ITS-Safety2010公開デモンストレーションが開幕
テープカットにはIT政策担当大臣の野田聖子議員も出席

開会式の壇上にはITS関係機関代表11名が登壇

2009年2月25日~28日
(一般参加日)




 「ITS-Safety2010」の公開デモンストレーションが2月25日にいよいよ開幕し、お台場にある日本科学未来館で開会式とテープカットセレモニーが開催された。

ITS-Safety2010の屋内展示も行われる日本科学未来館

 開会式では、内閣府の増原義剛副大臣をはじめとする関係各省庁の代表者と、主催民間団体ITS Japanの豊田章一郎会長、日本経済団体連合会の古川一夫副会長、共催代表として警視庁坂口交通部長、協賛団体代表として日本自動車工業会の青木哲会長の11人が登壇した。


政府代表として挨拶を行う、内閣府副大臣、増原義剛氏

 政府代表の挨拶として壇上に立った増原副大臣は、「政府は2006年にIT新改革戦略を策定し、ITのインフラ整備や活用を通じて我が国が持続的に発展が可能であり、かつ誰もが主体的に社会の活動に参加できる、共同型のIT社会を目指している。その中でITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)は、安全安心な社会を実現する上での様々な課題をITによって解決するための、極めて重要な政策の1つである」と政府にとってのITSの位置付けを明言した。

 また、ITSは「世界一安全な道路交通社会の安全が目的」であり、年間5000名以上に上る交通死亡者数を、今後10年で半減させると言う総理談話を実現するためにも、ITSによる安全運転支援システムは大きな期待が寄せられていると述べた。さらに、「2010年度から、安全運転支援システムを事故の多発地点を中心に全国へ展開し、対応する車載機の普及を促進する」という今後のITS普及の方針を述べた。


民間代表として挨拶を行う、ITS Japan会長 豊田章一郎氏

 続いて民間代表として壇上に上がったITS Japanの豊田会長は、「交通事故の社会的損失は極めて大きく、今後も引き続き交通事故件数を減少させるとともに死者数も減らし、究極的には交通事故死者数ゼロを目指すことが重要」とし、「その有力な方法として期待されているのがITSによるインフラ協調型安全運転支援システムである」と述べた。「交通事故を減らすためにインフラ協調型安全運転支援システムを導入するのは世界的な潮流」であり、「ITS-Safety2010は、今回の実証実験を1つのステップとして、今後は2010年の実用化と全国展開に向け、引き続き日本のITSをけん引してまいります」とその意気込みを語った。


協賛団体代表として挨拶を行う、日本自動車工業会会長 青木哲氏

 最後に協賛団体代表として日本自動車工業会 青木会長が登壇し、「すでにITS関連分野ではVICS対応のナビゲーションシステムの高度化やETCの普及、スマートIC(インターチェンジ)の設置など、道路交通の課題に対応したITSサービスが展開されている」とした上で、今後10年以内に交通事故死亡者数を2500人以下にするという政府目標達成のためには、「これまでのさまざまな交通安全対策とともに、ITSを活用したインフラ協調による安全運転支援システムの実用化を向けた取り組みを加速することが重要」と述べた。また、低迷する自動車業界において、「ITSの開発、普及を通じ、交通事故の未然防止と共に、快適性の向上や環境保全を実現し、車の素晴らしさを実感してもらえるのではないか」と期待を表した。


 開会式の後には、屋内展示場にてテープカットセレモニーが行われた。テープカットセレモニーには、開会式にも参加した増原副大臣、福田副長官補らに加え、野田聖子IT政策大臣も参加。テープカット後に野田大臣らは、今回の公開デモンストレーションに参加している試乗車に実際に同乗するなど、ITSによる安全運転支援システムの視察を行った。

開会式の後に行われたテープカットセレモニーからは野田聖子大臣も参加
合同デモで行われた公道試乗や屋内展示を視察する野田聖子大臣ら関係者一同

(編集部:瀬戸 学)
2009年 2月 26日