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アウディ、2.0リッターダウンサイジングターボなどを追加した新型「A6」シリーズ発表会

「マトリクスLEDヘッドライト」を追加設定

2015年7月30日発売

A6:628万円~959万円

S6:1308万円~1346万円

RS 6 アバント:1729万円

 アウディ ジャパンは7月30日、新型「A6」シリーズを発売した。価格はA6が628万円~959万円、S6が1308万円~1346万円、RS 6 アバントが1729万円。

A6
モデルエンジン変速機駆動方式ステアリング価格
A6 1.8 TFSI直列4気筒 DOHC 1.8リッター直噴ターボ7速DCT(7速Sトロニック)2WD(FF)6,280,000円
A6 アバント 1.8 TFSI6,660,000円
A6 2.0 TFSI クワトロ直列4気筒 DOHC 2.0リッター直噴ターボ4WD6,800,000円
A6 アバント 2.0 TFSI クワトロ7,180,000円
A6 3.0 TFSI クワトロV型6気筒DOHC 3.0リッタースーパーチャージャー8,880,000円
A6 アバント 3.0 TFSI クワトロ9,260,000円
A6 オールロードクワトロ9,590,000円
S6
モデルエンジン変速機駆動方式ステアリング価格
S6V型8気筒DOHC 4.0リッターツインターボ7速DCT(7速Sトロニック)4WD左/右13,080,000円
S6 アバント13,460,000円
RS 6 アバント
モデルエンジン変速機駆動方式ステアリング価格
RS 6 アバントV型8気筒DOHC 4.0リッターツインターボ8速AT4WD左/右17,290,000円

A6 2.0 TFSI クワトロ

A6 2.0 TFSI クワトロ
タイヤサイズは245/45 R18。撮影車両ではダンロップ(住友ゴム工業)の「SP SPORT MAXX GT」を装着
ウインカー内蔵型のドアミラー
ルーフ後端にコンパクトなシャークフィンアンテナを装着
リアコンビネーションランプはLED式
フラットタイプでバンパー形状に合わせたエキゾーストエンドパイプを採用
「CYP」型の直列4気筒 DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンは、最高出力185kW(252PS)/5000-6000rpm、最大トルク370Nm/1600-4500rpmを発生
インテリアの基本的なデザインに変更はない。ステアリングは全車レザータイプ
大型2眼式のメーターは、300km/hまでの速度表示に対応。センター部分にカラー表示のマルチファンクションディスプレイ「DIS(ドライバーインフォメーションシステム)」を装備する
センターコンソールのシフトセレクター周辺に、「MMIタッチ」のタッチパッドなどの操作系スイッチ類を集中配置
全車で電動パーキングシステムを採用するため、ペダルはアクセルとブレーキの2つのみとなる
前後のドアトリム
リアドアに手動式のサンブラインドを設定
2.0 TFSI クワトロはシート表皮にパーシャルレザーを設定。シートカラーは写真の「アトラスベージュ」のほか3種類から選択できる
後席でも左右別々にエアコンの温度調整が可能な「4ゾーンデラックスオートマチックエアコンディショナー」をS6、S6 アバント、RS 6 アバントで標準装備、それ以外のモデルでオプション設定となる

A6 アバント 2.0 TFSI クワトロ

A6 アバント 2.0 TFSI クワトロ
ラゲッジスペースの容量は、通常は565L、最大で1680Lとなる
ラゲッジ両サイドにリアシートを格納するノブを設定
セダンと同じタイヤサイズが標準仕様だが、撮影車両ではオプションの19インチホイールの装着に伴い、255/40 R19サイズのグッドイヤー「EAGLE F1」を使用
パッケージオプション「S-lineパッケージ」を装着する撮影車両では、シート表皮がパーシャルレザーからS-lineロゴ入りのバルコナレザーに変更

A6 3.0 TFSI クワトロ

A6 3.0 TFSI クワトロ
5ツインスポークデザインの19インチアルミホイールをオプション装着しており、タイヤは255/40 R19サイズのヨコハマタイヤ(横浜ゴム)「ADVAN Sport」を設定
「CRE」型のV型6気筒DOHC 3.0リッタースーパーチャージャーエンジンは、最高出力245kW(333PS)/5500-6500rpm、最大トルク440Nm/2900-5300rpmを発生

輸入車Cセグメントで20%のシェアを目指す!

アウディ ジャパン 代表取締役社長 大喜多寛氏

 都内にあるアウディ正規ディーラー「Audi 豊洲」で行われた新型A6の記者発表会では、アウディ ジャパン 代表取締役社長 大喜多寛氏が登壇。1968年に登場した「初代アウディ 100」から47年にわたる歴史、世界と日本の市場におけるA6シリーズの役割や販売状況、新しくなったA6シリーズの進化したポイントなどについて紹介を行った。

 大喜多氏は「47年前に登場した初代モデルのアウディ 100は、今見ても欲しくなるようなクルマだと思いますが、ここからスタートした現在のA6に続くシリーズでは、新しいデザインや先進技術などをA6を皮切りに搭載してきています。過去で言えば、初めて乗用車に4WDシステムを投入した『クワトロ』や、レースで開発したV10エンジンの市販車採用、新しい軽量化技術として我々が『Ultra(ウルトラ)』と呼んでいる一連のコンセプト、ひと目でアウディ車と分かる『シングルフレーム』などを最初に搭載したのはA6でした。ほかにも技術やデザインで新しいことに挑戦するスタートになってきたのがA6です」と語り、A6シリーズが先進性に挑み続けてきたモデルであるアピール。

 また、販売面では2004年からの変遷についてデータを提示。A6シリーズは2014年までの10年で世界市場での販売台数が2倍近くまで増加している。アウディ全体で170万台超となった2014年の販売台数のうち、A6シリーズが約30万台となっており、アウディにとって中核モデルとなっていると紹介した。

 日本市場においては、2011年の1000台を少し超えるところから、第7世代となる現行型モデルになった2012年以降は3倍近い販売台数を毎年記録。アウディ ジャパンにとっても大切なモデルであり、A6シリーズが売れることによってアウディブランドのプレステージイメージが高まり、存在感も大きくなっている重要な存在であると解説した。

 日本市場でA6シリーズが販売台数を伸ばした要因は、「デザイン」「Ultra技術による軽量化で、よりスポーティに走り、燃費もよくなって経済性が高まったこと」という2点が貢献していると分析している。このほか、新型のA6では、年間の販売目標を3000台に設定。A6シリーズが属する輸入車のCセグメントで20%のシェアを占めることを目指すと明かされた。

A6シリーズについて解説する大喜多氏
1968年にアウディのフラグシップモデルとして登場した「アウディ 100」からA6シリーズの歴史が始まっており、アウディでもっとも長く続いているシリーズとなっている
A6は、アウディの新しいデザインや最新技術などの取り組みを市販化する最初のモデルになっているとのこと
世界全体での2004年~2014年のA6シリーズ販売推移
日本市場では現行モデルの第7世代A6の導入がスタートしてから、2012年以降は販売台数が大きくジャンプアップしている
新型A6シリーズの販売目標
第7世代A6が評価されたポイントの再考察。外観デザインは特徴的な「シングルフレームグリル」でアウディ車であるとひと目で分かる部分を強調。インテリアのポイントは、デザイナーが日本の包丁や日本刀などのイメージからインスピレーションを受け、高いクオリティと洗練されたデザインを両立しているという
Ultra技術による軽量化のポイント
安全装備のエアバッグやカーナビなどの搭載により、クルマの重量は常に増加傾向にあったが、Ultra技術で軽量化を果たしたことで、燃費や走行性能を向上させ、成功の一因になったと解説

 新型となったA6シリーズでは、これまでラインアップしていた自然吸気のV型6気筒DOHC 2.8リッターエンジンに替え、直列4気筒 DOHC 2.0リッター直噴ターボのダウンサイジングエンジンを採用。排気量は0.8リッター少なくなるものの、最高出力は35kW(48PS)、最大トルクは90Nm向上となる最高出力185kW(252PS)/5000-6000rpm、最大トルク370Nm/1600-4500rpmを発生。JC08モード燃費も11.8km/Lから13.6km/Lに15.2%向上した新グレードとなっている。また、新設定された2.0リッターのダウンサイジングターボ以外でも、RS 6 アバント以外のエンジンで出力の向上や燃費性能の改善が図られている。

 また、2014年3月から日本導入している「A8」シリーズから採用がスタートした先進装備「マトリクスLEDヘッドライト」を、S6、S6 アバント、RS 6 アバントに標準装備、それ以外のモデルにオプション設定。全車に標準装備するインフォテイメントシステム「アウディコネクト」は内容を進化。アウディが大きな取り組みのテーマとなっている「コネクティビティ」の強化を図り、インターネット接続によってオペレーターによるカーナビ設定やホテル予約などが可能になり、Googleのサービスをアウディコネクトを扱えるようになったほか、車内でスマートフォンなどを最大8台までインターネットに接続できる「Wi-Fiスポット」機能も追加された。メーターパネルに設定されたカラー表示のマルチファンクションディスプレイ「DIS(ドライバーインフォメーションシステム)」では、メーターパネル内にカーナビの地図画面を表示できるようになっている。

 このほか、マトリクスLEDヘッドライト導入に合わせてフロントマスクのデザインを一新。内外装のカラーリングに新色が追加されている。

 発表会の最後に大喜多氏は、「このクルマはアウディモデルのなかでもスポーティでエレガントさがあり、本当に美しいデザインです。ぜひ多くのみなさんに乗ってもらいたいと思っています。私の個人的なお薦めはS6ですので、乗ってみたいと思った人は、お店に足を運んで試乗してみてください」とコメントしている。

新しいA6のハイライトは、「マトリクスLEDヘッドライト」「アウディコネクト」「A6 2.0 TFSI クワトロ」の3点
従来ラインアップされていた2.8リッター自然吸気エンジンの搭載モデルと比較して、燃費が15.2%改善されたことに加え、出力向上などによって0-100km/h加速も1.4秒短縮された
マトリクスLEDヘッドライトの採用に合わせ、フロントマスクのデザインが一新された
25個のLEDでハイビームを構成するマトリクスLEDヘッドライトでは、対向車、先行車の部分だけを照らさないという制御によってハイビームの使用頻度を高めることが可能
ハイビームの部分点灯に加え、ロービームの併用によって歩行者を照らしつつもまぶしさを感じさせないといった細かな制御も実現
ウインカーは「R8」などのモデルでも採用されている、中央側から両サイドに向けて伸びていくような演出を採用
シフトセレクター近くにレイアウトしたダイヤルとボタンでカーナビやオーディオなどを一元的に操作できる「MMI(マルチメディアインターフェイス)」を採用。インターネット接続によってセンターにいるオペレーターとコミュニケーションする「コンシェルジュサービス」や「Wi-Fiスポット」機能が「アウディコネクト」に追加された
メーターパネル内にある「DIS(ドライバーインフォメーションシステム)」ではカーナビの地図画面も表示できる
DISの地図表示は拡大/縮小なども可能
ステアリングスポーク左側のボタンで、DISの表示内容や地図の拡大/縮小、メニュー表示などが操作できる
ステアリングスポーク右側のボタンでは、音声入力の開始やオーディオ類の音量変更などに対応する
A6シリーズのラインアップモデルが一挙に変更。オールロードクワトロ、RS 6なども同時デビューしていることもポイントとして紹介されている

(編集部:佐久間 秀)