人とくるまのテクノロジー展 2019
スバル、新型ハイブリッド車用トランスミッション「TH2A」の動作カットモデルを初公開
THSを採用した4WDトランスミッション
2019年5月24日 18:18
- 2019年5月22日~24日 開催
- 入場無料
自動車技術会が主催する自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」が5月22日、神奈川県のパシフィコ横浜・展示ホールで開幕した。会期は5月24日まで。登録が必要だが入場は無料。
スバルはこのテクノロジイベントに、同社初のPHV(プラグインハイブリッド車)「クロストレック ハイブリッド」を展示。同時にクロストレック ハイブリッドに搭載されるPHVトランスミッションのカットモデル展示も行なわれた。
国内未発売モデルであるため、ハイブリッド用トランスミッションのカットモデル展示が一般公開されるのは2度目。ただし、前回は静的モデルで、ギヤが動作しているモデルを展示するのは世界初とのこと。動いていると、複雑なギヤの動きが分かりやすい。
このハイブリッド用トランスミッションの型番は「TH2A」で、担当者によると、Tはトランスミッション、Hはハイブリッド、2は2モーターを意味する(Aはおそらく1番目のA型か?)という。このハイブリッド用トランスミッションは、これまでのスバルのハイブリッド用トランスミッションと異なり、リニアトロニックCVTにモーターを組み合わせる構成から、2モーター(MG1とMG2)でCVT兼動力分割機構にプラネタリーギヤ(遊星歯車)を用いるものとなっている。
この2つのモーターはトヨタ自動車から供給を受けているもので、プラネタリーギヤによる動力分割機構はトヨタのハイブリッドシステム「THS」から技術供与が行なわれたもの。とはいえ、モーター以外はスバルが独自に設計しており、モーターのみがトヨタからの供給部品になるという。
これは、モーターのようなコストがかかる部品は、すでにプリウス用などで大量生産されているものを使って共通化を図り、全体のコストを下げて行こうとしているため。逆にそのほかの部品は、エンジンから直列レイアウトかつトランスミッション一体型のフロント動力軸が必要、かつ4WD機構を成立させるためにリアの駆動軸も必要となるスバルパッケージ(シンメトリカルAWD)のため専用設計されている。
モーターは、エンジン側のモーターがMG1、リア側のモーターがMG2。MG1の直後に1つのプラネタリーギヤ、MG2の直前にもう1つのプラネタリーギヤが配置されている。
動作はスバルの映像を見てもらうのが分かりやすい。モーターとTHSの技術供与を受けたとはいえ、スバル独自のレイアウトへとなっており、開発の苦労がうかがえるものだ。
参考として、減速機構を持つTHS IIを採用する「プリウス」、そこにワンウェイクラッチを追加しデュアルモータードライブの可能な「プリウス PHV」、FR型式のTHS IIシステムとなるアイシン「マルチステージTHS II用トランスミッション」(AWRHM50)の写真を掲載しておく。スバルのTH2Aと見比べ、それぞれのTHSならではのプラネタリーギヤ配置の妙を楽しんでいただきたい。
ちなみに、縦置きTHS IIハイブリッド4WDの新型クラウンは、前後のトルク分割に別途センターデフとなるトルセンLSDを採用。通常は40:60で配分し、走行条件に応じて前後輪に30:70から50:50の間でトルク配分を変更するものとなっている。