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フォルクスワーゲン、フェイスリフトで「R-Line」を新採用した新型「ザ・ビートル」発表会

新色の「ボトルグリーンメタリック」「ストーンウォッシュドブルーメタリック」追加

2016年9月21日 発売

234万9000円~345万9000円

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは9月21日、3ドアハッチバックモデル「ザ・ビートル」の内外装を一新し、グレード体系を改めて発売した。価格は234万9000円~345万9000円。そのほか変更内容の詳細などは関連記事の「フォルクスワーゲン、内外装を刷新した新型『ザ・ビートル』」を参照していただきたい。

新型「ザ・ビートル」。ボディカラーは新色の「ストーンウォッシュドブルーメタリック」
フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長 ティル・シェア氏

 同日に東京 秋葉原のベルサール秋葉原で行なわれた記者発表会では、新たに設定されたボディカラー「ストーンウォッシュドブルーメタリック」の新型ザ・ビートルが置かれたステージに、フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長のティル・シェア氏が登壇。ザ・ビートルに至るビートルシリーズの歴史や新しくアップデートされた点などについて紹介した。

 シェア氏は「ビートルとは、フォルクスワーゲンの歴史を今に繋ぐDNAです。今日ではフォルクスワーゲンはブランド名であり、企業名でもありますが、このブランドはのちに『ビートル』という名前になるたった1つのモデルから始まりました。この最初のモデルは、“フォルクスワーゲンというコンセプト”のもとに開発されました。真に人々のためのクルマ、ピープルズカーでなければいけません。当時は裕福な人にとってのクルマが大半だったのです。1950年代の前半、このクルマは欧州から見た大西洋の向こう側、アメリカで大変な人気となり、『ビートル』『バグ』といった愛称で呼ばれるようになりました。当時はコードネームの『タイプ1』がそのまま正式名称となっていましたが、1960年代初頭には、ビートルやバグのドイツ語訳である『ケーファー』とドイツ本国でも呼ばれるようになりました。その理由は、『タイプ3』というセダンモデルなどとの差別化が理由でした。ほかにもさまざまな国の言葉でニックネームが付き、ケーファーやビートル、イタリアではマッジョリーノ。それはこのクルマが、真のピープルズカーであったことを物語っています」と語り、誕生から多くの国で愛されるようになった初代ビートルについて解説。

 さらにシェア氏は「しかし、1960年代に入るとクルマに対する人々の要求も変化したため、1970年代に入ってからフォルクスワーゲンは初代『ゴルフ』を発表。新たなピープルズカーを誕生させたのです。その後もビートルの歴史は途絶えることなく、2003年の7月にメキシコで最後の1台がラインオフするまで続きました。累計で2150万台が生産されたビートルは、2002年になってゴルフに抜かれるまで、長年に渡りフォルクスワーゲンで最も生産されたクルマでした。ただ、最後の1台のあとも、ビートルが持つ神話や人々による愛着は途絶えることがありませんでした」。

「1994年にデトロイトモーターショーで『コンセプト1』という車両が展示されました。カリフォルニアにあるフォルクスワーゲンのデザインセンターで極秘プロジェクトとしてスタートし、当初は生産計画のないモデルでした。しかし、プレスや一般の方からの熱狂的な反響により、当時のマネージメント陣はすぐにこのクルマの量産を決断しました。そこから4年間の開発期間を経て、1998年に『ニュービートル』がアメリカで発売。その翌年には“ニュービートルフィーバー”が日本にもやってきました。実際、2000年から4年間、日本でのモデル別フォルクスワーゲン販売台数のランキングで、ゴルフに続いて2位になるほどの人気モデルになりました」と述べ、2代目となったニュービートルについても説明。

 続けてシェア氏は「ビッグマイナーチェンジを経ながら、ニュービートルは2010年まで通算で13年間生産されました。そこで再び社内で活発な議論が巻き起こりました。『ビートルの後継モデルは必要か』『それはどういったモデルであるべきなのか』です。『ニュービートルと同じようにビートルの歴史を継続してほしい』といった強い要望は、本国よりもむしろ日本を含む諸外国から起こったのでした。そして後継モデルとなった『ザ・ビートル』は、ニュービートルよりもオリジナル ビートルをモチーフとして考えられました。ピープルズカーの象徴的モデルであるザ・ビートルは、“人々に笑顔をもたらす”という特別な意味を持っています。それは新型のザ・ビートルが、お客さまに寄り添うブランドを目指すフォルクスワーゲンの『Think People.』活動に最もふさわしいモデルだからです」として、新しいザ・ビートルと自身が同社の代表取締役社長に就任してから続いているブランドPR活動「Think People.」キャンペーンの関連性について語り、合わせて「Think People.」キャンペーンについても紹介した。

世界的メーカーであるフォルクスワーゲンの礎を築いた初代ビートルに続き、2代目となるニュービートルが1998年にデビュー
ザ・ビートル(左)とビートル(右)を並べた写真を使い、類似性の高いモデルであることを解説
9月9日に千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイでユーザー参加型イベント「GTI Meeting Japan」を開催
12月末まで全国で体感試乗キャンペーン「Try! Try! Try! Volkswagen」を開催中

 新しいザ・ビートルについては「ザ・ビートルはこの4年間で、日本のお客さまに2万6000台も納車致しました。お客さまの特徴としては女性比率が50%と高く、年齢による偏りはありません。このクルマのユニークなデザインを気に入って購入するお客さまがほとんどです。新型ではこれまでよりもスポーティな印象を与える顔つき、フォルクスワーゲンのオールイン・セーフティコンセプトに基づく充実した安全装備、さらにオンラインサービスの利便性が向上したインフォテイメントシステムが特徴です。さらに忘れてならないのは豊富なカラーバリエーション。生まれ変わったザ・ビートルは、2つの新色を含めて計8色がラインアップされます。受付前に展示している8色すべてを使ってペイントした特別展示車もぜひご覧ください」とシェア氏は解説。最後に「誕生したときから“フォルクスワーゲン”として『Think People.』を具現化してきたビートル。この新型ザ・ビートルにお乗りいただき、お客さまにさらなる楽しさを提供できればと願っています」と述べて発表会を締めくくった。

新色の「ボトルグリーンメタリック」「ストーンウォッシュドブルーメタリック」の2色を追加し、全8種類のボディカラーをラインアップ
シートカラーにブラックとベージュの2色、シート表皮にファブリックとレザー(オプション)の2種類を設定し、内外装の組み合わせは32種類となる
グレード体系は「ザ・ビートル Base」(234万9000円)、「ザ・ビートル Design」(269万9000円)、「ザ・ビートル 2.0 R-Line」(345万9000円)の3種類
7月13日から純正インフォテイメントシステム「Composition Media」のコネクティビティ機能「App-Connect」がGoogleの「Android Auto」に対応しており、Appleの「CarPlay」や「MirrorLink」といったサービスと合わせてスマートフォンと連携。多彩なコネクティビティ機能が車内で楽しめるようになっている
新色の「ストーンウォッシュドブルーメタリック」
新色の「ボトルグリーンメタリック」
「ハバネロオレンジメタリック」
「ブルーシルクメタリック」
「ピュアホワイト」
「サンドストームイエローメタリック」
「ディープブラックパールエフェクト」
「トルネードレッド」
8色のボディカラーをちりばめた「ザ・ビートル ハレキン」。ドイツ語で道化師(Harlekin)という意味を持つ車名が与えられたスペシャルモデルで、無塗装の状態のボディにそれぞれ塗装を施して作り上げているとのこと
従来の「Turbo」グレードは、外装の意匠変更を行なって「2.0 R-Line」となった
前後バンパーの形状が異なるほか、それぞれ中央部分や下側などをブラックアウトしている。大型のリアスポイラーはTurboから継承
光輝ブラック仕上げのフェンダーモールディングを装備。タイヤは235/45 R18サイズのコンチネンタル「コンチスポーツコンタクト3」を装着
ドアミラーやサイドモールディングも光輝ブラック仕上げ。サイドモールディングにはクロームメッキ加飾も装着する
2.0 R-Lineは「CPL」型の直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンを採用。最高出力155kW(211PS)/5300-6200rpm、最大トルク280Nm(28.6kgm)/1700-5200rpmを発生
BaseとDesignでは「CBZ」型の直列4気筒SOHC 1.2リッターターボエンジンを採用。最高出力77kW(105PS)/5000rpm、最大トルク175Nm(17.8kgm)/1500-4100rpmを発生
BaseとDesignも前後バンパーの形状を変更。Designではクロームメッキによる加飾も使用している
ラゲッジ容量は310L。リアシートを前方に倒すと905Lまで拡大できる
2.0 R-Lineのインテリア。ダッシュパッドは光輝ブラックとなる
Designと2.0 R-Lineはレザー3本スポークステアリングを標準装備する
Designのインテリアでは、ボディカラーとコーディネートしたダッシュパッドやステアリングホイールトリムが設定される
ドアポケットに柔軟性のあるバンドを設置して使い勝手を高めている
アクセルペダルはオルガン式。大型フットレストも備えている
前席2人、後席2人の4人乗車
発表会の会場では8色に増えたボディカラーのバリエーションに合わせ、カラフルなドリンク類や軽食などがふるまわれた