トピック

紫外線カットは当たり前、同時に車内が暑くなる赤外線もカットできる最新「カーフィルム」の効果を確認!

デジタルインナーミラーも見やすくなって安全性も向上

カービューティープロのフィルム貼りは、施工技術の高さだけでなく、最適で安全なフィルム選びからはじまる

 最近のクルマのほとんどが、UVカット機能のあるウィンドウを新車で採用したり、リアドアから後ろはすべて着色ガラスを装着している。昔ならスモークタイプやミラータイプなどのフィルムを貼っていたが、今はもうその必要はないのだろうか? カービューティープロによれば、すでに着色されたガラスでもフィルムを貼るべき理由があると言う。それはいったい……。

UVカットが当たり前の今、さらなる「IRカット」で日焼けや暑さ対策が可能

 なぜ、着色ガラスにフィルムを貼る必要があるのかと言うと、より高性能なフィルムを貼ることでUV(紫外線)をほぼ100%カットできるほか、IR(赤外線)カットで暑さ対策を強化できるからだ。もともと濃い色のウィンドウのメリットは、オシャレや車内をのぞかれにくくすること、暑さ対策などもあった。しかし、ガラスの濃度が高いからと言って、必ずしもUVカット率やIVカット率が高い訳ではない。

 ちなみに「純正窓のUVカット」などで検索すると、自動車メーカーが公表している可視光線透過率やUVカット率を確認できる車種もあるので、一度自分の愛車を検索してみてはいかがだろう。

今回はカービューティープロが取り扱うIKCS株式会社の高機能カーフィルム「シルフィード(品番SC-7008)」を実際に施工して効果を検証する。このフィルムは、アメリカやオーストラリアなどで一般的に使われる「どのくらい日焼けを防げるか」を示す紫外線防止指数「UPF(Ultraviolet Protection Factoe)」にて、50以上の高い日焼け防止効果が認められる製品のみに与えられる「UPF+」を獲得している製品

 実際に純正の着色ガラスを見ると、状況によっては意外と車内がよく見える。光を遮り、プライバシーをするための濃度としては、もっと見えにくくなってほしいと思ったり、強い日差しをもっとやわらげてほしい人もいるだろう。

 また、UVには人体に有害な一面があり、日焼けだけでなく皮膚に当たりすぎれば皮膚がんにつながると言われている。目にも有害で、短期的には紫外線角膜炎などになり、長期間にわたって紫外線の影響を受ければ、白内障などにつながるとも言われている。さらに、影響は人体だけではない。UVはさまざまなものを劣化させるため、UVカットでクルマの内装の劣化を抑えれば、フィルム施工代の元がとれてしまうかもしれない。

UV量はよく晴れた屋外では1000μWを超え、肌にもジリジリ感じるほど
透明なガラスでも多少はUVを抑える効果はあるが、あまり数字は変わらない
UVカット99.9%をうたうフィルムだが、実測値では完全にゼロまで下がり100%カットを実現していた

 暑さ対策のIRカットの効果でエアコンの効きも変わってくる。もちろんエアコンが効率的に作動すれば燃費にも関わってくる。カービューティープロでは、気温30℃の晴天の日に、フィルムの有無を同型2台で検証したところ、フィルムを貼ったクルマのほうが5.7%ほど燃費がよかった結果もあると言う。

 さらに今回施工したRAV4はデジタルインナーミラーを搭載していたが、フィルムによって車内への採光が減り、ミラーへの無駄な映り込みも減ることで見やすくなるなど、安全に寄与するのもポイントだ。

カービューティープロが実施したエアコン効率の検証
フィルムの遮熱性能を測る計測器。大きな白熱電球はかなりの熱を発しているため、透明ガラスで遮ってもわずか3分程度で温度計は50℃以上を指した
カービューティープロのカーフィルムを貼ったガラスで遮ったところ、熱の遮断効果は大きく3分程度では35℃までしか上がらなかった。実際に手をかざしても熱がかなりやわらいでいた

安全対策として、割れたガラスの飛散防止にもなる

 そして、最近注目されているのが万一の際のガラス飛散対策としてのフィルム貼り。クルマのフロントガラスは飛散しない合わせガラスで、それ以外の場所は一般的に強化ガラスが使われて割れにくい強度を持つ。強化ガラスは万一割れた場合は粉々になり、尖ったガラス破片になりにくいという特徴がある。

強化ガラスが割れると粉々になるが、フィルムを貼っておけば飛散防止になる

 しかし、尖った破片でなくても1つ1つの破片には鋭利な部分があり、非常に細かいガラス破片も散乱する。小さい破片であってもけがの恐れがあるのはもちろんのこと、微小なガラス破片が目に入れば失明の恐れも出てくる。

強化ガラス粒状に割れるが、よく見れば鋭利な部分もあるほか、写真にある粉状のガラス破片も鋭利な形状のため、目などに入ったらたいへんなことになる

 強化ガラスのお皿を割った経験がある人なら分かると思うが、強化ガラスの破片は想像以上に勢いがついて飛び散る。リアガラスであってもフロントのほうまでたくさんの細かい破片が飛び、シートの布地をはじめあちこちに細かな破片が入り込んでしまう恐れがある。

 そして、最近増えているガラスルーフにも有効。飛散対策をしていないクルマのガラスルーフが割れれば、頭からガラスの破片が降り注ぐことにもなりかねない。特に上部のガラスの場合、事故や飛び石以外にも鳥がくわえた石や金属片などが上空から降ってくることもあり、ガラス割れのきっかけは決して少なくない。

透明フィルムなら、運転席や助手席にも施工できる

 窓に貼るフィルムには非常に多くの種類があり、用途に応じてさまざまものを取りそろえている。例えば、後席やリアに貼る着色フィルムは濃淡をはじめ、UVカットの機能に応じて選べる。

 また、クルマのフィルム貼りと言うと後席やリアガラスのためと思われがちだが、フロントにも貼るフィルムも用意している。例えば無色ながらUVをほぼゼロにカットをするフィルムがあり、運転席や助手席に乗っていても紫外線や赤外線の影響が気にならなくなる。

トヨタRAV4の純正リアガラス。明るい場所なら意外と車内が見える
後方のすべての窓にフィルムを貼ると、車内へ差し込む光源が減るため、ほとんど車室内は見えなくなった
純正ガラスの可視光線透過率
フィルムを貼ったガラスの可視光線透過率

 ただ、フロントや運転席・助手席の窓に貼る場合は、法令で光の透過率が定められているので注意が必要だ。基準はガラスとフィルムの透過率の合計が70%以上であればOKだが、クルマのガラスはフロントもわずかに着色されているのが多く、たとえ無色のフィルムでも、貼ると違反になってしまうケースもあるという。そのため、前側に貼る場合は、保安基準に適合するフィルム選びが重要なだけでなく、測定器もしっかりと完備しているなど、設備とノウハウのあるフィルム施工店に任せることがマストとなる。

 また、リアのガラスの濃度は純正状態で満足していても、UVや暑さ対策を強化したいという場合は、リアにUVカットの透明なフィルムを貼れば、ガラス濃度を保ったままUV&IRカットができる。もちろんガラスルーフも同様に、UVやIRの影響をコントロールしたい場合は、透明や薄い色のフィルムの利用がおすすめとなる。

透明フィルムを使った実験カード。カードの白い部がUVで変色するようになっていて、透明フィルムのない部分だけが変色しているのが分かる

フィルム貼りは、さまざまな技術が必要となる

 フィルムを貼るメリットが分かったところで実際に貼るには、先述したとおり技術のあるショップに任せることが必須となる。フィルム貼りは、クルマに合わせてフィルムをカットし、曲面に合わせてフィルムを成型、貼り付けていくという行程となるが、それぞれに高度な技が必要となる。

側面ガラスのフィルム貼りの第一歩は採寸から。これをベースに大まかなカットをする。担当する内田氏の施工実績は数万台におよぶそうだ

 最近はフィルム貼りの行程を紹介している動画サイトなどもあるが、非常にスムーズにカットから貼り付けまで行なわれ、見ていると自分にもできそうな気になってしまうこともある。ところが、実際にチャレンジしてみると、とてもむずかしいと実感した人も多いのではないだろうか。

 カービューティープロでも、フィルムを貼る行程はスムーズに貼っていくため、一見、簡単そうに見えてしまうが、要所要所に高度な技術が必要となる。

 最初にフィルムをクルマに合わせてカットする行程では、ガラスの外側にフィルムを当てているが、そこから内側に貼るフィルムサイズを想像しながら印を付けてカットしていく。大きすぎればひっかかり、小さすぎればめくれや隙間が開いてしまう。ミリ単位の正確なサイズをガラス外面から想像しフィルムの形にしていく必要がある。

1.まずは外側に貼ってフィルムの型取りを行なう
2.貼るウィンドウに合わせてマーキング
3.角は丸みをもたせはがれにくくしておく
4.ドアが汚れないようにマスキング
5.専用の施工液を吹きかける
6.施工液でフィルムを滑らせながら位置を合わせる
7.ヘラで密着させて、余分な施工液を抜いていく
8.フィルムの下の部分は滑り込ませるように内装の内側に差し込む。ウィンドウを下げてもめくれることがないようにするのも技術が必要だ
9.あとはガラスにしっかりと密着させていく
10.端までしっかりと密着させれば完了。ちなみに隣の開閉しない三角窓も、ゴムパッキンの内側にわずかにフィルムを挟み込むという緻密な作業が必要。これもカービューティープロの技となる

 また、リアガラスやグラスルーフなど曲面のガラスの場合、フィルムを温めながらガラスと同じ曲面に立体的に成型する必要がある。平面ではないガラスに、平面のフィルムを貼ることはできず、無理に貼ればしわが生じてしまうからだ。最後も気泡やゴミを混入させず、素早く貼り付ける技術が必要となる。

グラスルーフは立体的な形状のため、ヒートガンでフィルムとガラスの曲面を成形していく
フィルムは外側から押し当てて形状を作り、内側から貼るためのサイズに印を付ける
フィルムをカットしていく
ガラスルーフの内側は貼りにいくいので今回は2名で作業
ヘラで空気と施工液をすべて押し出せば完了

 スマートフォンの画面にフィルムを貼ったことがある人なら分かってもらえると思うが、フィルム貼りに位置合わせと微細なゴミや気泡の処理は非常に面倒な作業のひとつ。その何十倍も大きなクルマのガラスをきれいに貼るにはどれだけの技術が必要か、想像してみてほしい。

密着させるために吹きかける専用の施工液

 フィルム貼りには大量の施工液をガラスやフィルムに塗布し、滑らせながら位置を合わせ、同時に気泡を入れないようにするが、内装を汚さずに貼るのもまたノウハウが必要だ。実際のプロの行程を見ると、内装を汚さないようにマスキングが上手なだけでなく、大量の施工液を使いながらも、無駄に垂らさないようにしている。この点は簡単にまねできるものではないだろう。

フィルムの選択は、法令順守などプロのノウハウが必要

 フィルム貼りに必要なのは、以上のような高度な貼付技術はもちろんだが、ユーザーに満足してもらうには、最初のフィルム選択からがはじまりとなる。

 ユーザーの使い方に応じて適したフィルムの濃度や機能は千差万別であり、車種も異なるため、まさにオーダーメイド。それを個々のユーザーに合わせて選び、提案し、納得いくまで説明できるのがプロならではの技術。

 一方で昨今の問題として法令対応の必要もある。運転席のウィンドウの透明フィルム貼りは透過率の問題があり、フィルムの選択や透過率を確認する機械なども必要となる。その結果、場合によっては施工を断らざるを得ないケースもあると言う。

多数のフィルムを取りそろえているが、サンプルで事前に確認できるから安心

 それは、貼ったあとで違反とされたり、車検に通らなかったり、さらには安全を脅かすようなことはあってはならないからだ。

 最近では衝突被害軽減ブレーキなどのセンサー類を備えたガラス面にはフィルム等を貼ることを強く禁止しているメーカーもあり、そのような場合にも施工を断る。これはエンドユーザーの安全のためでもある。

 このような対応をするためには、最新の情報を得て法令やメーカーの対応に熟知している必要があるが、カービューティープロなら最新情報を網羅しているので、フィルム選びも法規対応も安心してオーダーできる。

 ちなみに、ウィンドウに貼るフィルムではないが、先進安全装置のあるクルマの場合、センサーが備えられたバンパーの脱着などの整備については、自動車特定整備制度が導入されるなど法令が変わってきている。カーラッピングやクルマの修理のときに注意することだが、ラッピングも行なうカービューティープロではそういった情報も提供。法令対応、安全などを満たしたうえで、ユーザーの要望を最大限実現する。これも、カービューティープロの技術とノウハウと言えよう。

カービューティープロ スクールで熟練の技を取得

 全国のカービューティープロにおいて、このような高品質のフィルム貼りサービスが受けられるのには訳がある。それは、カービューティープロ スクールの存在だ。

カービューティープロ スクールでは実技だけでなく座学も多い

 コースはクルマを徹底的に美しく仕上げる「カービューティーコース」、今回の「カーフィルムコース」、クルマにオリジナルのスタイルを提供する「カーラッピングコース」、そして「ウィンドリペアコース」がある。

 それぞれに時間をかけて技術習得を行ない、カービューティープロの看板があるところでは、高い技術でのサービスを受けられるようにしている。

磨きの際、コーナー部分はマスキングして作業を進める

 カービューティープロの技術の高さは、モーターショーに代表されるようなクルマの展示会等において、プレミアムブランドからもクルマをよりきれいに輝かせるメンテナンスを依頼されていることが何よりの証。大きなショーでは数百台の依頼を受けることもある。周辺店舗からもスクール卒業生が応援として参加し、カービューティープロの高い技術でショーを支えているのだ。

フロントグリル部分を洗浄中。講師はカービューティープロの森山友寛氏で、受講生の真剣な表情が見られる。一見、普通に洗っているようにも見えるが、クルマが傷つかないよう細かい所作まで考え抜かれた動きをしている
左奥側が磨く前でとても細かい傷が肉眼でも確認できるほど。右手前が磨いた後で、傷はきれいに消えている

 そして、前述のようにフィルム選びとクルマに合わせた法規対応といったようなことも、カービューティープロ スクールで学べる。安全で車検も問題ないフィルム貼りを支えているのは、カービューティープロ スクールだと言っても過言ではないだろう。

施工技術のほか、保険対応などのサポートも充実

 スクールの特徴である施工技術以外の講習も充実している。例えば、最近ではクルマの価値としてボディコーティングやフィルム、ラッピングも認められ、事故時の保険の補償対象となることもある。

 カービューティープロでは保険修理の際のサポートも講習項目にあり、事故にあったクルマのボディコーティングやフィルムなどが保険で補償されやすくする体制を整えている。保険会社との交渉は本部もサポートすることがあり、こうしたサポート体制はカービューティープロ スクールを経て開業したPROファミリーのものだが、カービューティープロに依頼するエンドユーザーにとってもメリットが大きいと言えよう。

スクール卒業後のサポートも充実、エンドユーザーにもメリット

 カービューティープロを卒業したあとも、サポート体制は充実している。卒業後3か月間の無料補講制度があり、開業前の技術確認などにも活用できる。例えばカービューティーコースなら14日間の講習を受けて合格者に「カービューティープロ認定盾」が渡されるが、そこで講師や同時期に受けた受講生たちの信頼関係が生まれ、開業するうえで細かな問題も解決できる体制が整えられている。

 また、営業に関するサポートとして、作業中に顧客のクルマを傷つけてしまった場合の保険も用意している。補償があることでエンドユーザーも安心してサービスを受けられることにもつながる。この保険はカービューティープロ スクールの卒業生であるPROファミリー限定の保険。技術を習得した人だけが加入できるため、保険料も割安に設定され、しかも年々下がっていると言う。保険料が下がるのは保険を適用するようなトラブルが少ない証拠でもあり、カービューティープロ卒業生全体で積み上げてきた大きな実績であり、作業を依頼するうえでの何よりも安心感と言えるだろう。

異業種から参入も多く、年代層もさまざま

カービューティープロスクールは、今年で開校40周年を迎える老舗カーディテイリングサービス企業。スクールに関することは瀧澤修氏(左)と相原優衣氏(右)が窓口になってくれる

 なお、カービューティープロ スクールの受講生は出身業種もさまざま。自動車業界に身を置いて、ボディコートやフィルム貼りなどに進出するほか、全くの異業種からの参入もあると言う。受講生の年代もさまざまで、若い世代からベテラン層まで幅広い。

 今回、取材時にカービューティーコースを受講していた受講生は、もともと自動車とは別の業界から参入を決意した人。卒業後の開業準備も進めており、今回の受講では、「自らの技量を確認でき、作業注意点や技術習得のポイントが明確になっていった」と言う。そのうえで、「クルマの傷がとれて美しくなっていくうれしさを実感中」とのことだ。また、カービューティープロを選んだ理由は、「業界で老舗となるブランドと、前述のように施工技術にとどまらず、ユーザーを満足させる仕組みをトータルで学べること」が理由だとしている。

 カービューティープロのスクールは、これまで東京の本社のみで開講していたが、新たに福岡と仙台にも受講場所を開設。交通費や宿泊費が節約でき、より受講しやすい体制を構築している。

カービューティープロスクール開校40周年記念ロゴ

Photo:堤晋一