人とくるまのテクノロジー展 2023
アナログ・デバイセズ、バッテリマネジメントや映像伝送の最新技術でサステナブル・ソリューションを提案
2023年5月29日 11:31
- 2023年5月24日~26日 開催
半導体やシグナル・プロセッシングICを扱うアナログ・デバイセズは、パシフィコ横浜で5月24日~26日に開催された「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」にて、最新のサステナブル・ソリューション技術を公開。すでに実用化されている技術も多いが、それをさらに進化させた内容を展示していた。
バッテリ・マネジメント・システム
BEV(バッテリ電気自動車)ではより長い航続距離が求められるが、アナログ・デバイセズでは、バッテリをたくさん積むことで伸ばすのではなく、BMS(バッテリ・マネジメント・システム)技術により、効率よくバッテリを使用(マネジメント)することで航続距離の伸長を実現させている。
バッテリのセル電圧計測精度を、従来は計測誤差3.80V~3.74Vだったところ、3.782V~3.758Vに向上させたことで、電池残量を従来よりも正確に把握できるだけでなく、高い給電圧、電流、電力監視も可能なため、開発コストや部品コストの低減にもつながるとしている。これはすでに実用化されている技術で、例えばテスラの現行モデル(一部)などに採用されている。
次世代画像伝送インターフェースGMSLソリューション
最新の自動車は、ADAS(先進運転支援システム)、リアビュー、ドライブレコーダー、アラウンドビューモニターシステムなど、多数の高解像度カメラを搭載しているモデルが増えている。そこで、ADASや車載インフォテイメントに必要となる広帯域幅、複雑な相互通信、高速通信ICを実現するのが、GMSL(ギガビット・マルチメディア・シリアル・リンク)SerDes(シリアライザ・デシリアライザ)で、高解像度のデジタル映像データをケーブルやハーネスを増やすことなく大量に伝送可能にする。
これもすでに実用化されている技術で、現在アルプスアルパインが発売してる「デジタルミラー」などに搭載されている。
エクステリアLED ライティングデモ
今ではよく見かけるようになった「シーケンシャルウィンカー」、LED電球の特性を生かしてオレンジの光を流れるように点滅させ、歩行者や後続車両に対してしっかりと意思をアピールできることと、見た目にも華やかで採用する車種も増えている。
しかし、実はきれいに流れさせるには高精度な車載用LEDドライバが必要となるが、4×24マトリクスLEDドライバは、最大96個のLEDを駆動させることが可能で、軽量コンパクトな基盤で大量のLEDを操れるようになる。同様に増えているLEDマトリクスヘッドライト用のソリューション技術も用意。1つのチップでフルコンビネーションヘッドライトを駆動できる製品を開発している。
また、アナログ・デバイセズでは、より安全な交通社会を目指し、シーケンシャル点灯技術を取り入れたテールランプを用意。ウィンカーよりも大きな面積のテールランプを生かし、複雑な点灯パターンや、デザイン性のある点灯パターンなど、未来を感じさせるデモ機を展示していた。
「E2B」 10BASE-T1S車載イーサネット伝送
デジタル化やADASの搭載など、時代と共にどんどん複雑化している車載コンピュータ。できる限り統合できれば、ハーネスや基盤やユニットなど搭載する物資を減らすことができ、その結果車両の軽量化にもつながり、航続距離の伸長やCO2排出の低減にもつながる。
展示していた「10BASE-T1S E2B(イーサネットtoエッジ・バス)」を採用することで、すべてをイーサネットで統合でき、ケーブル類のハーネス設計を最適化するだけでなく、ソフトウェアの集中化、システムの簡素化、システムコストの低減が可能となり、後から新たなアーキテクチャを増強することも簡単にできるようになるという。
「A2B」DSPを含む高帯域幅・双方向デジタルオーディオ・バス
アナログ・デバイセズのA2B(Automotive Audio Bus)は、高精度・広帯域幅の双方向デジタル・オーディオ・バスで、単一の2ワイヤ式UTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルを使用し、デイジーチェーン(一筆書き)によって少ないケーブルでオーディオシステムを構築し、重量とコストを数十分の1に削減できるという。
また、今後は車両で1つの音源を聞くのではなく、各席のパーソナライズが進むことが予想され、アナログ・デバイセズでは音を打ち消す音波を出すことで、運転席、助手席、後席で、それぞれ異なる音源を聞くことも実現できるとしている。