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「ITS世界会議東京2013」が10月14日~18日に開催
市民の参加を重要なテーマに、技術体感試乗を連日実施
(2013/9/13 21:00)
ITS世界会議東京2013 日本組織委員会は9月13日、都内で会合を実施。開幕まであと1カ月となった「ITS世界会議東京2013」の開催内容について意見交換を行い、会合後に記者会見を開いて具体的な開催内容を公開した。
ITS世界会議は、世界のITS(Intelligent Transport Systems・高度道路交通システム)関係者が産官学の分野から一堂に集まり、グローバルレベルでの交通問題解消についての意見交換、将来に向けた研究開発、実用化などについての議論などを行い、活動成果の発表、展示などを実施する国際会議。日本を含むアジア太平洋地域、南北アメリカなどの米州、ヨーロッパ諸国の欧州の3地域で1994年から会場を順送りにしながら開催している。昨年はオーストリアのウイーン、来年はアメリカのデトロイトというスケジュールとなっている。10月14日に東京国際フォーラムで開会式とウェルカムレセプションを実施、15日~18日にメイン会場となる東京ビッグサイトで約250におよぶ各種セッションが展開され、そのほかにも会場の内外で技術展示やデモンストレーション、公開トークセッションなどが行われる。
記者会見で概要説明を行った日本組織委員会 委員長の渡邉浩之氏は、「ITSは20年目を迎えて大きく変わろうとしている」と語る。ナビゲーションシステムからスタートしたITSが今では自動運転のコア技術になろうとしており、さらにプローブデータを使ったビッグデータが自動車社会を変える時代になってきたと説明。これを受けてITS世界会議も変化し、新しい形の交通社会の対応する基盤となる「プラットフォームの標準化」、自動運転を中心とした「CEATEC」「ITS世界会議」「東京モーターショー」の3イベントの連携、専門家だけでなく一般市民の参画といった3つの要素が重要になると解説している。
なかでも渡邉氏が強調したのは一般ユーザーが参加することの重要性。これから世界が協調して社会的な課題に取り組んでいくためには市民の理解が不可欠で、今後は新技術やシステムの開発に市民が関わるようになると予測。このため、今回のITS世界会議東京では専門家による国際会議に加え、誰でも無料で参加できる公開セッションや各国からの技術展示、自動運転デモンストレーションなどを多数用意している。
一般参加可能な催しのなかでの注目は、東京ビッグサイトから少し離れた青海西臨時駐車場に設定される特設コースで行われる「高度運転支援・自動運転デモ」。国内自動車メーカー各社とGM、BMW、ボルボ、産業総合研究所などが参加するこの試乗会では、会場内の直線コースで「衝突回避デモ」を行い、さらにトヨタ、ホンダ、GM、ボルボは一般道や高速道路を使った「高度運転支援デモ」を実施。また、ボルボは「自動駐車デモ」の体験コーナーも用意する。試乗の申し込みは会場で当日受け付けられ、誰でも無料で参加できる。
渡邉氏に続いて、開催都市である東京都を代表して東京都 青少年・治安対策本部長の河合潔氏が東京都としての取り組みなどを説明。まず、2020年に東京でのオリンピック・パラリンピック開催が決定したことに対して支援の感謝を述べ、1998年に行われた長野オリンピックでは、VICSなどのITS技術が活用されて発展したことを紹介。オリンピック・パラリンピックでは選手だけでなく、国内外から多くの来場者が訪れるため、安全で快適に移動できることが必要で、これにITSが大きな役割を果たすと説明した。