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ポルシェ、トヨタと共同でル・マンへ向けたトークイベント

ポルシェ「919ハイブリッド」、トヨタ「TS050 ハイブリッド」を並べて展示

2017年6月13日 開催

同じ「ル・マン24時間レース」に参戦するポルシェとトヨタ自動車。メーカーの垣根を越えたトークイベントが開催された

 ポルシェ ジャパンは6月18日に、東京 銀座でル・マン24時間レースのパブリックビューイングイベントを行なう。それに先立ち、6月13日に東京 赤坂の東京ミッドタウン アトリウムにて「ル・マン24時間レース直前、ポルシェとトヨタがエールを交換 ハイブリッド、EVの未来を語る」と題されたトークイベントが開催された。

ポルシェ ジャパン株式会社 代表取締役社長 七五三木敏幸氏

 今年のル・マン参戦マシン、ポルシェ「919ハイブリッド」、トヨタ自動車「TS050 ハイブリッド」が展示された会場で行なわれたイベントの冒頭で、ポルシェ ジャパン 代表取締役社長 七五三木敏幸氏は「ル・マン史上最多18度の総合優勝を成し遂げているポルシェにとって、本社を置くドイツ・シュトゥットガルト同様にル・マンはホームグラウンドと呼ぶべき場所である」と語り、同社にとってのル・マンの重要性を強調した。また、1980年代以降のル・マンは効率性能が必要不可欠なレースであり、徹底的な高効率を追求してきたことがル・マンでのポルシェの強さの大きな理由だと説明した。

 説明後、2016年はフィニッシュまで残りわずか3分を残してコース上にストップしてしまい、勝利を逃したトヨタのGazoo Racing Marketing Director 北澤重久氏をゲストに迎え、七五三木氏と昨年のル・マンについて、そしてモータースポーツについて語り合った。

Gazoo Racing Company Marketing Director 北澤重久氏

北澤氏:「昨年のル・マン24時間レースは、耐久レースの残酷さを思い知ったレースでした。と、同時に、ポルシェさんは自動車会社として乗り越えたい大先輩なんだなぁと実感するとともに、その壁は厚かったと思いました」。

七五三木氏:「ル・マンの3日後、ポルシェ社内でのトップマネージメントミーティングで流されたル・マン報告のビデオに“真の王者はトヨタだ”というシーンがあり、ミーティング参加者は全員立ち上がって拍手しました。(あのレース以来)ポルシェ社内ではトヨタさんに対しリスペクト(尊敬)という思いがあります」。

北澤氏:「今聞いても鳥肌が立つくらい嬉しい話です。その後、オリバー・ブルーメ社長、ヴォルフガング・ポルシェ会長より豊田章夫社長宛てに手紙をいただきまして、そこでもトヨタに対する賞賛の言葉をいただきました。勝負には残念ながら敗れてしまいましたが、大先輩であるポルシェさんにライバルとして認めていただけたのが2016年の戦いだったのだなぁ、と思います」。

ル・マンについて、そしてモータースポーツについて語り合う七五三木氏と北澤氏

七五三木氏:「私どもは日本で活動する“ポルシェ ジャパン”という会社ですので、昨年のル・マンでの戦いであったり、富士でのWECであったり、トヨタさんが日本のトップカンパニーとして活動されている色々な事に恩恵を受けているんですよ。そういった意味では、お互いに日本での活動を盛り上げていきたいと思っています」。

北澤氏:「サーキットの場では戦う相手ですが、この素晴らしいレースを多くの人に見ていただきたいという思いは一緒だと思います。だからこそ、こういう場に呼んでいただけて、トヨタのクルマも置いていただけていると思います。また、トヨタのモータースポーツ活動は、ル・マンに限らず他のレースやラリーも同じですが、レースの厳しい場で技術や技能が育まれていって、それがお客様にお届けするクルマにつながっていく、そこの考えもまったく一緒だと思います。2015年のWECの戦いでは悔しい思いをしたので、それを挽回すべく2016年のマシンには、その先に投じる予定だった技術を全て前倒しで投入しました。技術陣が力を出し尽くしたのが昨年のクルマだったと思いますが、あのような結果でした。でも昨年の悔しさがあってこそ、また新しい知恵が色々と出てくるんですね。それがモータースポーツで技術が高まるということだと思います」。

七五三木氏:「ポルシェとしても、レースから、そしてよきライバルから学ぶことで実りの多いのがル・マンというレースです。これからも是非参戦していきたいと思っていますので、是非トヨタさんもお願いします」。

北澤氏:「はい。こういう場を通じてお互いにもっといいクルマを作っていけるようなライバルであり続けられたらなぁ、と思います」。

それぞれの参戦車両の横に座り、トークを行なった

 今シーズンのトヨタはWEC第1戦、第2戦を制したこともあり、チームの雰囲気はとてもよく、その流れでル・マン入りしているというが、長丁場のル・マンでは何が起こるのか分からないということは昨年痛いほど感じているとのこと。一方、王者ゆえに勝ち続ける難しさを知っているポルシェも、3連覇に向けて全ての力を注いでいるという。

 そんなル・マン24時間耐久レースは日本時間6月17日22時にスタートし、18日22時にフィニッシュを迎える。フィニッシュ当日の12時から23時まで銀座で行なわれるパブリックビューイングで両者の戦いぶりを堪能するのもよいだろう。

開催概要

「ポルシェ ル・マン24時間パブリックビューイング」
日程:2017年6月18日
開催時間:12時~23時
会場:G735 Gallery(東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル1階)

2017年 ル・マン24時間レース参戦車両「ポルシェ 919ハイブリッド」
2017年ル・マン24時間レース参戦車両「トヨタ TS050 ハイブリッド」
会場にはポルシェ「カイエンS e-hybrid Platium Edition」も展示された