BRZやアヴェンタドールの実車展示も行われた「第51回静岡ホビーショー」開幕
トヨタ「86」は、タミヤとアオシマの競作に

静岡ホビーショーが開幕したツインメッセ静岡

業者招待日:2012年5月17日、18日
一般公開日:2012年5月19日、20日
入場無料



 静岡ホビーショーが5月17日、ツインメッセ静岡(静岡県静岡市)で始まった。一般公開に先立って業者や報道陣向けの公開が行われ、入場無料の一般公開日は5月19日、20日の2日間となる。

 Car Watchでは、主にクルマ関連のスケールモデル、RCカーに絞って、静岡ホビーショーの展示内容をお届けする。

スケールモデル
 今年の静岡ホビーショーでは、タミヤと青島文化教材(以下、アオシマ)が積極的な製品ラインアップを展示した。タミヤは、トヨタ自動車「86(ハチロク)」とスバル(富士重工業)「BRZ」の1/24スケールモデルを展示。アオシマは、同じく「86」と、1/24スーパーカーシリーズの最新作となるランボルギーニ「アヴェンタドール」を展示。タミヤはBRZの、アオシマはアヴェンタドールの実車をも持ち込んで展示を行っていた。

 実車も人気となっている86に関しては、タミヤとアオシマの競作になり、その仕上がりが気になるところ。タミヤは、テストショットでの展示、アオシマはモックアップでの展示となっており、製品化の速度はタミヤのほうが速そうだ。そのほか、タミヤは86の1/10 RCカーを2製品展示していた。

 スケールモデルに関しては、タミヤとアオシマのブースに見所が多い。そのほか、ここ数年1/20 F1シリーズをリリースしていたハセガワは、既発売製品のバリエーション展開や、再販製品の展示にとどまっていたのが残念。キャラクター飛行機などの新製品が展示されていた。

タミヤ
 タミヤブースでは、BRZの実車が展示されている。ただし、この車両は市販バージョンのBRZではなく、未発売のSTI(スバルテクニカインターナショナル)製品が多数取り付けられたSTIコンセプトバージョン。タミヤのスタッフによると、「実車の貸し出しを頼んだら、このバージョンが届いた」とのことで、じっくり見ると楽しめる実車展示になっている。取り付けられているパーツリストも掲示されているので、参考になるだろう。但し、タミヤが模型化したのは、市販バージョンのBRZ。そのため「※タミヤのスケールモデルとは仕様が異なります」との注意書きが書かれていた。

 1/24の86とBRZだが、実車同様ほとんどの部品を共用化。1部品(ランナー単位)だけが異なっており、フロントバンパーやフロントフェンダー横のパーツなどが変更されている。また、ボディー部品の成型色は86が白、BRZが青となっており、BRZでは青以外に仕上げるのは少し手間がかかるだろう。

 模型化にあたってこだわった点は、プロポーションはもちろんのこと、「特徴的な水平対向エンジン」と言い、少ないパーツ数ながら、立体感のある仕上がりになっている。また、このスケールでは珍しいことにボンネットフードが開閉式となっている。フードステーも金属部品で用意されているので、完成後も水平対向エンジンの収まり具合を楽しむことができる。そのほか、86の発売にあわせて86専用ボディーカラーの缶スプレーが用意される。BRZ用は、インプレッサ発売時に用意されたものでOKだ。

1/24「スバル BRZ」、7月発売。こちらはスケールモデルのBRZ
少ないパーツで立体的に構成された水平対向4気筒エンジン。ボンネットフードステーは金属部品BRZの部品一覧。左上の部品以外は、86と共通BRZ専用部品。フロントバンパーなどが見られる
1/24「トヨタ 86」、7月発売
86の部品一覧86の専用部品。ボディー用のパーツが白いのはうれしいところ86専用色となるメタリックオレンジの缶スプレー。メタリック系の色は調合が難しいので、専用色があるのはありがたい
1/24「フルビュー レクサスLFA」、7月発売。既発売の1/24レクサスのボディー部品をクリヤー化。エンジンや内装などを見ることができるフルビュー化にあたって、変更された部品
1/24「トヨタ トムス 84C」、6月発売1/24「ニューマン・ポルシェ956(1984年ル・マン優勝車)」、6月発売
1/24「ニッサン R89C」、6月発売。1/24「フォルクスワーゲン ゴルフ・レーシング(グループ2)」、7月発売。この4台は、いずれもスポット再販製品
1/24「アストンマーティンDBS(アベール社製エッチングパーツ付き)」、6月発売1/35「イギリスSASコマンドカー 1944年(人形2体付き)」、7月発売1/35「ソビエト軍指揮官・スタッフカーセット(人形4体付き)」、7月発売。キュベルワーゲンはドイツ軍の車両だが、ソビエト軍に鹵獲されたという設定

 そのほかタミヤブースでは、昨年の東京モーターショーのレクサスブースで展示されていた「ジオラマ『LFA工房』」を特別展示。東京モーターショーには行けなかった、もしくは混んでいて細部まで見られなかった人にはうれしい展示となっている。

 タミヤは一般公開日となる5月19日、20日に会場近くの本社を開放。本社内のショールームや展示物などを見られる「オープンハウス」を開催し、そこでは同じく東京モータショーのレクサスブースに展示された、レクサス LFAのベアシャシーが展示される。

ジオラマ「LFA工房」ジオラマでLFAのボディー製造過程が分かる。これは最初の工程となる「CFRPボディ製造(ブレイディング)」「CFRPボディ製造(RTM成形)」
「CFRPボディ製造(プリプレグ オートクレーブ成形)」「CFRPボディ製造(検査)」「塗装」
「車両組立て」「車両検査」

アオシマ
 ランボルギーニ カウンタックをスーパーカーシリーズとして模型化してきたアオシマの選んだ最新作は、1/24「ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4」。カウンタックの次がアヴェンタドールになったのは、担当者曰く「大好きだから(笑)」。スーパーカーの代名詞としてはフェラーリの各車があるが、「フェラーリはフジミが模型化を積極的にやっており、今は模型化を考えていない。アヴェンタドールは、ランボルギーニのフラッグシップであり、最新のV型12気筒エンジン搭載車であることも模型化につながった」と言う。

 アオシマは、静岡ホビーショーに実車を展示することが多いが、アヴェンタドールに関しても実車を展示。この夏一押しの製品と言う。

1/24「ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4」、7月発売。エンジンルーム内のV型12気筒エンジンなども再現
各部の鋭角的なデザインが美しい。パーツ数もそこそこ多く、精密感のある仕上がりを目指しているように見えるV型12気筒エンジンの部品

アヴェンタドールの実車展示

 1/24「TOYOTA 86 '12」についてはモックアップを展示。部品分割は終えており、7月の発売に向けて仕上げていくことになる。

 そのほか、映画「けいおん!」の痛車や、ナイトライダーの「ナイト2000」、マッドマックス2の「インターセプター」、イニシャルDの「86トレノ」など同社得意のキャラものメカを展示。VIPCARシリーズ、グラチャンシリーズ、デコトラシリーズなどの新作も展示されていた。

1/24「TOYOTA 86 '12」、7月発売
TOYOTA 86 '12の部品分割。現在版権元監修中の文字が見える
1/24「映画けいおん! ロンドンタクシー」、6月発売。ノーマル使用も製作可能
1/24「ナイトライダー 限定ナイト2000 K.I.T.T シーズン I(フロントスキャナー付き)」、5月発売。製品名から分かるように、LEDで光るフロントスキャナー回路が付属する
1/24「MAD MAX2 インターセプター スーパーティテール」、発売日未定。現在版権元に確認中のため、発売日が決まっていない1/24「R35 GT-Rピュアエディション 2012モデル エンジン付」、7月発売。金型を追加し、今年モデルに変更
1/24「藤原拓海 86トレノ 第1巻仕様」、5月発売。イニシャルDシリーズの第5弾。エンジンはもちろん、あのドリンクホルダーとコップが付属ダッシュボード上のコップが分かるかな?
1/24「アヴァンギャルド G50プレジデント」VIPCARシリーズはタイヤが進化。より薄くなっているそうだ
1/24「330セドリック」。こちらはグラチャンシリーズ1/24「ジャパン2Dr」。ワークスフェンダーなどがグラチャンっぽいグラチャンシリーズのタイヤも進化している
DVD発売を記念して西部警察シリーズを再販
塗装済みのパトロールカーシリーズ。1/24「18クラウン パトロールカー 神奈川県警 警ら仕様」、7月発売1/24「18クラウン パトロールカー 警視庁 スチールホイール Ver」、7月発売
スチールホイールの部品パトロールカー用デカールも発売される。東日本用と西日本用を用意し、実車書体がウリ
1/32「日野 プロフィア テラヴィFW ハイウイング」、7月発売1/32「日野 プロフィア FW 日本通運」
1/32「日野 レンジャー 冷凍庫」1/32「祖國防衛(大型平箱)」

ハセガワほか
 タミヤ、アオシマを除くと、クルマのスケールモデルの展示は少ない。ファインモールドのブースには、前回同様、社用車のジープが展示されていた。

ハセガワ 1/24「ミニ クロスオーバー“ユニオン ジャック”」、6月発売。既発売製品にユニオンジャックのデカールなどを同梱ハセガワ 1/24「マツダ コスモスポーツL10B“広島県警”」、7月発売
ハセガワ 1/24「フォルクス ワーゲン ビートル“ポリスカー”」、参考出品ハセガワ 1/24「ニッサン フェアレディ 240ZG“パトカー”」、参考出品
ハセガワ 1/24「トヨタ セリカ GT-ROUR RC」、6月~7月発売ハセガワ 1/24「トヨタ カローラ レビン GT APEX」、6月~7月発売
ハセガワ 1/24「三菱 ランサー GSR エボリューション IV」、6月~7月発売ハセガワ 1/24「ホンダ シビック フェリオ VTi」、6月~7月発売

RCカー、ミニカーなど
 タミヤは走らせて楽しめるRCカーの新作も多数展示。ドリフトシャシーやF1シャシーの新作のほか、RCカーにおいても86を投入。ビギナー向けにシャフトドライブ4WDシャシーのTT01 TYPE-Eとセットにしたもの、中上級者向けにベルトドライブ4WDシャシーのTA06とセットにしたものの2製品を用意していた。ボディー単体の販売も予定している。

 86を2製品用意するが、RCかーにおいてはBRZの新製品はなし。担当者によると「BRZのボディーについては、要望が多ければ検討したい」とのことで、製品化を望む人は静岡ホビーショーで直接要望してみてほしい。すでに1/24で製品化しているため、技術的な問題は存在しない。

 タミヤ以外の製品では、京商のミニッツシリーズの新作などが目につく程度。「クルマはやっぱり走らせて楽しみたいよね」という人は、タミヤと京商のブースを回ればよいだろう。タカラトミーは、チョロQの新作展示を行っていた。

タミヤ 1/10RCカー「トヨタ 86(TA06)」。1/10RCカー「トヨタ 86(TT-01 TYPE-Eシャシー)」もラインアップしており、自分の好みで選べるようになっている
ポリカーボネート製のボディーだが、凹部などもリアルに再現されているベルトドライブ4WDのTA06シャシー。これはオプションパーツを搭載しチューニングアップを図ったもの
タミヤ 1/10RCカー「F104 Ver.II PRO シャーシキット」。F1用のシャシーが進化リアサスペンションを「ピボットボールリンク式リアサスペンション(PBLR)」に変更。従来よりキビキビした走りを得られると言うシャシーの後部幅を狭くし、近年のF1で見られる下部絞り込みボディーに対応していく
タミヤ 1/10RCカー「スズキ ジムニー(SJ30)ウイリー」。手軽にウイリー走行を楽しめるWR-02シャシーを採用。SJ30を選択した理由は、「ワイルドなジムニーらしさを持つボディーであるから」とのことタミヤ 1/10RCカー「スバル インプレッサ WRX STI チームアライ(XV-01)」。フラットダートなどを得意とするXV-01シャシーを採用。新井選手の熱い走りを楽しめる
タミヤ 1/10RCカー「TA05-VDF II ドリフトシャーシキット」。ハイエンドドリフトシャーシの進化版フロント部リア部
タミヤ 1/10RCカー「FF-03R シャーシキット」。前輪駆動のFFシャシー。オイル封入式ギヤデフを内蔵したギヤボックスを新設計したフロント部。フロントオーバーハングにモーターを搭載するリア部。FFシャシーなので、リアまわりはシンプル
京商 ミニッツシリーズ「Audi R8 LMS」京商 ミニッツシリーズ「Ferrari Enzo GTコンセプト」
タカラトミー チョロQ ZERO「トヨタ カローラ レビン GTV」タカラトミー チョロQ ZERO「日産 グロリア グランツーリスモSV」、8月発売
タカラトミー チョロQ ZERO「三菱 デリカ スターワゴン 4WDV」、8月発売タカラトミー チョロQ ZERO「日産 フェアレディZ 300ZR」、8月発売

一般公開日に特別販売を各社が実施
 業者招待日には各所で業者向けに商談などが行われるが、5月19日、20日の一般公開日には、それら商談用のエリアを撤去、模型クラブによる合同展示会や、メーカーブースにおいては一般向けの販売コーナーが設けられることになる。

 タミヤは業者招待日から一部商品を販売。今年がミリタリーモデル50周年、ミニ四駆30周年にあたることから、限定ワインなど特別な商品を取りそろえていた。ミリタリーモデルの歴史を振り返るコーナー、ミニ四駆のヒット作である「アバンテ」の変遷をたどるコーナーなどもあったので、静岡ホビーショーに行かれる際は立ち寄ってみてほしい。

タミヤブースで販売されていたミリタリーモデル50周年記念ワインミニ四駆30周年記念ワインなど各種オリジナル製品も販売される
タミヤのミリタリーモデルを振り返るコーナー1/35MM(ミリタリーミニチュア)シリーズNo.1「ドイツ戦車兵セット」の開発に使われた1/6モデルの原型の複製品
思い出のアイテム1位となった1/35MMシリーズNo.17「ドイツ 88ミリ砲 Flak 36/37」“ハチハチ班長”として有名な指揮官のフィギュア。戦車などのスターアイテムでないにもかかわらず、1位になったのは、これら生き生きとしたポーズの付属フィギュアにあるのだろう

(編集部:谷川 潔)
2012年 5月 17日