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トヨタ、自動車事業を再編、「TNGA」専門の組織を新設
“プリウスの生みの親”が会長に
(2013/3/6 19:28)
トヨタ自動車は3月6日、都内で記者会見を開き、役員人事と新体制を発表した。
まず張富士夫 会長が名誉会長となり、現副会長の内山田竹志氏が会長に内定した。内山田氏は世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」の開発者。内山田氏は日本経済団体連合会の副会長にも内定している。
また、初めて3名の社外取締役を置く。
組織的には、自動車事業をレクサスを担当する「レクサス・インターナショナル」、北米・欧州・日本事業を担当する「第1トヨタ」、中国・豪亜中近東、アフリカ、中南米を担当する「第2トヨタ」、ユニット系の事業を集約した「ユニットセンター」の4つのビジネスユニットに分け、副社長を事業責任者として配置する。迅速な意思決定のため、より機動的で自律的なビジネスユニットを導入したとしている。
さらに、全社直轄で「TNGA企画部」を新設する。TNGAは「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」の略で、プラットフォームや部品を共通化して開発効率を高め、原価低減を図る技術ベースの中長期計画。具体的にはFF系プラットフォームを小型車、中型車、大型車の3種に集約する。
豊田章男社長は「TNGAとは、トヨタ全体の仕事の進め方を抜本的に見直す活動。今後、販売台数がさらに拡大する局面が来ると予測しているが、そうした局面でも品質にすぐれ、収益性のあるカッコいいクルマを作り続けることができる体制を全社的に整える」と述べた。
また内山田副会長は「T型フォードが世に出てから100年あまり、今日自動車産業は“再発明の時代”と呼ばれ多彩な技術が群雄割拠している。次の100年を見据えた技術戦略を掲げ、中長期の開発テーマにしっかりと取り組むことで、世界の自動車産業のさらなる発展に貢献して行きたい」と述べた。
なお、同社は300万台を国内生産台数として最低維持するとしてきたが、2015年にこれを割るという報道を「トヨタがトヨタであるために(300万台)必要。国内のものづくりを守るためにも最低限必要。今回の体制変更において、300万台の国内生産が、世界の中で一番競争力があり先進的だという気概を持って、300万台を維持していく」と否定した。