事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム

第19回:初めて訪れる場所にドライブするときの注意点

どういうルートを使うか、複数の候補を選んでおくこともオススメ

 クルマの運転をしていれば必ずついて回る事故の可能性。でもそんな可能性は少しでもゼロに近づけたい!! そこでいろいろな人に、普段運転で気をつけていることを紹介してもらおうというのがこの「事故の確率を0.1%減らせるかもしれないリレーコラム」です。今回はモータージャーナリストの藤島知子氏執筆で、テーマは「初めて訪れる場所にドライブするときの注意点」。夏休みにドライブ旅行を計画している人は要チェックです。


 ジメジメした梅雨がようやく明けて、一気に夏が本番を迎える季節。Go Toトラベルキャンペーンもあって、人混みを避けながら、ドライブ旅行を計画している人も少なくないのではないでしょうか。そこで、今回のコラムでは、「初めて訪れる場所にドライブするときの注意点」について考えてみたいと思います。

 不肖ワタクシ、かつては月に一度の頻度で42都道府県を巡るドライブ旅をさせていただいた経験があります。日本は国土が狭いと言われますが、自然や史跡、秘境など、素敵なスポットは山ほどあります。

 ただし、地図では大した距離に見えなくても、道路網や交通環境など、知らない土地に出掛ける時は思いがけない事態に手間取り、時間を浪費してしまうことも。つまり、限られた時間を有益に使うためには「計画性」がとても重要だと思っています。

 まずは、旅行計画。今やインターネットでいくらでも情報収集ができる時代ですが、お出かけしたいエリア周辺の立ち寄りスポットを事前に調べておくことをオススメします。

「そんなの当たり前でしょ!」

 とツッコミが入りそうですが、例えば四万十川の流域のように、狭い道で対向車とすれ違うのがギリギリという道も存在したりするので、どのようなルートを辿るのか、チェックしておくと安心です。

 また、最近では、知らないうちに新しい高速道路網が開通していたりするので、天候や通過時間などを考慮して、いくつかの候補ルートを準備しておくのも有効です。

 Googleマップなどのアプリで目的地までのルートを検索すると、渋滞なども踏まえた推奨のルートを見つけてくれます。ただし、必ずしもそれが自分たちの旅にとってベストチョイスとは限りません。有料道を有効に使えば時間を短縮できるメリットはありますが、首都高速のように短い距離で高めの上限金額を支払うことになったり、複数の管轄エリアを跨いだり、通過経路によっては料金が上乗せされるケースも。なので、高速道路のルート選びは高速道路会社などの高速料金・ルート検索サイトを利用してみるのもオススメです。サービスエリアなどの位置が確認できるほか、お財布に優しいルートを見付けることもできます。

NEXCO東日本(東日本高速道路)の「ドラぷら」では、出発時間などによって変わるETCの割引も踏まえたルート比較ができる

 事前にルートを下調べておく最大のメリットは、時間のロスを減らせて、到着を急がなければならない必要性が減らせること。ゆったり構えて走ることは、気持ちの余裕に繋がりますし、事故リスクの低減にも結び付きます。

 その反対に、走行中に急な判断を迫られたり、迷いが出てしまったりすると、そのぶん運転がおろそかになって、事故のリスクが増えていきます。特に、同乗者と会話が盛り上がるドライブ旅は、知らず知らずのうちにドライバーの注意力が散漫になりやすく、一瞬の見落としが事故を招く原因になることを忘れてはいけません。

 事前準備で安全ドライブ旅。貴重なお休みを有意義な時間にするためにもオススメします。

藤島知子

幼いころからクルマが好きで、24才で免許を取得後にRX-7を5年ローンで購入。以後、2002年より市販車のレーシングカーやミドルフォーミュラなど、さまざまなカテゴリーのワンメイクレースにシリーズ参戦した経験を持つ。走り好きの目線に女性視点を織り込んだレポートをWebメディア、自動車専門誌、女性誌を通じて執筆活動を行なう傍ら、テレビ神奈川の新車情報番組「クルマでいこう!」は出演12年目を迎える。日本自動車ジャーナリスト協会理事、2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。