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“インパネから飛び出した”新構造採用の9V型新型カーナビ「ストラーダ CN-F1D」発表会
9V型大画面カーナビの「プリウス」「レヴォーグ」への取り付け例など紹介
(2016/3/30 06:00)
- 2016年3月29日 開催
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は3月29日、9V型の大画面を備えるSDカーナビの新製品「ストラーダ CN-F1D」を発表した。ここでは同日に都内で行なわれた発表会&内覧会の様子をリポートする。スペックなどは別記事を参照してほしい。
発表会にはパナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社のインフォテインメントシステム事業部 市販・用品ビジネスユニット ビジネスユニット長 木村真人氏、市販・用品ビジネスユニット 市販事業推進部 部長 高島浩二氏、インフォテイメントシステム事業部 市販・用品ビジネスユニット 市販事業推進部 商品企画課長 渡邊洋氏が出席した。
ユーザーのニーズは「大画面化」
冒頭、挨拶を行なった木村氏は、まずアフターマーケットの市場動向について説明。市販と用品を合わせたアフターマーケットカーナビ市場は新車販売に左右され、その台数はおおむね新車販売台数の75~76%前後で安定していると説明。2013年は消費増税前の駆け込み需要により販売数が大幅に増加したものの、その反動により翌年から新車販売が冷え込み、それにともなってカーナビの販売台数も減少。2015年度は354万台、前年比96%を見込んでいるとした。2016年は新車販売は横ばいと見ているが、2017年4月に消費増税が決定すると駆け込み需要で新車販売が6%ほど伸び、前年比106%の373万台ぐらいを期待していると解説した。
カーナビの単価は大画面ナビの登場などにより下げ止まり感が見られる状況ながら、アフターマーケットのカーナビ市場は年々縮小。これは「消費が“モノ”から“コト”へと変化する中、我々メーカーがそれに対応するような商品を開発・投入してこなかったことが大きな要因」であり「猛省している」とした。それを踏まえ、今後は「“モノ”そのものよりも、その“モノ”で何ができ、何が楽しめるのか、ということが今後の価値観になってくることを改めて再認識した」と木村氏はコメント。
そうした市場の流れの中で、ユーザーのニーズは「大画面化」にあり、今後もこの傾向は続いていくと分析。ただし、大画面化には「取り付け車種が限られる」「画面サイズには制約がある」といった問題点を指摘。新商品ではこの制約をできる限り取り除きたいことから、欧州車等に採用されているフローティングディスプレイ構造を一部進化させ、「日本車特有の2DINのスペースを活用して9インチのナビを付け、より楽しく快適なドライブを皆さんに楽しんでいただきたい」とした。
このフローティング構造を「DYNABIG(ダイナビッグ)ディスプレイ」と名付けるとともに、“Fクラス”のように市場を活性化し、市場をけん引できるような商品にしたいことから、品番にもこだわって「F1」としたことを明かした。
また、「Blu-rayディスクを搭載し、家庭で撮り貯めた映像をシームレスにクルマの中で高画質で楽しんでいただけるように仕上げている」と新商品のAV機能にも触れ、最後に「我々パナソニックはこの業界を活性化し、さらに皆様の喜びをより大きくしていくために、いろいろな商品をこれからも開発し続けたいと思っている」と締めくくった。
新車や古い車種を含め最終的には200車種以上に対応したい
続いて高島氏が新製品「ストラーダ CN-F1D」のマーケティング戦略を説明した。先に木村氏が説明したとおり、2016年度のカーナビ市場は前年比106%程度を予想。その内訳は8万円以下の価格帯がボリュームゾーンとなるものの、10万円以上の高付加価値帯も底堅く推移すると見込んでおり、そのキーとなるのが「8インチ以上の大画面」。今年度はそこに力を入れていくと述べた。
その理由としては、「カーナビ需要はマニアからすべての世代へと移っており、多機能からすべての人に使いやすいカーナビが求められる」と説明。新しい世代のユーザーからは「画面が小さくて見にくい」「ボタンが小さくて操作しづらい」という声が上がっており、「カーナビゲーションが普及期を迎え、初心者からシニア世代まで幅広い層への使いやすい大画面カーナビが求められている」と分析。そうした声に対するパナソニックからの提案が、ダイナビッグディスプレイを搭載した新発想のカーナビゲーションであるとした。
新製品のポイントとして挙げたのは、「9インチの大画面でありながら144車種(現状)に取り付け可能」「画面が大きくフローティング構造のため画面がドライバーに近づき視認性、操作性が向上」「本物のアルミフレームを用いるなど存在感のある高品位なデザイン」「Blu-ray対応」の4点。インパネから飛び出したフローティング構造により、幅広い車種への取り付けと視認性を両立しており、対応車種については「現在144車種、新車や古い車種を含め最終的には200車種以上に対応したい」と意欲を見せた。また、フローティングディスプレイについては「走行中の振動が課題だったが、新技術を投入して耐震テストに耐えられる信頼性の高い構造を実現している」と説明した。
日本の悪路を想定した振動試験、長時間の耐久試験を行なって完成度を高めた
ここで実機のアンベールが行なわれ、商品企画の渡邊氏にバトンタッチ。実機を用いて新商品の説明が行なわれた。
渡邊氏は「ストラーダ CN-F1D」を新しい発想に基づいて生み出した商品であるとし、「これまでのカーナビにない新しい世界観、品位、先進性を突き詰めてデザインした」と説明。「フロント面のハードキーを廃し、すっきりとしたフルフラットデザインを採用」「側面にはRをつけ柔らかさを表現。薄さ感も表現」「フレームにはヘアライン仕上げのアルミ素材を採用」「本体に青いイルミネーションを設けることでディスプレイ全体を裏側からほんのり照らす。どんな角度から見ても美しい」と特長を挙げるとともに、「クルマに装着すると、より迫力を感じていただける」とコメントした。
フローティングディスプレイについては、車内は熱や振動など非常に過酷な環境であるとした上で強度の確保に苦労したといい、「日本の悪路という悪路を想定した振動試験および長時間の耐久試験を繰り返し行なうことで完成度を高めた」と語った。また、装着可能車種については「現在144車種としているが、取り付け検証は順次進めていく。結果はホームページでお知らせする」とした。
渡邊氏の説明後、再度登壇した高島氏は「Android Auto」対応など「ストラーダ CN-F1D」の特長に触れたのち、2016年度のラインアップに言及。「今回のCN-F1Dを加え7インチから9インチまで幅広いラインアップを揃えています。また、カーナビの総合メーカーとして、ポータブルカーナビの“ゴリラ”を加えまして、フルラインアップでお客様にさらなる快適なドライブを提供していきたい」と締めくくった。