【2012ジュネーブショー
ワールドプレミア車を先行でお披露目した「フォルクスワーゲングループナイト」

新型アウディ「A3」や、ポルシェ「ボクスター」を公開

フォルクスワーゲングループナイトで公開された新型ボクスター

2012年3月5日開催(現地時間)



 ジュネーブモーターショーの前夜祭として恒例となっているフォルクスワーゲングループの「グループナイト」が3月5日(現地時間)、今年もジュネーブ市街の「Espace Secheron Hall」で開催された。グループナイトでは、フォルクスワーゲングループに属する各ブランドが、明日から開催されるジュネーブモーターショーより一足早く、注目の車両をお披露目した。

 今回のグループナイトは、44カ国から1300人のプレス関係者やゲストを招いていて、会場は多くの関係者でにぎわっていた。

 グループナイトでは、車両公開の前にプレゼンテーションが行なわれた。昨年度、フォルクスワーゲングループは、全世界で830万台の車両を販売し、GMに次ぐグローバル販売で2番目のポジションを得ることとなった。今後もグローバル展開を進めていくとともに、販売するモデルの燃費向上や工場から排出されるCO2を削減することによる環境負荷の低減、そして50万人を超える各国での雇用を維持しつつ、グローバルな自動車メーカーとしての責任を持続的に保っていくことを約束すると発表した。

 明日からのショーでも多くのワールドプレミアが用意しているフォルクスワーゲングループの中で、最初に登場したのが新型のアウディ「A3」。新型A3は、アウディが得意とするアルミ素材を使った軽量化をさらに促進し、先代モデルに比べて80kgも軽く仕上げているという。もっとも軽量なモデルでは車重が1175kgに抑えられていて、燃費の向上にも貢献している。エンジンは、1.4リッター~2.0リッターのTFSIとTDIが用意されていて、もっとも燃費のよい1.6リッター TDIでは3.8L/100kmで、CO2の排出量は99g/kmとなっている。

 アウディA3とともに市販モデルとして注目を浴びていたのがポルシェの「新型ボクスター」。一新したシャシーにより、トレッドやホイールベースが拡大し、より高いハンドリング性能を手に入れている。新タイプのシャシーは軽量化も併せて行っている。2.7リッターエンジンは、先代に比べて最高出力が10PSアップの265PSになっているが、7.7L/100kmと燃費性能は大幅に向上している。

新型アウディA3
新型ポルシェボクスター

 そして、グループの中核であるフォルクスワーゲンが公開したのは、東京モーターショーで初公開した「Cross Coupe」のディーゼルモデルとピックアップの「Amarok Canyon」。Cross Coupeは、ディーゼルエンジンを搭載したプラグインハイブリッドで、1.8L/100kmという驚異的な省燃費を実現している。エンジンのトータル出力は306PSで最高時速は220km/hをマークする。

 Amarok Canyonは、多目的のスポーツピックアップ車両で、ヨーロッパでは大衆的なエクストリームスポーツであるフリースタイルカヤックを荷台に搭載するなどアクティブなイメージを感じさせる。

 フォルクスワーゲングループの高級ラインであるベントレーが公開したのは、まったく新しいラインナップとなるSUVの「EXP9Fコンセプト」。世界でももっとも美しいSUVとなるようにベントレーがこれまでに培った質感の高いインテリアやエクステリアのデザイン性を融合している。

 その他に公開されたのは、ブガッティベイロンの新型となるオープントップの「Grand Sport Vitesse」。ランボルギーニは、アベンタドールのスピードスター「アベンダドールJ」。一昨年からフォルクスワーゲングループに入ったジウジアーロからは4人乗りのスポーツカー「BRIVIDO」などのモデルが公開された。

VW Cross Coupe
VW Amarok Canyon
ベントレー初のSUVとなる「EXP9Fコンセプト」
ベイロンのオープンモデル「Grand Sport Vitesse」。最高出力1200hpが生み出す最高時速は410km/h
ランボルギーニのアベンタドールJは、フロントウィンドウも廃したスペシャルモデル
ジウジアーロがデザインした4シータースポーツカー「BRIVIDO」。4人乗車ながら美しさを追求したモデルとなっている

ジュネーブショー 2012 レポートリンク集
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1407.html

(真鍋裕行)
2012年 3月 6日