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【ITS東京2013】一般ユーザーも参加できる「高度運転支援・自動運転デモ」を実施
“ぶつからないクルマ!?”や駐車アシストなどを実車に乗って体験
(2013/10/16 00:00)
世界のITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)関係者が産官学の分野から一堂に集まる世界会議「ITS世界会議東京2013」が、東京・お台場の東京ビッグサイトを中心に10月14日~18日の日程で開催されている。
この会議では、グローバルレベルでの交通問題解消についての意見交換、将来に向けた研究開発と実用化などについての議論、各分野からの研究内容発表などが開催内容の中心になるが、今回の開催では一般ユーザーが参加することも重要事項として取り上げられており、メイン会場となる東京ビッグサイトでは通路スペースに面したアトリウムを使い、公開討論や技術展示などを積極的に展開している。
これに伴い、東京ビッグサイトから少し離れた青海西臨時駐車場を会場に、体験型イベント「高度運転支援・自動運転デモ」が実施されている。残念ながら折からの台風26号接近によって、実施初日となった15日午後と16日は安全のために中止となったが、17日、18日は会場で申し込むことで誰でも無料で参加できるイベントとして行われている。
ITS世界会議の本会場で議論されている将来的な技術ではなく、すでに市場投入されている手の届く最新技術の体験会となっており、これまでの会議などを経て具体化された技術を体験することで、次世代技術に対しても興味を持ってもらうことが目的となっている。
歩行者衝突回避支援型プリクラッシュセーフティーシステム
レクサス LSを使ったトヨタ自動車の出展内容は、ミリ波レーダーとステレオカメラを組み合わせた障害物の認識と衝突回避支援。ミリ波レーダーによって障害物との相対距離や移動速度などを緻密にチェックできることに加え、人の目のように立体視を行うステレオカメラで障害物の形状も認識可能。フロントバンパーに近赤外線の投光機を設置しているため、夜間でもカメラによる歩行者などの認識が可能なシステムとなっている。さらに車内側に対しても、ステアリングコラム上に設置するドライバーモニターカメラがドライバーの目線を検出し、正面を見ていない場合や目を閉じている時間が長い場合ではブザー音や警報ブレーキの作動を早めて危機回避をアシストする。
パーク・アシスト・パイロット
ボルボ・カー・ジャパンは、2013年2月発売のV40から導入した「パーク・アシスト・パイロット」を紹介。車両の左前方に設置したセンサーで縦列駐車が可能なスペースを検出し、必要なステアリング操作を自動制御。ドライバーはメーターパネル内のディスプレイに表示される指示に従ってシフト操作とブレーキをかけることで縦列駐車が可能になるという機能となっている。このほかにも同社は、公道を使ってV40に標準装備されているアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)やレーン・ディパーチャー・ウォーニング(LDW)などの先進安全技術をアピールした。
踏み間違い衝突防止アシスト
日産自動車がデモを行ったのは、2012年12月発売のエルグランドに世界初の装備として搭載した踏み間違い衝突防止アシスト。アラウンドビューモニターで使う4台のカメラと超音波ソナーを使い、駐車場の白線を認識して自車が駐車場内にいることを把握。アクセルペダルが大きく踏み込まれた場合でも、アクセル開度の抑制と自動ブレーキの作動で急発進や壁などの障害物にぶつかる危険性を低減させる。
自律移動車からの他車の発見と停止
産業総合研究所(産総研)は、長崎大学、名古屋大学と共同で開発を進めている「自律移動車」のデモンストレーションを実施。この車両はルーフ上に設置したレーザーレーダーを使って周辺の環境を検知。人間が1回運転すると、走った周囲の地図を自動的に作成し、2回目以降は指定された経路を自動的に走行できる。産総研ではこの車両を使い、グーグルがアメリカで行っているような道路環境のデータ化のほか、日本の道路で実際にどのような走行が一般的に行われているかをビッグデータとして観測し、将来的な製品作りなどの指針として役立てたいとのこと。ここでのデモは周囲から見学するだけで、車両に乗り込むことはできないが、車両が歩行者を検知して自動的に停車、再発進する光景などが披露された。