まるも亜希子の「寄り道日和」
ステイホームは世界遺産に想いを馳せて
2021年1月14日 00:00
新年早々、東京都は再びステイホームな日々になってしまいました(涙)。そんな時だからでしょうか、今ごろはすっかり雪景色になっているであろう、富山県の世界遺産に想いを馳せております。
それは現在もトラベル Watchで記事が公開されている、トーヨータイヤのオールシーズンタイヤ「セルシアス」の取材で通りかかった、「五箇山合掌造り集落」。幹線道路から見下ろせるような、山間にぽっかりと空いた低地に、まるで日本昔ばなしの世界にタイムスリップしたかのような茅葺き屋根の家が並んでいるんです。透き通った水が流れる小川や田んぼのあぜ道、こんもりとした木の茂み。自分の生まれ故郷でなくても、心をキュンとつかまれるような懐かしい気持ちでいっぱいになりますね。そういう感情が、日本人としてのDNAに組み込まれているんでしょうか。
ここは1995年に、岐阜県白川村の萩町集落、平村の相倉集落とともに世界遺産に認定された、小さな世界遺産の村・菅沼合掌造り集落。建造物だけでなく、小川やあぜ道、木々なども含めて、すべてを昔のまま「変化させない」よう、大切に受け継いで守られているからこそ、誰しもが日本人の原点に戻るような気持ちになれるんでしょうね。
今ではなかなか、マイカーで直接行くことのできる世界遺産も少なくなってきたようですが、ここは1台500円の有料駐車場に停めることができます。なので、小さい子供連れのファミリーや、歩くのがしんどい人たちも気軽に行けるのがいいなぁと思います。しかも、駐車料金のうち300円はこの世界遺産のための「保存協力金」。後世までこの素晴らしい風景を守り伝えていくためには、費用もたくさん必要だと聞きますが、わずかでも自分がそれに貢献できていると思うと、ちょっと嬉しいですよね。
そして、今すぐには難しいかもしれませんが、いつかこの合掌造りの古民家に宿泊してみたいんです。なんと、「新田家」「荒井家」「松与門家」の3戸は囲炉裏がついた合掌造りのコテージになっていて、個人でも泊まることができるんだそう。食材や調味料を持ち込んで、囲炉裏で焼いて食べたり、茅がむき出しのお部屋でゆっくり過ごす一夜は、どんな感覚なのかすごく楽しみです。
五箇山合掌造り集落からほど近いところには「道の駅上平ささら館」があって、ちょっと珍しい形をした大木や、「珍品館」という変わった名前の売店も。道の駅の裏手からは、知る人ぞ知る「真背戸の滝」も見られますよ。
私を含め、コロナ禍によって「日々の暮らし」というものをあらためて見つめ直した、という人もきっと多いと思うんですが、もしかしたら、こうした昔ながらの暮らしを体験してみることで、また何か新しいものが見えてくるのかもしれないですね。