じてもいることだろう。
結果、混雑した中で先を急ぎたい思いを抱くドライバーがどうしても選択しがちになるのが、複数レーンを備える道路での右側車線。なるほど、常識的に考えれば「流れが速いのは右レーン」だし、一般道では路地からの合流や路地やロードサイド店舗への左折。自動車専用道であれば本線への合流などによって自身の走りのペースを乱されにくいのが、多くの場合、右側車線の方であることは確かだ。
一方、皮肉なことにそうしたドライバーが多く集まることで、左側車線以上に交通量が多くなって渋滞が始まりやすいのが右側車線であったりもする。それだけで済めば“実害”は少ないが、フとした拍子に追突事故が起きやすいのもこちらの車線であったりもするから要注意だ。
前方車両のわずかな減速が、後方に伝わるに従って大きな減速波を生み出し、そこに車間距離の余裕のなさが加わって追突……、というパターンが多いことは、統計を取るまでもなく日常の光景を目にしての実感。特に、“車間ツメツメ”でストップライトが点滅をしながら流れる高速道路の追い越し車線は、「追突事故の宝庫」だ。
実際、たまたま気持ちの急いたドライバーが連なったのか、まるで「シャクトリムシ」のような加減速が続き、何とも走りづらい……、というシーンに遭遇するのは、やはり高速道路の右側車線である場合が多い。前方の車両について加速をすると、すぐにブレーキランプが点灯して減速……。そんな“尺取り運動”に飲み込まれないようにと車間を少し多めに取ると、後ろのクルマがイラついている気配を感じさせられることも。そこに隣の車線から割り込まれたりすれば、結局こちらもブレーキを踏まざるを得なくなるのだから、気分は最悪! 加速/減速の繰り返しを強いられれば、燃費にも悪影響大であることも言うまでもない。
というわけで、こんな場面に遭遇した場合の「最適解」はといえば、それはもう「そのポジションから離脱するに限る」というもの。混雑した中でもそれなりに自身のペースで走れるポジションを確保することで、ストレスを抑えつつ安全・快適、かつ燃費の低下までも抑えた走行が可能になること請け合いなのだ。