【東京モーターショー2011
ポルシェ、第7世代に進化を遂げた新型911カレラをジャパンプレミア


ドイツメーカーらしく、展示車はシルバーばかりというポルシェブース

会期:11月30日~12月11日(一般公開日:12月3日~11日)
会場:東京ビッグサイト



 前回の東京モーターショーは不参加だったポルシェだが、復活したポルシェブースには大きなプレゼントが用意されていた。さらなる進化によってスポーツカーとしての戦闘力を大きく飛躍させた、新型ポルシェ 911をジャパンプレミアしたのだ。

 プレスブリーフィングで登壇した、ポルシェAGで研究開発を担当するヴォルフガング・ハッツ副社長は、開発に携わった新型911を「ユニークなデザインの911カレラ」と表現。1964年にフェルナンド・アレクサンダー・ポルシェによって生み出されたベーシックシェイプを有機的に進化させたものだから、というのがその理由だと話す。

 また、新しい911を開発することは(ポルシェの研究開発所がある)バイザッハのエンジニアにとっても特別な機会だと語り、担当者たちはほんとうによい仕事をしたと賞賛する。カレラで350PS、カレラSで400PSまでエンジン出力を向上させたことに加え、アルミニウムとスチールを組み合わせたボディーによって、先代モデルから80kgの軽量化を果たしている。ホイールベースは100mm、フロントトレッドは40mm拡大し、高速領域での快適さと安定性が向上していると解説した。

 このほかにもさまざまな取り組みによって、ニュルブルクリンク・北コースを7分40秒で走り抜け、静止状態から100km/hまでの加速時間は3.9秒を達成。そのうえで、エントリーモデルの911カレラでは、燃料消費量を16%低減させている。これを受けてハッツ副社長は、新型911を「より高い性能と効率を持ち、より強いエモーションを持っており、史上最高で最も美しい911となっているのです」と評価している。

モデル991と呼ばれる7代目911ヴォルフガング・ハッツ副社長ポルシェ ジャパンの黒坂 登志明 社長(写真中央)

 また、ハッツ副社長の後を受けたポルシェ ジャパンの黒坂 登志明 社長は、新型911のカレラ、カレラSの予約受注を11月10日に開始して20日あまりで200人ほどのユーザーから予約が入っていることを紹介。実際にクルマを見ていないのにこれほどの注文が入る理由について、ポルシェのモータースポーツ活動が大成功を収めていることを指摘。1963年に開催された第1回日本グランプリにポルシェ356がエントリーしたこと、さらにカレラカップジャパンが来年で12年目のシーズンを迎えることなど、積極的なレース活動への参加が、日本での911人気を支えていると解説した。

911カレラS
インテリアスカッフプレート
タイヤサイズはフロントが245/35ZR20、リヤが295/30ZR20リアまわり

 ポルシェブースでは新型911に加え、ポルシェの4ドアスポーツモデルパナメーラの追加モデルであるパナメーラGTSのアンベールも行われた。このパナメーラGTSについてハッツ副社長は、「日常的に使用でき、かつサーキット走行も楽しめるグランツーリスモ」であり、妥協のないスポーツカーを求める熱狂的なポルシェファンのために開発されたクルマだと表現している。

パナメーラGTS

 このほかにブース内にはケイマンRやボクスター、パナメーラSハイブリッド、カイエンSハイブリッドなどが展示され、ポルシェのラインアップモデルを一堂に見学できる貴重な場となっていた。

ケイマンR

パナメーラSハイブリッド

カイエンSハイブリッド

ボクスター

(佐久間 秀)
2011年 12月 2日