人とくるまのテクノロジー展 2023
シェフラー、内燃エンジン用技術「eロッカー」や電動化用技術「4in1電動アクスル」など展示
2023年5月25日 16:58
- 2023年5月24日~26日 開催
- 入場無料(登録制)
5月24日~26日の期間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)からシェフラーブースの模様をお伝えする。
シェフラージャパン代表取締役の田中昌一氏は「モビリティの効率性と持続可能性の限界に挑むシェフラーが進める変革をご紹介できることを嬉しく感じています。サステナビリティはシェフラーグループが掲げる4つの企業価値の一角を成す要素です。私たちにとってサステナブルな事業の成功とは、製造から完成品に至るすべてのバリューチェーンにおいて、環境と社会に対する責任を果たすことだと考えています」とコメントを発表している。
多くの製品が展示されているブースだが、そのなかにエンジンヘッドも展示されている。これはBMWのB58型エンジンで、7シリーズやX7に搭載されている直列6気筒エンジンで、BMWが目指した最新の思想を取り入れたものになっている。
欧州では排ガス規制「ユーロ7」が近々導入されるので、B58もそこに見込んだ仕様になっているのが特徴で、吸気側と排気側の両方にシェフラー製のVTC(Variable Timing Control)を装備している。そして吸気側カムはBMW製のバルブトロニックが使われているが、その機構のなかのロッカーアームを押すための中間レバーはシェフラー製。
さらに、従来の気筒休止は、排気側のバルブを駆動するフォロワーのピンを油圧で制御することで行なっているが、シェフラーはこれを電動アクチュエーターが駆動するロッドにて行なう「eロッカー」を開発。油圧式ではエンジン回転が低いときに起こる油圧不足や、オイル特性による油圧の変化もあるため、機構の作動に制限があったが電動VTCとeロッカーであればいつでも同じ動きをさせることが可能になるという。
また、B58はクランクシャフトの延長上にモーターを配置する直結式で、この機構は例えば回生したいときにエンジンのフリクションがジャマになる。しかしバルブトロニックとeロッカーにより6気筒すべてを止めてしまえば効率のいい回生が可能になる。また、この機構があるのでクランク直結のハイブリッドでありながらモーターのみで走行することが可能だ。
その他、注目製品は電動アクスル。エンジンは熱を捨てるものであったのに対して、電動車は電気で熱を作らなければならないもの。そのためいかに少ない電気でたくさんの熱を作るかが課題になる。また、作った熱を逃がさないことも重要になるそうだ。
そこで電動アクスルもそういったところにフォーカスをして、より少ない電気で多くの熱を作る、さらに逃がさないという点が重要になるため、最新の電動アクスルはモーター、インバーター、ギヤボックス、サーマルマネージメント装置が一体になった4in1電動アクスルというタイプになった。