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ルノー、「メガーヌ ルノー・スポール 273」の最後を飾る限定車「ファイナルエディション」「パックスポール」発表会

2017年3月6日 開催

ファイナルエディション:399万円(200台限定)

パックスポール:419万円(20台限定)

“FF市販車最速記録”を2度更新した3代目「メガーヌ ルノー・スポール」の最終限定車「ファイナルエディション」(左)と「パックスポール」(右)

 ルノー・ジャポンは4月6日、「メガーヌ ルノー・スポール」の特別仕様車「メガーヌ ルノー・スポール 273 ファイナルエディション」と、限定車「メガーヌ ルノー・スポール 273 パックスポール」を発売。同日に都内でこの2モデルの報道向け撮影会・説明会を実施した。

 メガーヌ ルノー・スポールは2010年から日本市場に導入され、独ニュルブルクリンクにおける「FF市販車最速記録」を2度に渡り更新するなどの実績を持つ本格スポーツモデル。現行車両は2016年に生産が終了になっており、今回発売された2モデルは生産終了を記念する限定車となっている。

 20台限定で発売されるメガーヌ ルノー・スポール 273 パックスポールは、走行性能とスピード向上にいっそうの磨きを掛けるため、フランス本国のルノー・スポールとルノー・ジャポンが厳選したパーツを組み込んだモデルとなっている。価格は419万円。

メガーヌ ルノー・スポール273 パックスポールの販売台数は全国20台限定で、抽選による販売となる。価格は419万円
こちらは全国限定200台のメガーヌ ルノー・スポール 273 ファイナルエディション。価格は399万円
メガーヌ ルノー・スポール 273 パックスポール。ボディカラーはジョン シリウスM
パックスポールに採用される装備は、主に軽量化を狙ったもの

 パックスポールに採用されている装備は、まずマルケジーニデザインの軽量鍛造アロイホイール。これは世界的に著名なレーシング&スポーツホイール設計者のロベルト・マルケジーニ氏が、日本のユーザーのためだけにデザインしたもの。ルックスのよさだけでなく、ホイール1本あたりの重量がノーマルホイールと比べて約3.3kgも軽量になっているところも特徴だ。

マルケジーニデザインの軽量鍛造アロイホイール。リムにマルケジーニデザインの刻印が入る。タイヤはミシュラン パイロットスポーツ(前後とも235/45 ZR18)を履く

 次にマフラー。こちらはスポーツバイクやスーパーカー、モータースポーツなどの世界で優れたマフラーを作るメーカーとしておなじみとなっている「アクラポヴィッチ」製のチタンマフラーを装着する。このマフラーはセンターパイプからテールまでがチタン製に交換されるので、ノーマルマフラーに対して約4kgの軽量化を実現している。あとはボディサイドにシルバーサイドデカールが貼られ、ルノー・スポールのトップガンテストドライバーであるロラン・ウルゴン氏のサインが入ったシリアルナンバープレートがセンターコンソールに装着される。

 全国限定20台が抽選によって販売され、申し込みを4月6日~17日の期間にルノー・ジャポンWebサイトの製品紹介内にある申し込みフォームで受け付けている。ボディカラーはジョン シリウスMとルージュフラムMの2色を用意。ジョン シリウスMは15万6600円高の有料色で、レザーシート仕様は10万円高となる。

アクラポヴィッチは2輪、4輪のスポーツカスタムやモータースポーツの世界で有名なマフラーメーカー。カーボンのテールパイプトリムにアクラポヴィッチのロゴが入る。センターパイプからテールまでをチタン製にすることで4kgの軽量化を実現している
標準モデルとの外観上の違いはボディサイドにシルバーサイドデカールが入ること。レーシーなデザインになっている
室内もレーシー。シートはレカロ製のリクライニング機構付きバケットシート。シートベルトの色は赤となっている
ステアリングはシルバーのセンターポイントステッチ入り
ルノー・スポールのトップガンテストドライバーであるロラン・ウルゴン氏のサインが入ったシリアルナンバープレート
メーターまわりや「R.S.モニター」は標準仕様のメガーヌ ルノー・スポールと同様
エアコン、オーディオなどにも変更はない
スターターボタンはセンターコンソールに設定
ダッシュパネル右側には光軸調整ダイヤルや「R.S.ダイナミックマネジメント」のスイッチ、アイドリングストップのスイッチなどがある
ドア内張もカーボン調でレーシーな雰囲気。珍しい装備としてはドア下部に小さいキャッチが付いているところ
トランスミッションは6速MTのみを設定
ペダル配置も操作性を重視
助手席もレカロ製のリクライニング機構付きバケットシートを装備。ダッシュパネルにはルノー・スポールのロゴが入る。フロアマットにもルノー・スポールのロゴがある
エンジンは直列4気筒DOHC 2.0リッターターボで最高出力は273PS/5500rpm、最大トルクは360Nm/3000rpm。ライバルと比べてアンダーパワーだが、サーキット走行にマッチする特性にしてあるので、エンジンの性能を効率よく生かせるとのこと
サスペンションは標準モデルと同様のダブルアクスルストラット。ブレーキもブレンボ製のモノブロックキャリパーとブレンボ製の340φローター。リアはTRW製モノピストンキャリパーと、ブレンボ製290φローターの組み合わせ。LSDも標準装備

 続いては全国限定200台のメガーヌ ルノー・スポール 273 ファイナルエディションについて。こちらもベース車はFF市販車最速記録を持つメガーヌ ルノー・スポール 273。限定車としての仕様は、ボディサイドに貼られるシルバーサイドデカールと、パックスポール同様のロラン・ウルゴン氏のサインが入ったシリアルナンバープレートの装着。

 パックスポールに比べるとシンプルな仕様だが、メガーヌ ルノー・スポール 273はそのパワーもさることながら、走行用電子制御に頼らない究極のメカニカル技術で世界最速の座を勝ち取ったクルマだ。そんなクルマが新車で購入できる最後のチャンスなので、こちらも200台が完売すると予想されている。ちなみに、次期メガーヌ ルノー・スポールは最新の電子制御を搭載すると言われているので、ドライバーが操るという点を重視したい人にとっては、パックスポール、ファイナルエディションともにかなり注目のクルマと言えるだろう。

メガーヌ ルノー・スポール 273 ファイナルエディション。ボディカラーはルージュフラムM。この色はパックスポールにも設定されている
ファイナルエディションにもルノー・スポールのトップガンテストドライバーであるロラン・ウルゴン氏のサインが入ったシリアルナンバープレートが貼られている
ホイールは18インチマットブラックアロイホイールが設定されている。タイヤはミシュランのパイロットスポーツ 235/45 ZR18
シートはパックスポール、ファイナルエディションともに同じ。右ショルダーにあるボタンを押すとシートバックが前方に倒れてリアシートにアクセスできる
リアシートは標準仕様ではファブリックだが、オプションでレザー仕様も選べる
フロントシートはフルバケットに近い形状でサポート性は非常にいい。シートの前後スライドはもちろん、背もたれの角度も無段階で調整可能。座面位置の調整もできる
ステアリングはチルト機構付き
ファイナルエディションのフロアマットはR.S.ロゴ入り
パックスポール、ファイナルエディションともにスポーツカーながらトランクが広いのも特徴。リアシートは座面を起こすことでほぼフラットにできる
ラゲッジフロアにはチャイルドシート固定用のティザーアンカーもある。フロアボードをめくるとパンク修理キットが収納されていた
ファイナルエディションの販売台数は200台限定で価格は399万円。こちらは抽選ではない。ボディカラーはジョン シリウスM、ブラン ナクレM、ルージュ フラムM、ノワール エトワールMの4色。このうちジョン シリウスMは15万6000円高、ブラン ナクレMは2万1000円高となる。レザーシート仕様も10万円高で用意される
ルノー・スポールの歴史についても紹介された。当初はゴルディーニやアルピーヌと提携してラリーに参戦していたが、1976年からはルノー・スポールとしてF1参戦を始めた
2016年には組織改編。ルノー・スポールはルノー・スポールレーシングと一般市販車のあいだをつなぐブランドとのこと。ルノー・スポールが手がけた歴代モデルも紹介された
現行メガーヌ ルノー・スポールのセールスデータ。販売実施国のうち、日本は2014年は世界で5位。2015年は4位、2016年に5位だったが、パックスポールとファイナルエディションをフランスに次ぐ台数を導入した2017年は世界で1位になっている
ルノー・スポールにはスペシャリストディーラという制度がある。セールス、メカニックともに専用のトレーニングを受け、なおかつ展示車、試乗車などについても規定があり、毎年ルノー・スポールの担当者からチェックを受けることで認定される。世界のスペシャリストディーラは全360店舗だが、日本には25店舗もあるとのこと
歴代メガーヌ ルノー・スポールとニュルブルクリンクのラップタイム
2013年には日本の鈴鹿サーキットでもタイムアタックを実施。メガーヌ ルノー・スポールの開発時はサーキット、ストリートともにテストドライバーとエンジニアがペアで乗ることが基本。ドライバーは走行で感じたことをすべて同乗するエンジニアに語り、それをエンジニアが記録する。そのあと、エンジニア自身がステアリングを握って同じコースを走行し、テストドライバーが言ったことをエンジニアが感じるか、というテストを行っている
“次期メガーヌ ルノー・スポール”の導入時期は不明だが、2017年にはないという