人とくるまのテクノロジー展 2023

ホンダ、センシング技術の発展形「Honada SENSING 360 Next Concept」やカーボンニュートラル実現へ向けた「ポータブルバッテリ」活用実例を紹介

2023年5月24日~26日 開催

入場無料

Honada SENSING 360 Next Concept搭載車

 ホンダは5月24日~26日に開催している「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA(会場:パシフィコ横浜)」に、「安全」「環境」の2つにテーマをしぼった展示を実施している。

「安全」をテーマにした青色ゾーン

 青色のゾーンが「安全」に関する技術を紹介するエリアで、車両に長距離ミリ波レーダー、中距離ミリ波レーダー、フロントセンサーカメラを搭載し、周囲360度のセンシングを可能に。さらに、ルーフアンテナと地図ECU、ドライバーモニタリングカメラを搭載することで、より高度な運転支援を可能にするという「Honada SENSING 360 Next Concept」を展示している。

 高価なライダー(LiDAR)ではなく、比較的安価なミリ波レーダーで360度センシングを行ない、ナビに目的地を入れれば、同一車線内でのハンズオフ走行を可能にするだけでなく、分岐や出口ICでの車線変更も支援してくれる。また、ドライバーモニタリングカメラにより、運転手のわき見運転の警告や、体調不良による運転姿勢の乱れも検知してサポートするシステムを構築している。会場では実際にドライバーがわき見をした際に検知している様子や、高速道路での車線変更支援などをモニターを使いデモンストレーションしている。

Honada SENSING 360 Next Concept搭載車
車両の外周に長&中距離ミリ波レーダーを搭載。実際はバンパーの中に収めるものだが、会場では分かりやすいように外側に装着している
ドライバーのわき見運転検知
高度車線変更支援機能のデモ

 そのほかにも「安全」エリアでは、AI(人工知能)を活用してシームレスな移動を支援する「Honada SENSING Elite Next Concept」を紹介。高速道路だけではなく歩行者、自転車、バイク、対向車が混在する複雑な環境の一般道における、認知・理解・予測をAIの学習技術を活用して確立し、あらゆるシーンでの事故低減を目指すとしている。

 また、将来技術としては自動車だけでなく、現代はほぼ1人1台は所持しているスマホを活用して、お互いの位置や状態をリアルタイムで認識し、クラウドに蓄積するビッグデータをAIに解析させることで、事故などのリスクを軽減させる「安全・安心ネットワーク技術」を紹介している。

AIを活用してシームレスな移動を支援
安全・安心ネットワーク技術

「環境」をテーマにした緑色ゾーン

 緑色のゾーンは「環境」に関する技術を出展。今回は主にカーボンニュートラルの実現に向けた具体策として、ホンダが手掛ける着脱式ハイパワーポータブルバッテリ「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を軸にした可能性を展示。

ホンダの着脱式ハイパワーポータブルバッテリ「Honda Mobile Power Pack e:」
Honda Mobile Power Pack e:を活用した世界像

 8月24日に発売する電動二輪パーソナルコミューター「EM1 e:」や、参考出品の水上用「小型電動推進機」、蓄電池として利用する「Honda Power Pod e:」、EV(電気自動車)から電気を取り出し、交流100V/200V、定格6kVAの出力を可能とし、大型電気製品からパソコンなどの精密機器まで、さまざまな電気機器に電力を供給できる可搬型外部給電器のプロトタイプ「Power Exporter e: 6000 Prototype」も展示している。

電動二輪パーソナルコミューター「EM1 e:」
シートの下にHonda Mobile Power Pack e:を収納する
EVバイク「EM1 e:」の詳細
水上用の「小型電動推進機」
Honda Power Pod e:は蓄電池
Power Exporter e: 6000 Prototype

 さらに、2024年に北米と日本での発売を予定している「次世代燃料電池システムを搭載したFCEV(燃料電池自動車)」も展示している。

次世代燃料電池システムを搭載したFCEV(燃料電池自動車)
アニメーションによる図解も公開されている
ホンダのブースは入場希望者が多く、順番待ちの列ができていた
青色の「安全」エリアと緑色の「環境」エリアの2つのゾーンを用意している
編集部:塩谷公邦