【2011ジュネーブショー】 フォルクスワーゲン、新型「ゴルフ カブリオレ」「ティグアン」公開 ワーゲンバスを由来とするEVのコンセプトモデル「ブリー」もワールドプレミア |
フォルクスワーゲンは、ジュネーブモーターショーで新型「ゴルフ カブリオレ」「ティグアン」と、ワーゲンバスを由来とする電気自動車(EV)のコンセプトモデル「ブリー」を発表した。
■ゴルフ カブリオレ
4人乗りのゴルフ カブリオレは、電動油圧式の開閉機構を備えたソフトトップを採用し、9.5秒で開閉を完了するとともに、30km/h以下であれば操作できる。今回とくに静粛性にこだわったといい、新開発のファブリック製のソフトトップやウインドー、ドアのシール機構などによってとりわけ耳障りとされる5000Hz以上の高周波を抑えたのが特徴の1つ。また、ソフトトップが収納された際の全体の厚みが減ったことで、トランクの収容容量を250L(格納時)確保できたとしている。
スリーサイズは4250×1780×1420mm(全長×全幅×全高)で、非常時に1000分の数秒で展開するロールオーバーバー、フロントエアバッグ、サイド/カーテンエアバッグ、運転席用のニーエアバッグ、ESP(横滑り防止装置)など、数々の安全装備を全車に標準装備しているのもポイントだろう。
エクステリアでは、スモークLEDリアライト、クローム仕上げの16インチアルミホイール、ラジエターグリルのクロームストリップ、ボディー同色のドラミラーハウジングなどが標準装備されており、派手すぎず、それでいてエレガントな仕様となっている。
エンジンは6種類の直噴ターボユニットが用意され、ガソリン仕様は77kW(105PS)の1.2リッターTSI、90kW(122PS)の1.4リッターTSI、118kW(160PS)の1.4リッターTSI、155kW(210PS)の2リッターTSI、ディーゼル仕様は77kW(105PS)の1.6リッターTDI、103kW(140PS)の2リッターTDI。
このうち3種類のガソリンエンジンと1種類のディーゼルエンジンには、ブレーキエネルギー回生システムとアイドリングストップシステムからなるブルーモーションテクノロジーが搭載されることが予告されている。
なお、このゴルフ カブリオレは今夏に欧州で発売予定となっている。
■ティグアン
新型ティグアンは、エクステリアデザインの変更や装備面の充実が図られた。従来モデル同様、オンロード仕様とオフロード仕様が用意される。
エクステリアデザインでは、グリルにトゥアレグのような2本のダブルクロームルーバーが採用され、水平基調のデザインとしたほか、フロントバンパーを一新。また、サイドビューはリアに向かって上がっていくウインドーライン、ドアとフェンダーの面処理、安定感のあるCピラーなどによって力強さが表現され、さらにリアビューではテールランプが変更を受けている。
装備面では、ティグアンで初となるXDS(電子制御式ディファレンシャルロック)のほか、疲労検知システム、カメラを使ったメインビーム制御システム「ライトアシスト(H7)」や「ダイナミック ライトアシスト」、車線保持のための「レーンアシスト」といったドライバーアシスト機構を設定。
パワートレーンは、2WD(FF)車が90kW(122PS)と118kW(160PS)の1.4リッターTSI、81kW(110PS)と103kW(140PS)の2リッターTSI。4WD車が118kW(160PS)の1.4リッターTSI、132kW(180PS)と155kW(210PS)の2リッターTSI、103kW(140PS)と125kW(170PS)の2リッターTDI。
この新型ティグアンは、欧州で8月から販売される。
■ブリー
6名乗車が可能なEVのコンセプトモデル「ブリー」は、ワーゲンバスで採用されていた空冷水平対向エンジンと後輪駆動の代わりに、フロントアクスルの前に電気モーターを備え、フロントホイールを駆動する。
85kWのパワーと270Nmのトルクを発生するモーターを搭載。電気供給は最大40kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーから行われ、最大で300kmの走行が可能と言う。0-100km/h加速は11.5秒、最高速は140km/h。
ボディーサイズは3990×1750×1700mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2620mm。
インテリアではセンターコンソールにiPadの設置場所が設けられ、タッチスクリーン式のマルチファンクションディスプレイとして使うことができる。Bluetooth経由でハンズフリーフォーンやナビゲーションシステムなどの操作が可能。iPad設置台の右には室内温度調節システムの操作系が用意される。
シフトレバーはなく、その代わりにドライバーの右側に用意されるロータリースイッチで行う。このロータリースイッチによってモーターのスタート/ストップ操作が行える。
フロントのベンチシートは、助手席と中央席部分を折りたたむことができるほか、リアのベンチシートは収納を可能にした。リアのベンチシートを収納すれば、カーゴスペースを1600Lまで拡大できると言う。
ブリーはあくまでコンセプトモデルだが、サイズ感や使い勝手は実によさそうだった。正式発売を手ぐすねを引いて待ちたいものである。
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1157.html
(編集部:小林 隆)
2011年 3月 9日