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軽自動車「S660」に「ラグビーワールドカップ2019特別仕様ナンバープレート」の白色ナンバーを装着してみた
軽自動車が白色ナンバープレートに
2017年7月31日 14:17
「GT-R」と「S660」という国産スポーツカー大小2台体制のカーライフを送り続けて早1年。最初のうちは均等に乗っていたが、最近はS660の利用頻度の方が圧倒的に多くなってしまった。というのも、都内での取材仕事ではS660一択になりつつあるためだ。
やはり小さいことが便利。都内の路地は狭いところも多いし、S660は取りまわしが楽だ。そして都内の駐車場は一部の例外を除けば狭い場所が多く、特にフラップがせり上がるタイプの時間貸し駐車場は、大きいクーペ車を止めるとドアを開けて外に出ることすら難しいこともある。S660は、車高が1180mmでかなり低いのだが、最低地上高は125mmあるので「顎スリ」をしたことはまだない。
S660は軽自動車なのであまり速くはないのだが、筆者は6速MT車を選択したので運転自体はかなり楽しい。万人が指摘する「S660はトランクスペース(ラゲージスペース)がない」という欠点は認めざるを得ないが、助手席を「荷物を置くスペース」と認識を改めれば問題なし(笑)。最近は、乗用車というか「屋根付きの4輪バイク」と考えるようになったので、開き直った楽しいカーライフを送れている。
今回は、そんな軽自動車S660に施した、ある「おもしろカスタム」にまつわる話題である。
軽自動車なのに白ナンバーの謎
今年の春くらいから、地元埼玉の通りで白色のナンバープレートの軽自動車を見かけるようになった。
最初は「なんらかの改造車なのかなぁ」と思っていただけだったのだが、あまりにもノーマル然とした車両まで白ナンバーだったので、ちょいと調べて見たら、「ラグビーワールドカップ2019特別仕様ナンバープレート」であった。Car Watchの記事によると、国土交通省がラグビーワールドカップ2019が日本国内12都市で行なわれることを記念して発行する特別仕様ナンバープレートらしい。
たしかにこの記事は見ていたのだが、見本が「普通登録車風の白色ナンバープレートにワールドカップ図柄の入ったもの」になっているので、軽自動車版は「黄色に図柄が入るもの」と勝手に思い込んでいたのだが、違ったのだ。
軽自動車ユーザーも、このラグビーワールドカップ図柄ナンバープレートに申し込むと「普通登録車風の白色ナンバープレートにワールドカップ図柄の入ったもの」に交換できるのである。「謎の白ナンバー軽自動車」の正体はこれだったのだ。
申し込みには車検証を準備しよう。申し込み/入金から1週間で交付された
このラグビーワールドカップ図柄ナンバープレートは、これから納車されるクルマを新規登録するユーザーだけでなく、すでに車両を所有しているユーザーも申し込める。既存のナンバープレートがある場合、書かれている記載事項(ナンバーやひらがな記号等)は、新たに交付されるラグビーワールドカップ図柄ナンバープレートにそのまま記載されることになる。
申し込める車両は、普通登録車の自家用以外に、軽自動車のほか、普通登録車の事業用も申し込める。普通登録車の事業用は通常はナンバープレートは下地が緑色だが、ラグビーワールドカップ図柄ナンバープレートにすると、緑色で縁取られた白色のものになる。
注意したいのは、黒色ナンバープレートの軽自動車の事業用の設定はないという点と、文字が発光する字光式ナンバプレートの設定はないという点だ。申し込みは専用のWebサイトから行なう。
氏名やメールアドレスなどの基本事項を入力して送信すると、正式な申し込みフォームページへのリンクを記載したメールが届くので、本格的な申し込みはそちらから行なう。ここからは住所、氏名、電話番号のほか、所有している車両の細かな情報を入力していく必要があるので、車検証を見ながらの入力となるだろう。
ポイントとなるのは、1口1000円以上となる寄付金を収めるかどうかだ。この寄付金を納めるとナンバープレートにラグビーボールのグラフィックが大きくプリントされることになり、個性的なルックスとなる。
一方で寄付金を納めなければ、ナンバープレートの右上にラグビーワールドカップ2019の小さなロゴがプリントされるだけのデザインとなる。こちらは一見しただけでは「ほぼ普通の白ナンバー」のルックスとなり、「軽自動車なのに合法的に白ナンバー」というアピールをしたい層にはおあつらえ向きな選択だ。筆者もこちらを選択した。
本番の申し込みフォームに記載して送信をすると、費用の入金の仕方と、実際のナンバープレートの受け取り方法などが記載されたメールが届く。費用の支払いは銀行からの振り込みで行なう。費用は都道府県で微妙に異なるらしい。筆者が在住している埼玉県の陸運局での費用は7100円であった。振り込みに際して筆者はオンラインバンキングを利用。オンラインバンキング利用の際には、通信欄に受付番号を付記しておくことが奨励されていたのでそのようにした。
フォームで申し込みを行なってから10日以内に入金しないと自動キャンセルされてしまうので注意したい。入金確認後は10日以内に申し込んだナンバープレートが完成するとのことだったが、筆者のケースでは1週間も経たないうちにナンバープレート完成の通知メールが届いた。
車検証情報の入力が面倒なくらいで、申し込みの難易度は低い。フォームは結構細かいので、スマートフォンでやりくりするのは少し面倒かも知れない。できればパソコンを使用した方がいいだろう。
受け取りは、所轄の陸運局の窓口で行なわれる。受け取りの際には、ナンバープレート完成のお知らせメールに記載されている、申し込み者の個人情報や車両情報の記載された「交換申請書」のページを印刷して持参する必要がある。
筆者の場合は、所有車両にもともと付いていた(黄色の)ナンバープレートとの交換だったので、プラスドライバーを持参し、陸運局の駐車場で、もともと付いていたナンバープレートを車両から取り外して交換手続きを行なった。なので当たり前だが、ドライバーも持参した方がいいだろう。
もともと付いていたナンバープレートは陸運局側に引き取られ、代わりに新しいナンバープレートが手渡されるわけだが、駐車場で、これをまた自分で取り付けることになるのは言うまでもなし。
ちなみに、このラグビーワールドカップ図柄ナンバープレートは、その会期閉幕後も使い続けられる。逆に、いつでも元に戻すこともできる(もちろん有償だが)。その際、ワールドカップ図柄ナンバープレートは、穴あきパンチで大きな穴を開けられたうえで(不正利用防止のため)、記念品として手元に所有し続けることもできるという。
ETC未対応料金所で白ナンバーの軽自動車はどう見られるか?
さて、晴れて「白ナンバー」となった軽自動車のS660だが、「ナンバープレートが白色」ということで、高速道路(自動車専用道路)の料金所で、普通自動車と間違えられてしまうことはないのか、興味が湧いてしまった。
いや、もちろんETC対応料金所ならば電子処理(コンピュータ処理)なのでなんの問題もないが、まだまだ存在する地方のETC未対応の「おじさんがなかにいる詰め所的な料金所」では、おじさんが料金を判断していそうだ。
ということで、そういう料金所を通行したらどうなるのかを確認してみることにした。
まず行ってみたのが、箱根ターンパイク。
ここで驚くべき事実を知る。箱根ターンパイクの料金所はたしかに「ETC未対応の詰め所におじさんがいるだけの料金所」なのだが、料金が普通自動車と軽自動車で同じなのだ。ガーン(笑)
かなり遠出してしまっているのでここで引き下がるわけにもいかず、そこで調べに調べてみたところ「ETC未対応の詰め所におじさんがいるだけの料金所」は箱根とか伊豆などの温泉地方面には結構あるものの、ほぼ全てが軽自動車と普通自動車の料金を同一設定しているのである。ギャフン(笑)
せっかく「このクルマってナンバープレート白色だから普通自動車だよね」みたいな質問が投げかけられることを期待して料金所を通りたいのに、料金に違いがなければそんな質問を思い浮かべもしないだろう。
ただ、さらに調べたらありました。それは伊豆中央道。ここは軽自動車が160円、普通自動車が200円で料金が微妙に違うのだ。というわけで、箱根から伊豆に移動。なんとかお目当ての料金所に到達したのであった。
そうしたら期待どおりの展開が!
「あんちゃん、これって軽自動車? 普通自動車? どっちなの?」。その後、後続車がいないことを確認し、ここまで述べてきたようなワールドカップ図柄ナンバープレートの説明を意気揚々とする筆者なのであった。
「本当に軽自動車なの?」と聞かれたときのために車検証を手元に準備していたのだが、それは不要であった。おじさんは「へー、知らなかったなぁ」の言葉と共に淡々と筆者から160円を受け取ってくれたのである。
と、まぁ、そんなわけで、まだこのラグビーワールドカップ図柄ナンバープレートの認知度は低いようである。
ちょっとまわりに「ん︖」と思わせてみたいのであれば、軽自動車ユーザーの皆様、このワールドカップ図柄ナンバープレート、お薦めです!