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ランニングイベント「Wings for Life World Run」のアンバサダーに小林可夢偉選手が就任
「笑顔で走ることを大切にしたい」と小林可夢偉選手
(2015/1/20 14:43)
- 2015年5月3日20時スタート
滋賀県高島市で5月3日、いっぷう変わったランニングイベント「Wings for Life World Run」が開催される。この「Wings for Life World Run」のアンバサダーとして、レーシングドライバーの小林可夢偉選手、5月に日本で初開催する「Red Bull Air Race World Championship 2015」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141127_677905.html)にアジアから唯一参戦する室屋義秀選手、100kmマラソン世界記録保持者であり、2014年度のWings for Life World Runにも参加した砂田貴裕氏、元Jリーガーで、脊髄損傷による引退後に車椅子バスケットボールの選手として4回連続でパラリンピック日本代表として活躍した京谷和幸氏の4人が就任した。
この「Wings for Life World Run」は、スタート後にゴールが追いかけてくるというかなりユニークな方法で争われるランニングイベント。競技進行としては、まず参加者が一斉にスタート。スタート30分後に“キャッチャーカー”と呼ばれる追走車が走り出し、追走して走っているランナーを追いかけ、追いついたランナーを次々とゴールさせていく。
ランナーが身につけるゼッケンにはICタグが装着されていて、自動的に記録が蓄積される。総走行距離は100kmで、最速記録が何時間何分何秒かというタイムはもちろんだが、キャッチャーカーに追いつかれることなく何人がゴールできるかについても注目が集まる。キャッチャーカーの走行ペースが徐々に速くなっていく設定となっているのも競技を盛り上げるポイント。そして“World Run”の名称が示すように、このイベントは日本だけでなく、世界中で同時に開催される。日本大会のスタート時間が20時となっているのはこのためで、なんと世界35カ所で同時スタートするのだ。
「Wings for Life World Run」には1つの合い言葉がある、それは「走れない人のために走る」という言葉。じつは「Wings for Life World Run」は、脊髄損傷治療法の発見に取り組む研究に対して資金援助を行う非営利団体「Wings for Life財団」をサポートするためのイベントなのだ。イベント参加費と寄付金はすべて同財団に寄付される仕組みとなっており、2014年5月の大会では総額400万ドル以上の寄付が行われた。
Wings for Lifeは世界王者に2度輝いたモトクロスライダーのHeinz Kinigadner選手とRed Bullの創設者であるDietrich Mateschitz氏が、Kinigadner選手の息子が痛ましい事故に見舞われ、まひ状態になってしまったことをきっかけに企画したイベントで、脊髄損傷に苦しむ人たちへの援助を目的としている。
1月19日に開催された4氏のアンバサダー就任の発表会では、小林可夢偉選手が今回のアンバサダー就任にともない、自ら車いすに乗って渋谷の街を半日移動してまわるという体験を行い、このなかでのエピソードを紹介した。このなかで小林可夢偉選手は、市街地には車いすでは使いにくいものや通りにくい場所がたくさんあるのと同時に、使いやすいよう工夫されているものがあることも実感。そして、せっかく使いやすくなっている幅広の駅の改札も、健常者が使っていると車いすではなかなか入れないことなどを体験。人々が助け合うことが大切であることを感じたと語っている。
アンバサダーに就任した4人も「Wings for Life World Run」に参加する予定。小林可夢偉選手はこれまでマラソンイベントに参加したことがないが、以前から非常に興味があったということ。今もトレーニングで走っているので、この大会に参加できることは非常にうれしいという。そして「15~20kmくらいまでは走れると思う。なにより笑顔で走ることを大切にしたい」と語った。