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SUPER GT第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」GT300クラス決勝リポート

55号車 ARTA CR-Z GTが61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTとの接戦に勝ち今季初優勝

 6月1日、オートポリス(大分県日田市)で2014 AUTOBACS SUPER GT 第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の決勝レースが開催された。GT300クラスは、55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)が61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)を逆転し今季初優勝を飾った。

優勝した55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)

 予選でポールポジションを獲得したのは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。昨年はシーズンで5度のポールポジションを獲得した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTだったが、今シーズンは3戦目で初ポールポジションとなった。しかし、0.168秒差で予選2位になった55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)は、最後のアタックの第3セクターでピットに戻る2号車 シンティアム・アップル・MP4-12C(高橋一穂)にラインを塞がれアタックを断念している。

 55号車 ARTA CR-Z GTの最後のアタックは、セクター1で61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTより0.137秒上回り、セクター2は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが0.029秒上回り、トータル0.108秒のマージンを持って第3セクターに入っていただけに惜しまれるアタックとなった。第3セクターは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが得意とする区間だが、この予選でのセクター差は0.110秒。そのままアタックを続けていれば0.002秒差となるので、予選においては両車はほぼ互角の争いだったことになる。

 決勝のスタートでトップ3はポジションをキープ。5番手スタートの11号車 GAINER DIXCEL SLS(ビヨン・ビルドハイム)が1コーナーで1つポジションを上げ4位につけた。

スタートは61号車がトップ。55号車、3号車が続いた

 序盤から61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太)と55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一)が後続を引き離し、2台のマッチレースとなった。周回を重ねると61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTがその差を4秒まで広げ、独走態勢を築こうとした。

61号車と55号車のマッチレースとなった
61号車が55号車を引き離した

 その後方では3号車 B-MAX NDDP GT-R(ルーカス・オルドネス)と11号車 GAINER DIXCEL SLSが3位争いを展開。開幕戦でも11号車 GAINER DIXCEL SLSが3位、3号車 B-MAX NDDP GT-Rが4位になり今シーズンは因縁の対決となりそうだ。2台のバトルは20周目の第2ヘアピンの進入でGT500クラスのマシンが絡み、11号車 GAINER DIXCEL SLSが3位にポジションアップしたが終盤までバトルは継続した。

11号車が3号車を抜き3位に浮上

 開幕から2連勝中の4号車 グッドスマイル 初音ミク Z4(片岡龍也)は9周目にスピンしたマシンを避けようとするが、左リアタイヤをヒットしパンク。緊急ピットインにより最後尾まで後退し優勝争いに絡むことはできなかった。

 トップ争いは4秒ほどの差が徐々に縮まり、ピットイン直前は1秒差の接近戦となった。29周目、先にピットインしたのは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。3周遅れで55号車 ARTA CR-Z GTもピットイン。インラップで1秒、ピット作業で2秒早かった55号車 ARTA CR-Z GTが2秒ほど先行することとなった。

ピットイン直前に55号車が61号車に迫った
ピットインで順位は逆転。55号車がトップに立った

 ピットインで逆転しトップに立った55号車 ARTA CR-Z GT(小林崇志)は、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)との差を徐々に広げ40周目には9秒ほどとなった。残り20周あまり、このままチェッカーまで1人旅かと思われたが、1コーナーで大きなアクシデントが発生した。

 30号車 IWASAKI apr GT-R(岩崎祐貴)が1コーナーのグラベルを突っ切りタイヤバリアに激突。宙に舞ったマシンはガードレールを飛び越し緊急車両や報道カメラマンが通るサービスロードに落下した。ドライバーは無事だったが、これによりセーフティカーが導入。55号車 ARTA CR-Z GTは築き上げた大きなマージンを失うこととなった。

61号車が第2ヘアピンを抜けるころ、55号車はストレートエンドを走行。大きなギャップを作った
セーフティカーで差が縮まった

 長いセーフティーカー導入の後、残り9周でレースは再開された。リスタートを決めた55号車 ARTA CR-Z GTはすぐに後続を引き離し、そのままチェッカーを受け今季初優勝。週末を通じて好調な走りを見せた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが2位となり、今季初表彰台。3位は11号車 GAINER DIXCEL SLSが、レース序盤からの3号車 B-MAX NDDP GT-Rとのバトルを制し3戦連続の表彰台を獲得した。

リスタートで55号車は再び差を広げた
11号車と3号車の3位争いはレース終盤まで続いた
2位の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)
3位の11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)

GT300クラス最終順位
1位 55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)
2位 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)
3位 11号車 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)
4位 3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス)
5位 0号車 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀)
6位 86号車 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥/山西康司)
7位 60号車 TWS LM corsa BMW Z4(飯田章/吉本大樹)
8位 50号車 WAKO'S Exe Aston Martin(加納政樹/安岡秀徒)
9位 67号車 STP タイサン GAIA POWER GT-R(横溝直輝/密山祥吾)
10位 65号車 LEON SLS(黒澤治樹/黒澤翼)

 シリーズ第4戦は宮城県のスポーツランドSUGOで7月19日、20日に開催される。

(奥川浩彦)