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独ポルシェ、2017年仕様の新型WEC参戦車「919 ハイブリッド」世界初公開
3連覇による「ハットトリックの達成に狙いを定めている」
2017年4月4日 21:51
- 2017年3月31日（現地時間）発表
独ポルシェAGは3月31日（現地時間）、今シーズンの「FIA世界耐久選手権（WEC）」に参戦する新型マシン「919 ハイブリッド」をイタリアのモンツァ・サーキットで世界初公開した。
なお、2017年シーズンのポルシェチームのドライバーラインアップは、1号車がニール・ジャニ選手（33歳 スイス）、アンドレ・ロッテラー選手（35歳 ドイツ）/ニック・タンディ選手（32歳 イギリス）の3人、2号車がティモ・ベルンハルト選手（36歳 ドイツ）、アール・バンバー選手（26歳 ニュージーランド）、ブレンドン・ハートレー選手（27歳 ニュージーランド）の3人となる。
2017年仕様の919 ハイブリッドは、サンドイッチ構造のカーボンファイバー複合材料で製造するモノコックを2016年からキャリーオーバーしつつ、そのほかとなる60～70％のコンポーネントは最適化の可能性を分析した上で新開発を実施している。
ボディコンポーネントは2017年に導入された新しい技術規定における寸法制限を反映したものとなっており、ル・マンのような高速サーキットに向けて、非常に長いストレートセクションで最高速を高めるために空気抵抗を最小限に抑えることに焦点を合わせて特別設計されたパッケージと、多くのコーナーを備えるサーキットでダウンフォースを高めて空気抵抗を補正するパッケージの2種類をエアロダイナミクスパッケージとして用意している。
サーキット専用のファインチューニングは認められているものの、2016年シーズンまでに使用できた3種類のエアロダイナミクスパッケージと比べて全般的に大きな妥協を余儀なくされるとしつつ、チーム監督のアンドレアス・ザイドル氏は「1シーズンに2つのエアロダイナミクスパッケージに制限することは経費管理としては理に適っています」と評価している。
これを受け、チームのエンジニアは空力的な変動を抑えるために車両フロントエンドの設計に注力。ザイドル氏は「2016年モデルのフロントエンドには、サーキット表面の擦れたラバーが若干蓄積しました。このラバーがクルマのバランスを崩しました。私達はこの現象を分析してボディコンポーネントを最適化しました」「新規定によるエアロダイナミクスの低減の結果、ル・マンのラップタイムが3～4秒低下することが予想されます。私達が実施したさまざまな強化がどのようにこの損失を補うかを見守る必要があります」と解説している。
パワートレーンにはこれまで同様、約500PSの出力で後輪を駆動させるV型4気筒 2.0リッターターボエンジンと、「制動エネルギー回生システム」「エグゾースト回生システム」の2種類でリチウムイオンバッテリーを充電し、この電気を使ってフロントアクスルに400PSの動力を伝える電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。このパワートレーンを制御するハイブリッドマネージメントやトラクションコントロールなどのソフトウェアのイノベーションが行なわれ、ドライビングクオリティをさらに向上させることになる。
WECでポルシェは2015年と2016年の2年連続でマニュファクチュアラー部門とドライバー部門のタイトルを獲得しており、3連覇によって「ハットトリックの達成に狙いを定めている」としている。
