トピック
趣味だからこそ格好よく着たい! アルパインスターズに聞く「レーシングスーツ」の選び方と意外と知らない着こなし術
アルパインスターズのレーシングギアを着用するドライバーの牧野任祐選手にこだわりを聞いた
- 提供:
- SPK株式会社
2024年4月29日 00:00
クルマを取り巻く環境は目まぐるしく変わっても、いつの時代もスポーツカーでモータースポーツを楽しむ文化は不変。
スポーツカーは移動の手段ではなく、クルマに乗ること自体を楽しむために選ばれることが多いだけに、スポーツカーを核とした「クルマ趣味の世界」が形成されていて、なかでも多くのスポーツ愛好家がハマっているのが「サーキットでのスポーツ走行」だ。
サーキットはレースだけでなく、レースのない日は自分の愛車で走る「スポーツ走行(練習走行)」が行なわれていてコースにはさまざまなクルマが走っている。また、コースを丸ごと貸し切って行なう「サーキット走行会」もたくさん開催されていて、すぐに募集定員が埋まるほど盛況となっている。
レースの世界ではヘルメットやレーシングスーツなどの装備が必須になっているが、走行会では運転のさまたげにならない形状の長袖・長ズボンであればいいとされているのがほとんど(ヘルメットとグローブは必要)。ただし、近年は自主的にレーシングスーツを着用する人が増えている。
理由としては、クルマやタイヤなどの高性能化により、走行スピード域が高くなったことがあるだろう。速度域が上がればコントロールを失ったときのリスクが増すので、「安全のために装備をととのえよう」という意識が高まっているのだ。
また、モータースポーツの現場でもラリチャレ(TOYOTA GAZOO Racing Rallyチャレンジ)や軽自動車だけの耐久レースなど、入門者向け競技が増えて人気もあることから、プロドライバー以外の人がレーシングスーツを着ている光景を見ることが増えた。そのためレーシングスーツが身近なものと感じられるようになった背景もある。
趣味だからこそ「レーシングスーツ」にもこだわるべき!
初めてのレーシングスーツを選ぶとき、「初心者だから」「趣味だから」「レースには出ないから」という気持ちからか、入門用グレードを選ぶユーザーもいるようだけれど、スキーやスノーボード、ゴルフなどと同じく、「大好きな趣味だからこそ、いいものを選ぶ」と考えるべきではないだろうか?
とくにレーシングスーツの大きな特徴である安全性確保の必要性については、プロとアマチュアに違いはないし! 運転のしやすさなども誰にでもメリットがあるので、趣味でも高性能な製品を選ぶ理由にこと欠かない。
そもそも速く走るため、クルマのコントロールを楽しむためなら、“運転しやすい”レーシングスーツの性能は取り入れるべき要素なので、趣味であっても上位モデルを選ぶのもありだ。
アルパインスターズのレーシングスーツはどう選べばいい?
そこで今回は、2輪、4輪問わず世界のモータースポーツシーンで選ばれている「アルパインスターズ」のレーシングスーツ、レーシングギアをチェックしてみた。現在4輪モータースポーツ用としては「オートレーシングスーツ」シリーズを展開していて、全6モデルを設定している。
また、オートレーシングスーツはすべてのモデルがFIAの最新規格である「FIA8856-2018公認」となっているので、JAF戦などの公式レースで使用できるのもポイント。
ラインアップのなかで買いやすさ(価格)にポイントを置くのであれば「ATOM」シリーズだが、せっかくトップドライバーも着用しているアルパインスターズのレーシングスーツを買うのであれば、「高機能なタイプ」を選びたいところだ。
最上位モデルではないけれど高機能が満載の「GP PRO COMP V2スーツ」
上位モデルらしい機能としてまず挙げられるのが「シリコングリップテクノロジー」。スーツの肩部分と腰の部分にシリコン製の滑り止めパーツを設けたもので、肩の部分はヘルメットとつなぐことで頭部および頸部を保護できる装置「HANS」のずれを防ぐ役目を持ち、腰の部分のシリコンはクルマのシートに収まった際、腰の部分のホールド性を高める効果がある。
また、最近流行の耐久レースで着用する際に便利な機能として、イヤホンコードや冷却ベストやドリンクのホースを通せる開口部が左前側に設けてあるのもGP PRO COMP V2スーツの大きな特徴。
プロドライバーも愛用する「GP TECH V4スーツ」でマイカーを操る
アルパインスターズのスーツは、トップカテゴリーのレースで戦うドライバーも着用しているだけに、同等のレーシングスーツが欲しいと言う声も多いという。そこで紹介するのが上位モデルの「GP TECH V4スーツ」の2024年新作モデル。
GP TECH V4スーツは軽量で、F1由来のストレッチパネルを要所に配置することでドライブ中に手足が動かしやすい設計。また、スポーツカーの狭い運転席に乗り込むときもスーツが突っぱらないので乗り込みがしやすいのも特徴。乗り降りの際にヘルメットをドアの開口部やロールケージに当てないためにも、スーツに柔軟性があり身体を曲げやすいのも大事なポイントの1つ。
肩口から腕は「フルフローティングアーム構造」を採用し、着用していない状態で“腕が軽く曲がっている”カーブ裁断となっていて、ドライビングポジションでステアリングを握った状態でもスーツにつっぱり感がなく、ステアリングを深く切り込む動作に対してもスムーズに肩や腕が動かせる構造になっている。また、足にも同様のカーブ裁断が施されていて、ドライビングポジションでの操作性の高さを追求している。趣味とはいえドライビングを極めたいと考えるなら、着用したいスーツと言える。
GP TECH V4スーツは「アスリートレギュラーフィットスリム」というボディラインに沿った細見のシルエットなので、カーブ裁断のよさを生かすためにも、サイズ選びで迷った際は1つ上のサイズを選べばOK。アルパインスターズのレーシングスーツは裾に絞り込みのあるニットを使っているので、レーシングスーツの手足部分が多少長くても運転操作に影響しにくいのもポイント。腰まわりにも面ファスナー式のベルトがあるので身体へのフィット感の調整もできるのがありがたい。
トップカテゴリーのレースに参戦している牧野任祐選手にレーシングスーツ選びのポイントを聞いてみた
今回特別に、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGから全日本スーパーフォーミュラ選手権に、STANLEY TEAM KUNIMITSUからSUPER GT GT500クラスに参戦する牧野任祐選手に、レーシングスーツ選びのポイントを聞いてみた。昔からアルパインスターズを着用していて、ポイントを知り尽くしているドライバーの1人だ。
牧野選手が全日本スーパーフォーミュラ選手権で着用しているのは「GP TECH V4スーツ」で、サイズやデザインはカスタムオーダーした特注モデルだが、製法は市販品と同じ。
レーシングカーは熱との戦いもあるため、牧野選手は「通気性がよく快適であること」を、お気に入りポイントの1つに挙げてくれた。また、着心地のよさも重要で、表地も裏地も薄くてソフトで、さらに内側に縫い目がないシームレス仕上げなので、着た際に縫い目が擦れるよう感覚がないこともお気に入りだという。レーシングスーツは耐火性のあるアンダーウエアの上に着るものだが、それでも裏地の感覚が分かるほど、着心地がイイそうだ。
また、スーツの重量がとても軽い点も特徴だという。牧野選手はレーシングカート出身で、当時(2014年ごろ)着ていたスーツと比べると現在のスーツの軽さは驚異的と話す。そして軽いことはレーシングカーにとって大事な要素の1つであり、ドライバーには動きやすさ(運転しやすさ)や着心地のよさにつながるとのことだった。
最後に、初めてレーシングスーツを買う際のポイントについて牧野選手は、「試着することが重要ですね。着ることで生地がどのくらい柔らかいのか固いのか、それに軽さやフィット感もはっきりと分かるので、そのレーシングスーツが自分の感覚に合うか確かめるのは大事です」と教えてくれた。
レーシングスーツは紫外線が天敵。アパレル製品で守ろう
アルパインスターズによると、「レーシングスーツはとても繊細で、太陽の紫外線が天敵」とのこと。そのためサーキット走行会などのインターバル(休憩時間)中は、レーシングスーツの上にジャケットを着ることで、紫外線から繊維を守り、色落ちや劣化を防げてベストな状態を長くキープできるという。
暑い時期はレーシングスーツの上にジャケットを着るのではなく、上半身は脱いでおき、パーカーなどを着るのがベスト。脱いだ袖を腰のあたりに巻くスタイルもあるが、牧野選手は、腰には巻かず、そのまま下げておくスタイルだという。
また、インタビューの後半で牧野選手が語ったのは、アルパインスターズのレーシングスーツを選んだ大きな理由。それは「ロゴマークを含めてスーツのデザインがカッコいい」ということだった。
レーシングスーツの機能がいかに優れているかはもちろん重要だが、やはり買う・着るドライバーの牧野選手としては、「カッコいいこと」が選択基準。確かにアルパインスターズのギアはどれもデザインがよく、ロゴやトレードマークもカッコいい。そしてその上で機能が優れているのだから、着ていることそのものがうれしくなるアイテムと言えるだろう。
牧野選手は「アルパインスターズのアパレルは、カッコいいのでプライベートでも着ていますよ。街着で着てもカッコいいので、もっと普段から着る人が増えたらうれしいですね」とも語ってくれた。アルパインスターズのアパレルはスポーティな雰囲気のウエアばかりなので、いまならジョガーパンツなどと合わせて着るといいと思うし、その際の足下に似合うスニーカーもアパレルラインには用意されている。
また、SPKは「アルパインスターズ」をはじめ、「D-SPORT」「アライヘルメット(四輪・カート用)」「TRS」など、取り扱っている幅広いモータースポーツ用品を展示するだけでなく、実際に触れることも可能な「モータースポーツショールーム」を開設していて、専門スタッフからのサポートやアドバイスも受けられる。なお、ショールームは完全予約制となっているので、足を運ぶ際はご注意いただきたい。
Photo:佐藤安孝(Burner Images)