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日産、「ノート」をフルモデルチェンジ 全車e-POWER搭載で価格は202万9500円から

2WDモデルを12月に、4WDモデルを2021年2月にそれぞれ発売

2020年11月24日 発表

202万9500円~218万6800円(2WD)

「ノート」がフルモデルチェンジして3代目に

 日産自動車は11月24日、3代目となる新型「ノート」を発表した。2WD(FF)モデルを12月23日に、4WDモデルを2021年2月にそれぞれ発売する予定で、2WDモデルの価格は202万9500円~218万6800円とアナウンスされた。

 2代目ノートではガソリンモデル、e-POWERモデルを展開していたが、新型ノートでは全車にe-POWERを搭載。初代e-POWERのよさを引き継ぎながら、さらに軽量、コンパクト、高効率な新型システムに刷新するとともに、新プラットフォーム、360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)と合わせて全方位でブラッシュアップされた。

新型ノート価格表(2WD)
モデルエンジン駆動方式価格WLTCモード燃費
F直列3気筒DOHC 1.2リッター+EM47モーター2WD(FF)2,054,800円29.5km/L
S2,029,500円28.4km/L
X2,186,800円28.4km/L

コンパクトでスタイリッシュなボディに

新型ノートのボディサイズは4045×1695×1505mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2580mm

 新型ノートのボディサイズは4045×1695×1505mm(全長×全幅×全高。Xのみ全高は1520mm)、ホイールベースは2580mmと、2代目ノート(e-POWER X)と比べ全幅は同一ながら55mm短く、15mm低いスリーサイズに。また、ホイールベースも20mm短縮されるなど、全長を短縮したコンパクトでスタイリッシュなボディに仕上げた。

 エクステリアでは7月に公開されたEV(電気自動車)のクロスオーバー新型「アリア」で採用された、日本らしい伝統的なテイストをグローバルに通用するモダンなデザインに昇華させる「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」という新しいデザインランゲ―ジを用い、新しい日産ブランドのロゴや新型のVモーショングリルなどを採用。足下はデザイン性の高い15/16インチのホイールカバーに加え、2トーン切削の16インチアルミホイールをオプションで用意した。

 ボディカラーは「ビビットブルー/スーパーブラック」「オペラモーブ/スーパーブラック」の2トーン2色、「ホワイト」「スーパーブラック」「ピュアホワイトパール」「ブリリアントシルバー」「ダークメタルグレー」「ガーネットレッド」「オーロラフレアブルーパール」「バーガンディー」「オペラモーブ」「プレミアムホライズンオレンジ」「オリーブグリーン」のモノトーン11色をラインアップする。

ボディカラーは2トーンを2色(写真は「ビビットブルー/スーパーブラック」)、モノトーンを11色ラインアップ

 インテリアでは、コンパクトカーを感じさせないワイドなインパネ、水平で快適なロングコンソールを採用。インパネにはアリアのようにバイザーレスの2つのディスプレイが並べられ、ドライバー用のアドバンスドドライブアシストディスプレイは7インチ、ナビゲーション用はクラス最大級の9インチが用いられた。

 また、センターコンソールには大型の収納ボックスが用意されたほか、センターコンソール下にも収納スペースを設定。さらにインパネにはクローズ状態ではスマートフォンが置け、オープン状態では紙パックにも対応する大容量のリトラクタブルインパネカップホルダーを用意するなど、収納に見えないスタイリッシュなデザインが与えられている。

 シートはF/Sグレードがカーボン調加飾が与えられるファブリックシート、Xグレードがカーボン調加飾にグラデーションが与えられるファブリックシートとなり、Xグレードではオプションでフルグロスブラック加飾に本革キルティングシートを組み合わせた高級感のあるものを用意。後席スペース(ニールーム/ヘッドルーム)については2代目ノートよりもスペースは減少するものの、クラストップを維持したとのこと。加えて新たに後席用のリクライニング機能が追加されている。

新型ノートのインパネには、アリアのようにバイザーレスの2つのディスプレイが並べられる
新型ノートの室内サイズは2030×1445×1240mm(室内長×室内幅×室内高)
モニターサイズはアドバンスドドライブアシストディスプレイが7インチ、ナビゲーション用がクラス最大級の9インチ
センターコンソールには大型の収納ボックスが用意されたほか、センターコンソール下にも収納スペースを設定

全車e-POWER搭載

 パワートレーンについては、新型ノートでは全車に新システムを用いたe-POWERを搭載。

 従来では最高出力58kW(79PS)/5400rpm、最大トルク103Nm(10.5kgfm)/3600-5200rpmの直列3気筒DOHC 1.2リッター「HR12DE」型エンジンに最高出力 80kW(109PS)/3008-10000rpm、最大トルク254Nm(25.9kgfm)/0-3008rpmの「EM57」型モーターを組み合わせていたが、新型ノートではエンジンの最高出力が60kW(82PS)/6000rpmに引き上げられた(最大トルク値は同じ)。また、モーターは「EM47」型となり、こちらは最高出力85kW(116PS)/2900-10341rpm、最大トルク280Nm(28.6kgfm)/0-2900rpmを発生と、出力で約6%、トルクで約10%高められた。

 また、4WDモデルについても後輪用モーターが進化しており、従来の「N2」型モーターは最高出力3.5kW(4.8PS)/4000rpm、最大トルク15Nm(15kgfm)/1200rpmだったところ、最高出力が50kWまで引き上げられるとともに、全車速域で4輪で駆動し、後輪の回生制御も追加されたことがトピックの1つになっている。

 ドライブモードは「SPORT」「ECO」「NORMAL」の3種類。SPORTモードでは力強い加速が体感できるほか、SPORTとECOの両モードにクリープを設定し、駐車場などでの速度調整をしやすくした。

ドライブモードは「SPORT」「ECO」「NORMAL」の3種類で、EVスイッチも用意。シフトデバイスはコンパクトなものに新調

 そのほか、新型ノートでは路面状況に応じて発電制御を行なうという世界初の技術を投入。これは路面状態と車速の情報をもとに、ロードノイズが大きい荒れた路面ではエンジンを積極的にONにして発電を行なうというもので、逆になめらかな路面では発電頻度を下げて車内の静粛性を保つという。

路面状況に応じて発電制御を行なうという世界初の技術を採用

 また、新型SUV「キックス」でも採用される充電量に応じた発電制御を行なう。これまでのe-POWERは充電量を重視していたため、できる限りバッテリー残量を残すことに主眼を置いていた。そのため、低速域でもバッテリー残量が減った場合、エンジンを始動し充電させていたが、新型ノートではバッテリー残量が一定以上ある場合は極力発電しないようなセッティングになっている。

クラストップの運転支援装備

国内で販売される日産車で初のナビリンク機能付き「プロパイロット」を採用

 新型ノートでは国内で販売される日産車で初となるナビリンク機能付き「プロパイロット」をはじめ、「アダプティブLEDヘッドライトシステム」「インテリジェントDA(ふらつき警報)」「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」「BSW(後側方車両検知警報)」「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」「RCTA(後退時車両検知警報)」「エマージェンシーストップシグナル」が2代目ノートからの追加装備として与えられ、360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)を実現。

 中でもプロパイロットではナビ連携機能が追加され、制限速度が変わる場合に設定車速を自動で変更する「標識検知機能」、ナビの地図情報をもとにカーブの大きさに応じて減速を行なう「カーブ減速支援」、高速道路上で停止後約30秒まで追従走行を継続(現状は3秒)する停止後の追従再開機能が新たに盛り込まれている。

新型ノート主要諸元(2WD)
モデルFSX
駆動方式2WD(FF)
全長×全幅×全高4,045×1,695×1,505mm4,045×1,695×1,520mm
室内長×室内幅×室内高2,030×1,445×1,240mm
ホイールベース2,580mm
トレッド(前/後)1,490/1,490mm
最低地上高120mm
車両重量1,190kg1,220kg
最小回転半径4.9m
WLTCモード燃費29.5km/L28.4km/L28.4km/L
サスペンション(前/後)独立懸架ストラット式/トーションビーム式
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク式/リーディングトレーリング式
タイヤ(前/後)185/65R15185/60R16
エンジン直列3気筒DOHC 1.2リッター「HR12DE」型
エンジン最高出力60kW(82PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク103Nm(10.5kgfm)/4,800rpm
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
タンク容量32L36L
フロントモーターEM47型
モーター最高出力85kW(116PS)/2,900-10,341rpm
モーター最大トルク280Nm(28.6kgfm)/0-2,900rpm
動力用主電池リチウムイオン電池