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【WEC 第7戦 富士】予選はポルシェの1-2。トップと約0.2秒差のトヨタは決勝3番手スタート
LMGTEも91号車ポルシェがポールを獲得
2017年10月14日 18:18
- 2017年10月13日~15日 開催
2017 FIA 世界耐久選手権 第7戦 富士6時間耐久レース(以下WEC富士)が、10月13日~10月15日の3日間にわたって静岡県小山町の富士スピードウェイで開催されている。10月14日は、10月15日に開催される決勝レースのグリッドを決定する予選が行なわれた。
あいにくの雨が朝から降り続いた富士スピードウェイだが、お昼前には雨があがり、コースは徐々に乾いていくという状況に。14時から始まった予選は、フルウェットの状況から、ダンプと呼ばれる徐々に乾いて行っている状況になっており、各チームともタイヤをフルウェットとインターミディエイトのどちらを選択するか悩ましい状況になりつつあった。
そうした中で、総合1位、LMP1クラス1位を獲得したのはポイントリーダーの2号車 ポルシェ 919 ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー組)。2位でチームメイトの1号車 ポルシェ 919 ハイブリッド(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ組)との差はわずかに0.071秒。
地元富士スピードウェイで逆襲を狙っているトヨタ勢は、3位となった8号車 トヨタ TS050 - ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビットソン/中嶋一貴組)がトップと0.195秒差で3位。もう1台の7号車 トヨタ TS050 - ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組)は4位になった。
LMP2クラスは13号車オレカ 07 - ギブソン(マシアス・ベシェ/D・ハイネマイヤー・ハンソン/ネルソン・ピケ Jr.組)、LMGTE Proクラスは91号車 ポルシェ 911 RSR(リヒャルト・リエツ/フレデリック・マコヴィッキィ組)、LMGTE Amクラスは61号車 フェラーリ 488 GTE(ウェン サン モク/澤圭太/マット・グリフィン組)がそれぞれポールポジションを獲得した。
激戦が続くLMGTE Proクラスはランキング4位の91号車 ポルシェ 911 RSRがポールを獲得
本来、予選は14時30分からLMGTEクラスが、15時からLMPクラスが行なわれる予定になっていたが、LMPクラスが行なわれる15時から強い雨になると予報がでていたこともあり、時間がそれぞれ30分早められて行なわれた。気温は14度と、この時期の富士スピードウェイとしては寒い部類のレースになり、各チームともタイヤを温めるのに苦労している様子がうかがわれた。なお、ル・マン24時間レースを除くWECの予選は、2人のドライバーが走りその平均で決まるという独特のルールが採用されており、今回のレースでもそのルールで予選が行なわれている。
アストンマーチン、フェラーリ、フォード、ポルシェの4つのワークスが参戦しているLMGTE Proクラスは、フォードとフェラーリが次々と順位を入れ替える激しい予選となった。トップを争ったのは、91号車 ポルシェ 911 RSR(リヒャルト・リエツ/フレデリック・マコヴィッキィ組)と67号車 フォードGT(アンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル組)の2台で、時間帯によりトップを入れ替え、ポールを争った。
だが、最終的にポールポジションを獲得したのは、91号車 ポルシェ 911 RSR。2人ともに1分47秒台というハイレベルのタイムを並べることに成功した91号車 ポルシェ 911 RSRは、前戦まででトップから11点差のランキング4位になっており、逆転タイトルに向けていい位置につけたと言える。2位は現在ランキングトップの67号車 フォードGT、3位は66号車 フォードGT(ステファン・ミュッケ/オリビエ・プラ組)となった。
LMGTE Amは日本人ドライバー澤圭太選手のチームとなるクリアウォーターレーシングの61号車 フェラーリ 488 GTE(ウェン サン モク/澤圭太/マット・グリフィン組)がポールポジションを獲得した。
LMGTEクラス結果(暫定)
総合順位 | クラス | クラス順位 | 車番 | 車両 | ドライバー | タイヤ | 平均タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | LMGTE Pro | 1位 | 91 | ポルシェ 911 RSR | リヒャルト・リエツ/フレデリック・マコヴィッキィ | MI | 1分47秒577 |
2位 | LMGTE Pro | 2位 | 67 | フォードGT | アンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル | MI | 1分48秒018 |
3位 | LMGTE Pro | 3位 | 66 | フォードGT | テファン・ミュッケ/オリビエ・プラ組 | MI | 1分48秒139 |
4位 | LMGTE Pro | 4位 | 71 | フェラーリ 488 GTE | ダビデ・リゴン/サム・バード | MI | 1分48秒195 |
5位 | LMGTE Pro | 5位 | 92 | ポルシェ 911 RSR | マイケル・クリステンセン/ケビン・エストレ | MI | 1分48秒265 |
6位 | LMGTE Pro | 6位 | 95 | アストンマーティン ヴァンテージ | ニッキ・ティーム/マルコ・ソーレンセン | DL | 1分48秒578 |
7位 | LMGTE Pro | 7位 | 51 | フェラーリ 488 GTE | ジェームス・カラド/A.ピエール・グイディ | MI | 1分48秒702 |
8位 | LMGTE Pro | 8位 | 97 | アストンマーティン ヴァンテージ | ダレン・ターナー/ジョナサン・アダム | DL | 1分49秒125 |
9位 | LMGTE Am | 1位 | 61 | フェラーリ 488 GTE | ウェン サン モク/澤圭太/マット・グリフィン組 | MI | 1分49秒408 |
僅差になったLMP1クラスはポイントリーダー2号車 ポルシェ 919 ハイブリッドがポールを獲得
14時30分からは、LMP1-HとLMP2のLMPクラス車両による予選が行なわれた。LMGTEクラスの予選から再び降り始めた雨が、予選をどのような影響を与えるのかが注目を集めたが、結局セッション中に雨が強くなることはなく、路面はやや濡れているという状態で最後まで維持されることになった。
LMP1-Hクラスで優位に予選を進めたのは、2台のポルシェだ。ポイントリーダーの2号車 ポルシェ 919 ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー組)が、チームメイトの1号車 ポルシェ 919 ハイブリッド(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ組)をリードして、ポールポジションを獲得した。2位はチームメイトの1号車 ポルシェ 919 ハイブリッドが獲得し、今シーズンでLMP1-Hから撤退するポルシェが最後のWEC富士で見事に1-2を獲得した。
2台のトヨタ勢は8号車 トヨタ TS050 - ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビットソン/中嶋 一貴組)が3位となり、7号車 トヨタ TS050 - ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林 可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組)が4位となった。しかし、3位のトヨタ8号車と2位ポルシェ1号車の差は約0.12秒となっており、順位的にはポルシェ、ポルシェ、トヨタ、トヨタだが、上位三台の差は無いに等しく、明日の決勝レースでは熾烈な争いを見ることができそうだ。
LMP2はレベリオンチームの13号車オレカ 07 - ギブソン(マシアス・ベシェ/D・ハイネマイヤー・ハンソン/ネルソン・ピケ Jr.組)がポールを獲得した。2位も同じくレベリオンチームの31号車オレカ 07 - ギブソン(ジュリアン・キャナル/ニコラ・プロスト/ブルーノ・セナ組)となっている。ポイントリーダーの38号車 ジャッキー・チェンDCレーシングのオレカ 07 - ギブソン(ホーピン・タン/オリバー・ジャービス/トーマス・ローラン組)は3位となった。
LMPクラスの結果
総合順位 | クラス | クラス順位 | 車番 | 車両 | ドライバー | タイヤ | 平均タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | LMP1 | 1位 | 2 | ポルシェ 919 ハイブリッド | ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー | MI | 1分35秒160 |
2位 | LMP1 | 2位 | 1 | ポルシェ 919 ハイブリッド | ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ | MI | 1分35秒231 |
3位 | LMP1 | 3位 | 8 | トヨタ TS050 - ハイブリッド | セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビットソン/中嶋 一貴 | MI | 1分35秒355 |
4位 | LMP1 | 4位 | 7 | トヨタ TS050 - ハイブリッド | マイク・コンウェイ/小林 可夢偉/ホセ・マリア・ロペス | MI | 1分36秒630 |
5位 | LMP2 | 1位 | 13 | オレカ 07 - ギブソン | シアス・ベシェ/D・ハイネマイヤー・ハンソン/ネルソン・ピケ Jr. | DL | 1分44秒196 |
6位 | LMP2 | 2位 | 31 | オレカ 07 - ギブソン | ジュリアン・キャナル/ニコラ・プロスト/ブルーノ・セナ | DL | 1分44秒925 |
7位 | LMP2 | 3位 | 38 | オレカ 07 - ギブソン | ホーピン・タン/オリバー・ジャービス/トーマス・ローラン | DL | 1分45秒078 |
各ドライバーともに、明日の天候次第で明日のレースも激しい競争になると予想
レース後には各クラスのポールポジションクルーによる記者会見が行なわれ、予選を走った2人のドライバーがそれぞれ今日の予選を振り返った。
総合・LMP1ポールの2号車 ポルシェ 919 ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー組)
アール・バンバー選手:タフなセッションだった。ウェットの状況はどんどん変わっていくし、新しいタイヤを入れたらオーバステアになってしまった。2位との差はとても小さな差だったけど、ブレンダンが頑張ってくれた。
ブレンダン・ハートレー選手:コンディションはすごく難しかったよ。差は小さくて、1号車のクルーもとてもいいドライブをしていたから、ポールが獲れて嬉しかった。予選の最後の方ではセバスチャン・ブエミ選手がとても速く見えたので、どうなるかと心配していたけどポールが取れて良かった。明日のレースもタフなレースになると予想している。
LMGTE Proクラスポールの91号車 ポルシェ 911 RSR(リヒャルト・リエツ/フレデリック・マコヴィッキィ組)
フレデリック・マコヴィッキィ選手:簡単では無かったが、チームが本当によい仕事をしてくれた、それに尽きるよ。第二の故郷だと思っている日本でポールが獲れて嬉しい。
リヒャルト・リエツ選手:チャンピオンシップの争いは続いているし、フレッドがすごくいい仕事をしてくれた。明日のレースも難しいコンディションになると思うけど、大雨では無いことを祈っているよ。
LMP2クラスポールの13号車オレカ 07 - ギブソン(マシアス・ベシェ/D・ハイネマイヤー・ハンソン/ネルソン・ピケ Jr.組)
ネルソン・ピケ Jr.選手:プラクティスで選択したセッティングがよくて、やや湿っているという今日の路面にぴったりあっていた。チームメイトが本当によい仕事をしてくれたのでそれに感謝したい。
D・ハイネマイヤー・ハンソン選手:雨はあまり降っていなかったけど、コンディションは大変だった。そうしたウェット状況の中で、車は決まっていて、WECでポールを獲れて嬉しい。